空飛ぶクルマ、関東圏2028年までに商用運行の調整 SkyDriveのSD-05は約2億円で予約
「EXPO 2025 大阪・関西万博」の目玉の一つとして「空飛ぶクルマ」が注目された。万博で飛んだのは、丸紅のHEXA、SkyDriveのSD-05(SKYDRIVE)、ANAホールディングスと米国の企業Joby Aviationのjoby S4の3機だ。
政府は、空飛ぶクルマについて次世代の空の移動手段として注目。高市早苗政権は、政府が重点的に取り組む17の戦略分野の中で、航空・宇宙分野として盛り込んだ。国土交通省は、2018年から空の移動革命に向けた官民協議会で、実装に向けた会議を進めている。
2027~2028年にも有償で人を乗せる商用運行を認める調整に入った。最初は、都市部での遊覧飛行から始め、将来的には都市と空港を結ぶ2地点間の運行など運用を拡大していく見通しだ。
開発メーカーのSkyDriveは9日、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD―05型)」の型式証明活動で国土交通省と全般計画書の合意にいたった。型式証明は、新たに製造された民間航空機の型式が安全性、環境適合性の基準を満たしているという証明。全般計画書は、型式証明取得に向けたJCAB(国交省航空局)と同社の連携体制やプロセスなどを含む、適合性証明活動の全体構想を指す。同社は、2028年の型式証明の取得とサービス開始を目指している。SD-05は予約も開始しており、150万ドル(約2億円)。すでに海外の業者から予約も入っている。
関西経済連合会は25日、空飛ぶクルマの社会実装に向けた提言を発表。2035年には大阪湾岸部を中心に近畿圏内で100機程度が運航する状況を目指す。課題として、府県を超えた連携や法規制の見直しがある。
民間では機体の開発競争が進む
空飛ぶクルマに関して、企業間での開発競争が進んでいる。東京都の「空飛ぶクルマ実装プロジェクト」の実施事業者は2陣営に分かれており、日本航空を代表とするSoracle、住友商事、日本電気(NEC)、日本空港ビルデング、大成建設、日本空港コンサルタンツ、オリックス、京王電鉄の9社と、野村不動産を代表とするANAホールディングス、SkyDrive、東日本旅客鉄道(JR東日本)、エアロトヨタ、西武ホールディングス、日建設計の7社だ。
都は選定方法について、企画提案書により公募し、外部有識者による審査を経てプロジェクト事業者を2者選択したとしている。新年度から都内の臨海部などで、実機による実証飛行を始める。
空飛ぶクルマ実装のためには、法律を始め免許や資格を整備しなければならず、課題は多い。課題が解決され、空飛ぶクルマが実装されると、移動手段が増える。渋滞や満員電車も緩和されるのではないだろうか。
文/並河悟志 内外タイムス編集部
