春の園遊会でりくりゅう”は出席、なぜ坂本花織は呼ばれなかったのか(写真/AFLO)

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 4月17日、皇室の恒例行事である春の園遊会が赤坂御苑で開かれる。園遊会とは両陛下が主催となって各界の功労者を招き、直接言葉を交わす社交の場。2026年春の園遊会には、ミラノ・コルティナ五輪で活躍したアスリートをはじめとする1753人が招待されている。皇室担当記者はこう話す。

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「今回の招待者のうち、ミラノ・コルティナ五輪の出場者は18名。フィギュアスケートペア金メダルの"りくりゅう"こと三浦璃来選手と木原龍一選手や、スノーボード女子ビッグエア金メダルの村瀬心椛選手、スピードスケート女子で3個の銅メダルを獲得した高木美帆選手らが招かれています」

 活躍が記憶に新しいオリンピアンたちが名を連ねる園遊会の招待者リストに、「あるスター選手の名前がない」とSNS上では波紋が広がっている。スポーツ紙記者が言う。

「フィギュアスケート女子の坂本花織選手です。今シーズンでの引退を表明して臨んだミラノ・コルティナ五輪では団体とシングルで銀メダル、その直後の世界選手権では優勝。有終の美を飾るスケーティングが大きな話題を呼びました。

 春の園遊会には"りくりゅう"だけでなく、フィギュアスケート男子で、ミラノ・コルティナ五輪では団体・シングルで銀メダルの鍵山優真も出席します。そんななか、『なんで坂本花織は出ないの?』とファンの間で疑問の声が上がっているのです」

宮内庁は「最終候補を選んでいる事実はない」

 パリ五輪直後に開かれた2024年秋の園遊会には柔道男子66キロ級で金メダル、混合団体で銀メダルを獲得した阿部一二三をはじめとするメダリストらが出席。その一方で、柔道の混合団体で銀メダルを獲得(女子52キロ級では2回戦敗退)した妹の阿部詩は招待されず、この時も疑問の声が寄せられた。

 そもそも園遊会の招待者はどのようなプロセス、選定基準で選ばれているのか。名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授がこう解説する。

「招待者についてはまず、各省庁が功労者や地域の重要人物などをピックアップし、それを内閣府がとりまとめます。そうして選ばれた推薦人リストが宮内庁に提出され、宮内庁が招待状を送付するという仕組みです」

 坂本花織の名前が招待リストになかった理由について、河西氏はこう推測する。

「坂本選手のようなスポーツ選手の場合、推薦するのは文部科学省となります。ある特定の競技の選手ばかりがリストに載っていた場合、バランスを鑑みて外す場合もあるでしょう。また、坂本選手が事前に行けないと申告していた可能性もありますね。省庁によっては宮内庁へ推薦リストを提出する前に出席の可否を確認するケースもあるようで、この事前確認の段階で本人が出席できないと伝えれば、招待は見送られます」

 推薦者を選定する基準や人数については各省庁によって異なるという。元宮内庁職員はこう語る。

「省庁はそれぞれ独自の選定プロセスを確立しているはずです。いずれにしても園遊会は両陛下主催ですが、招待者を決めるのは省庁で、両陛下は選定にほとんど関係していないと言っていいでしょう。

 ちなみに、招待者には枠があって、スポーツ選手やノーベル賞受賞者といった"各界功労者枠"は全体の5割ほど。かつては最大の枠で全体の4分の1ほどを占めていた国会議員枠は現在2割ほどに縮小しています」

 園遊会の招待者の選定プロセスや基準について宮内庁に問い合わせたところ、次のような回答があった。

「(内閣府等の関係機関から)推薦があった方々については、宮内庁が最終候補を選んでいるという事実はなく、推薦があった方々全員に対して、招待状を送付しています。推薦があった招待者について、宮内庁から意見を申し上げることはありません」(総務課報道室)

 スポーツ選手を推薦するとされる文部科学省に同様の問い合わせをしたところ、

「スポーツ選手の推薦を文科省が行っていることに間違いありませんが、推薦の基準や方法などについてはお答えしかねます」(大臣官房人事課)

 とのことだった。

 坂本は引退後も指導者としてフィギュアスケートに携わり続ける。今回招待がなかったとはいえ、スポーツを第一線で支える功労者として今後も出席する機会はありそうだ。