斎藤純被告の高校時代、右は頭蓋骨が見つかった自宅現場

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 さいたま市大宮区内のマンションの一室から、棚に置かれた頭蓋骨などが見つかったとして、同部屋に住む斎藤純被告(逮捕当時31歳)が逮捕された衝撃的な事件。 

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 承諾殺人罪、窃盗罪にて起訴され、さいたま地裁で行われた第1回公判で、斎藤被告は被害者の承諾の上、殺害したことを認めた。そして、この承諾殺人による被害者は当時21歳だった女性・Aさん、同じく22歳だった女性・Bさんの2名であることが明らかになった。

 Aさんの被害は、斎藤被告の家から見つかった人骨からも明らかになっていた。しかし、自宅で亡くなっていたBさんの事件は平成27年の捜査当時、神奈川県警が自殺と判断していたことも発覚している。第1回公判では、斎藤被告が解体したAさんの遺体を煮ていたことが明かされるなど、猟奇的な犯行態様が明らかになっていた。

 4月27日に行われた第2回公判では、斎藤被告本人に対する被告人質問が行われた。3時間半開かれた公判で語られたその内容は、現実に起きた事件なのかと疑いたくなるような、事件内容そのものとは違う底冷えするものであった。傍聴を行った裁判ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第1回。※本記事には一部ショッキングな内容が含まれます】

殺人衝動で「他のことが考えられなくなる」

 注目度の高い今回の公判では、傍聴者が探知機で身体チェックを受けるセキュリティの厳重さだった。

 法廷で被告人質問を受けた斎藤被告は、おぞましい事件とは裏腹に、顔は真っすぐ正面を向き、論理的にスラスラと話す様子が印象的だった。その様子は「本当に反省しているのか」と感じる人もいるかもしれないし、「正直にすべてを明らかにする姿勢」と感じる人もいるかもしれない。

 弁護人から2件の承諾殺人の動機、心情について問われた斎藤被告。「小さいころからある、殺人衝動に動機づけられてるのが大部分」と答える。
 
 その衝動を感じたのは小学生中高学年ころといい、日によりムラはあるものの、酷いときは「他のことを考えられないくらい」と表現するほどであった。

 ただ、その感情を望んでいたわけではなく、「わずらわしくて、不快なもの」だったという。自身でもその異常性に気付きながらも、内容が内容だけに両親、友人、病院などに相談できなかったと主張した。以降は、弁護人からなされた質問を中心にやり取りをまとめた内容である。

中学生時代に同級生を刃物で

 学生時代は殺人衝動を満たすために、周囲を散歩しながら、行き当たりばったり知らない人の後ろについて忍び寄ることなどを繰り返していたという。

弁護人「どんな心情で、忍び寄ることを続けていたんですか」
斎藤被告「最終的に襲えるようなことがあれば、と」

弁護人「何か持っていたんですか」
斎藤被告「日によるんですが、刃物、鈍器、紐、その他のときも」

 さも当然のことのようにスラスラと答える斎藤被告。そして、その衝動はついに2回の"実行"を起こす。

 1回目は中学生のころであった。被告人の衝動をそれとなく理解していたという同級生を夜の公園に誘って、羽交い絞めにして、持っていたナイフで首を刺した。幸いにも大事には至らず、その同級生も翌日には包帯を首に巻いて登校したが、特に問題にならなかったという。

 2回目は、スーツケースを引いている女性を駅から後をつけた。人気が少ないところで、羽交い絞めにし、刃物を突き付けたところ、被害者が「止めてください」と抵抗したことでその手を止めた。

 その2件を経て「明日に向かっている人を殺すのはよくないな」と心境の変化があったという。しかしそれで、斎藤被告の殺人衝動が落ち着いたわけではなかった。

「殺人ってバレたらやばい」

 その後、自殺志願者にターゲットを向ける。掲示板、SNSを駆使し情報を集めた。

 証拠として採用されている心中相手募集者が集まる掲示板には、「僕はご一緒できませんが、お手伝い、またはお見送りを考えています」と書き込みを残している斎藤被告。そんな中でBさんとの接点が生まれる。記録が残っているBさんとのメールのやりとりは、わずか4日分ほどだったが裁判の証拠書面にして100枚にも及んでいた。

 その中には、Bさんから被告人に向けて、

「殺人ってバレたらやばいと思う。首吊りに見せた方がいいんじゃ?」
「(決行日について)私はいつでも構いません」
「(斎藤被告が手をかける相手について)2人同時にどうですか?」

 などと送っている様子も明らかになった。

 しかし、日が近づくにつれてBさんに「なんだか恐くなってきました」「苦しくなく殺してほしい」などの思いも見え始める。斎藤被告は、Bさんの気が固まらなければ決行しない旨を伝えると、睡眠薬を服用して意識がない中で決行するという手段をBさんの方から示した。

 弁護人としては、犯行は認めながらも被告人が積極的に唆したという事実はないと主張したいようであった。確かにそのようなやり取りは、裁判の中では示されなかった。しかし、被告人の当時の心情は、単に唆す、唆さないとはまた違った次元のように感じた。

弁護人「あなたがBさんに『あなたは大学にも通ってるし、まだ将来もあるし、僕に手をかけられるには惜しい人』と送っている意味は?」
斎藤被告「Bさんとやり取りする中での率直な僕の思いです」

弁護人「Bさんの自殺を断念させようという思いからの言葉ですか?」
斎藤被告「そこまでではないです」

弁護人「なぜ違うのですか?」
斎藤被告「自殺の掲示板で話しているんで」

 さも当然のように答える斎藤被告。そして事件当日を迎えた--。第2回記事ではBさんを殺害した経緯や、家族のいる自宅でAさんを殺害、解体した経緯について詳報している。

(第2回へつづく)

◆取材・文/普通(裁判ライター)