石川県知事、清瀬市長に続いて練馬区長選も…自民推薦候補の惨敗にみる「高市人気」の微妙な本質

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「練馬でも負けた」

東京23区の1つである練馬区の区長選挙が、永田町で衝撃を与えている。

4月12日に投開票された練馬区長選で、「完全無所属」を掲げた幼稚園理事長の吉田健一氏(59)が12万3164票を獲得し、初当選した。

前川燿男練馬区長(80)から後継指名をうけ、自民党や都民ファースト、国民民主党などから推薦を受けた元都議の尾島紘平氏(37)は組織戦を展開したが及ばず、9万135票と約3万票差で大敗した。

今回の区長選について、区内に住む50代の主婦は、

「小池百合子知事(73)や地元選出の菅原一秀衆議院議員(64)が一緒に回っていたけど、尾島さん本人の印象がほんとなかったんです。新聞で配られた選挙公約を見ても、地震への備えや大江戸線の延伸など、これまでよく見た公約で新鮮味も具体性もなかった。つまり、彼が何をしたいのかよく分からなかったですね」

と話す。

一方の吉田氏は予算が150億円に膨れ上がった区立美術館再整備に反対を表明。子育て支援優先などを訴え、支持を広げた。

前回の区長選で前川氏に2000票差に迫った吉田氏と、事実上の一騎打ちで敗れた尾島氏。彼を応援していた練馬区議はショックを隠せない。

「石神井や大泉など、練馬西部では吉田候補が優勢とみられていた。それでも、組織を背景に、区内の団体などを小まめに回った尾島氏が負けるとは思っていませんでした。それがここまで大敗するとは……」

そんな区長選の結果は、中央政界でも衝撃をもって受け止められている。

「正直言えば、練馬でも負けたか……という感じですよ」

そう取材に答えるのは、自民党関係者だ。

党内に広がる“練馬ショック”

「3月8日に行われた石川県知事選では、高市早苗首相(65)が応援にまで入ったのに現職の馳浩氏が敗北。3月29日投開票の東京都清瀬市長選でも、自民党推薦の現職市長が共産と社民が推す新人に敗れました。今回の練馬区長選を入れての3敗ですし、党内でも“練馬ショック”なんて言われ、衝撃をもって受け止められてます。『高市人気』の微妙な本質です」

2月の衆院選では歴史的大勝を飾った自民党。だが、その後の地方選では、とてもひと月前の選挙結果がウソのような敗戦を繰り返している。

“練馬ショック”を含めた敗戦続きは、高市政権にどんな影響を与えるのか。

政治評論家の有馬晴海氏は、本サイトの取材に対し、

「自民党としてはこのところの地方選挙の敗戦に対し楽観しているわけではありませんが、大きな問題になることはないでしょう。党としては『地方選ですから』という認識。国政選挙と地方選挙は違うということです。先の衆院選では国民は高市首相に国会で活躍してもらうため、高市首相が推す自民党議員に投票した。あくまで彼女を応援するために投票したので、自民党だから投票したわけではない。ですので、地方選になると高市首相の色が薄れ、苦戦するのです」

と分析する。

裏金問題、旧統一教会との関係など、疑惑にまみれてきた自民党。衆院選は高市首相という人気者の登場で思わぬ大勝を手にしたが、国民は依然として同党に厳しい目を向けていることは間違いないだろう――。