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北海道羅臼岳でヒグマが人を襲うという出来事があり、全国に衝撃が走りました。山形でも、今やクマが住宅地に出没することが珍しくないという状況に。(ツキノワグマですが)

【写真を見る】クマに襲われ必死に抵抗した男性が語る”クマとの格闘” 体には生々しいキズ…「子どもだったら大変だった」クマ対策は待ったなしか(山形)

クマ対策は、もはや待ったなしとさえ思います。

8月10日の夜、戸沢村の夏祭り帰りの男性が住宅地でクマに襲われました。この男性に話を伺うと、まさに「危機一髪」と言える出来事だったことがわかりました。

男性が襲われたのは町役場の近く、住宅が立ち並ぶ裏の小道。農作物の畑があるそばでした。周囲が山に囲まれた地域とはいえ「こんな場所でクマが」と地域住民も驚いています。

8月10日夜、山形県戸沢村の住宅街で男性がクマに襲われ、頭や顔などにケガをしました。クマに襲われた男性が当時の状況を話してくれました。

※画像 資料

■クマとの「一部始終」

クマに襲われた 和田史郎さん「1メートル半ぐらい手前に来たらクマだというのが分かりまして」

※画像 状況を話す和田さん

こう語るのは、10日にクマに襲われケガをした和田史郎さんです。体には、クマに襲われた際のキズが生々しく残っていました。

クマに襲われた際の傷は、鋭い爪でえぐられたような状態になることもあると言います。和田さんの傷は比較的浅く、こうしてお話もできたことから、幸運だったと言えるのかもしれません。

警察などによりますと、和田さんは10日、地区の夏祭りから帰る途中の午後9時半ごろ、体長およそ1.5メートルのクマと遭遇し、頭や左の頬などをひっかかれました。

現場が衝撃的です。なんと戸沢村役場から西におよそ200メートルの住宅地。現場に行ったことのある人なら分かるでしょうが、周囲が山とはいえ本当に村の中心部、住民が常に行き来するような場所です。ただし夜は街灯がなく、どうしても暗くなってしまう路上でした。

■クマが向かって来た!「衝撃がドンと」

クマに襲われた緊迫の状況が明らかになりました。

クマに襲われた 和田史郎さん「構えたけれど衝撃がドンと向かってきたので、後ろに押し倒された。そこの上に(クマが)乗っかって、いろいろこの辺もやられた」

絶体絶命の状況。しかし、ここで助けが。

「たまたま一緒に後ろに来ていた人が助けれてくれた、追っ払てくれた」

後ろにいた人が声を出すなどして追い払ったというのです。安全面を考えればどうだったか意見は分かれるでしょうが・・・間違いなく勇気あるこの行動が、和田さんを救いました。

クマの力は圧倒的に強く、押さえつけられるような形になり、どうしようもなかったと言います。それでも抵抗し振りほどこうとすると、引っかかれたということです。

和田さんは「まさかこんな場所で」という思いがあったと口にします。

クマに襲われた 和田史郎さん「自分のところは大丈夫かな、と思うところもあったけれど・・・そんなことも言っていられないとつくづく感じた」

そんなことも言っていられない。これがクマ問題の現状です。それほど最近はクマが人の住むエリアで目撃されています。

■これが、子どもたちだったら

「(祭りに)子どもたちが結構来ていたので、もしこれが子どもたちだったら大変だなと」

地区の夏祭りはすぐ近くで開催されていて、そこには大勢の人が。当然、中には小さな子どもや女性もいました。

和田さんは「本当に子どもだったらと思うと」と口にします。クマに押さえつけられた力を知っている、傷の痛みがわかるからこその言葉です。

和田さんは顔にも傷を負いました。クマの手が顔に当たれば大ケガになってもおかしくありませんでしたが、不幸中の幸いでした。

和田さんの「子どもだったら大変だった」「大丈夫だろうなどと言っていられない」この言葉が取材ではとても印象的でした。

■当日、現場周辺ではすでに異変が

村の関係者によりますと、村の中心である古口地区でのクマによる人的被害は初めてだということですが、和田さんが襲われた当日、現場周辺ではすでに異変が起きていて、住民も注意をしていました。

藤井響樹アナウンサー「男性が襲われた現場のすぐわきにある畑を見てみますと、まだクマの足跡が残っていて、トウモロコシがなぎ倒されています。この畑の所有者によりますと、きのうの朝の時点で畑が荒らされていたということです」

 
 
 

他にも、トウモロコシを食い荒らしたクマによるものとみられる足跡なども、残されていました。

■クマが出たとわかっていれば

クマに襲われた 和田史郎さん「(クマが出没した情報が)わかっていれば、こんなところは通らないと思うし、祭り自体も早めに切り上げるとか対策はできたのかなと思う」

和田さんはこのように話しました。しかし、クマが実際に出たかどうかもはっきりしない、疑わしい程度の状況では共有できないのも仕方のないことだったのかもしれません。でも、だからこそ異変を「知らせる」ことが重要です。

「全然なかったのでびっくりした。今回は事前情報が入っていなかったので、何かあったらすぐに役場や警察などに連絡するべきだろうなと思っている」

和田さんを襲ったクマは、その後姿が見えなくなり、まだ見つかっていません。村では現場付近に箱ワナを設置するなどしていますが、まだクマは捕まっていません。

県内で今年、クマに人が襲われたのは今回で5件目となります。戸沢村では警察がパトロールを強化するなどして住民へ注意を呼びかけていますが、根本的な解決にはならず、住民は不安を抱えて生活しています。

【なぜ襲う?夏はクマにとって「特別な時期」だった 攻撃する理由は?人はエサなのか?今後の国の対策と課題は? 多角的に熊について考える時か…自治体・大学など専門家の意見は】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2048468?display=1