再燃した大谷翔平の特別扱い論争 「少し酷すぎだ」敵将も苦言…元審判員の“主張”
かつてのワールドシリーズでも物議を醸した二刀流特有の調整時間
ドジャースの大谷翔平投手は8日(日本時間9日)、敵地で行われたブルージェイズ戦に「1番・投手」として先発出場するも、イニング間の準備時間を巡って現場では不穏な空気が流れた。地元メディア「ドジャース・ネーション」のネルソン・エスピナル記者は、この一件が昨秋のワールドシリーズで物議を醸した「大谷論争」を再燃させたと報じ、大きな注目を集めている。
大谷はドジャースのリードオフマンを務めている。そのため、マウンドで投球した直後に打席へ向かう、あるいはその逆の状況が頻繁に発生する。投打を兼ねる大谷は、打席と登板の間でグラブなどの道具を切り替え、迅速に準備を整えなければならない。一般的に審判員は、役割の切り替えが必要な大谷に対して、準備のための追加時間を認める裁量権を行使しており、これが現場での慣習となっている。
しかし、この日の試合ではブルージェイズのジョージ・スプリンガー外野手が、イニング間の時間について球審に確認を行うシーンが中継に映し出された。これに対し、米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は、関係者の話としてスプリンガーは不満を漏らしたのではなく、ルールの説明を求めていただけだと伝えた。現場の緊迫感とは裏腹に、意図の食い違いが騒動を大きくした側面もあるといえる。
大谷の準備時間については、以前から敵陣の反発を招いていた。ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は、大谷が先発した昨秋のワールドシリーズ第7戦で、審判の裁量を問題視していた。シュナイダー監督は「彼が打席に入っている時に余分に時間を与えることは理解している」としつつも、度重なる中断に「私たちは理解を示しているが、少し酷すぎだと思った」と苦言を呈し、当時は不快感を露わにしていた。
こうした議論に対し、ワールドシリーズの中継で解説を務めた元審判員のマーク・カールソン氏は明確な見解を示した。カールソン氏は「実際、ショウヘイが非常に特異な存在であることは明らかです。彼は二刀流の選手ですからね」と指摘。その上で、もし投手がイニング終了時に打席や出塁、あるいはネクストバッターズサークルにいた場合、審判は適切な準備時間を与える裁量を持っていると論理的に説明した。
さらにカールソン氏は、準備不足による怪我のリスクを避ける重要性を強調した。「ワールドシリーズの舞台で、投手が急いでマウンドに戻ることで怪我をするようなリスクは取りたくない」と語り、大谷に適切なウオーミングアップの機会を与えるのは正当な権利であると断じた。過酷な二刀流を続ける日本人スターの健康を守ることは、メジャーリーグ全体にとっても最優先事項であるという認識が示された。(Full-Count編集部)
