セックスレスの夫は初恋の幼なじみ。「浮気は許さない」と釘を刺すも…<麻耶さんの場合>
1994年に日本性科学会によって定義された「セックスレス」とは、特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはキスやハグなどが1か月以上ないことを指すのだそう。「もう数年は、そういうことがない」という麻耶さん(仮名・34歳)は現在、結婚12年目。レスに陥った経緯や原因の心当たりを詳しく語っていただきました。
「精神的な繋がりの方が大事」セックスしない夫の言い分
私たちの出会いは、幼稚園の頃にさかのぼります。家も近所で、お互いの親同士の仲もよく、小さい頃から「将来は結婚しなよね」なんて親同士がふざけてよくおしゃべりをしていたほど。いつもそばにいるのが当たり前で、ずっと大好きな初恋の人。それが今の夫です。

●セックスの頻度が少ないけれど、これが普通だと思っていた
結婚する前も、セックスする頻度は数か月に1回程度でした。それが結婚してからは半年に1回あるかないかまでに減少。友達には明るくネタにして話していたのですが、みんなにビックリされるたびに、心の中では少し傷ついていました。
夫婦仲はとてもいいのですが、なぜかセックスの回数だけ異常に少ない。旦那とケンカばかりしているという友人でさえ、週に1、2回はそういうことがあると聞いて、だんだんとうちの夫婦生活はよそと少し違うのかも…と悩むように。
夫に「ちょっと回数が少なくない?」と聞いてみたこともあったのですが「セックスするかどうかよりも精神的な繋がりがしっかりしているほうが大切だし、そういうのはなんとも思わないけれど…」と言われてしまいました。
●「浮気は許さないからね!」と直球で釘を刺すも…
私はもっとしたいなと思っていたのに、なかなか応じてくれない夫。新婚時代は「私としないでよそで浮気していたら本当に許さないからね!」と夫にキツく言っていたのですが、実際はその心配はまったくない人でした。9時〜5時までの会社勤務を終えればまっすぐ家に帰ってくるのです。私があまりにも無意味に浮気、浮気と騒ぐので、会社を出るときには「今から別宅に帰りま〜す」という冗談めかしたメールが夫から送られてくるほど。

それでも男の人ってどう処理するのか気になってしまって、それも直接聞いてみたことがあるんです。そしたら「本当はしたいと思うときはあるけれど、タイミングが合わないんだよ。キミが寝ていたり、外出してしまっていたり…。だから自分でやってる」と言われてしまいました。
たしかに私は、寝起きが不機嫌なことが多いし、新婚当時はまだ友人も独身の子が多かったので、夜もけっこう誘われれば飲みに出かけてしまうことも多くて。レスの原因が、こっちにあるかのような言い方をされたのはカチンときましたが、タイミングが合わないという夫の言葉には、少し申し訳なかったなと反省したりもしました。
●子どもは3人ほしい!妊活のためのセックスでむなしさが募る
私たち夫婦はお互い、3人きょうだいの第1子。生まれ育った家庭は、どちらもバランスがよく取れていたので「子どもは3人ほしいよね」と話していました。
排卵日が近づき「今日かも…」というと、子づくりのためのセックスにはすんなり応じてくれる夫。ただ私としては、理由がなければ本当にいつまでもセックスしないつもりなのかな…と虚しさや悲しさを感じました。
しかし、回数をそれほど重ねていないにも関わらず、結婚2年目のときに男の子、その2年後に女の子が誕生しました。子育ては大変で夫ともケンカをたくさんしましたが、それでも2人の子どもからもたらされる幸せな時間に毎日満たされていました。
それからさらに2年が経った頃、私は、当初の計画通り、もう1人ほしい! と思っていたのですが、夫は「都心で3人育てるのは大変だ」と言い出したのです。このときばかりは、「話が違う!」と私も自分の意見をしっかり主張し、結果的に思いっきりもめましたが、最後は夫が折れてくれました。そして、タイミングをとったらすんなりと3人目を授かることができて、こんなにレスが続いていても妊活をこじらせずにすんだのは、本当に奇跡だったと思っています。
元気な男の子の誕生に喜びいっぱいだった私ですが、この3人目の育児をしているときに、私の体とメンタルは知らず知らずのうちにボロボロになっていきました。
マタニティーブルー?産後うつ?涙が止まらず大混乱

3人目を出産してから、私は泣いている日が増えました。ホルモンバランスの変化もあったと思います。待望の3人目の子どもを授かって心では喜びいっぱいなのに、なぜか涙がどんどんあふれてくる…。
●これはマタニティーブルーじゃないかも…。長引く涙のワケ
1人目や2人目のときも、少なからず感情の乱れはあったので、これはマタニティーブルーがきてるな…と思って我慢して時間が過ぎるのを待っていたのですが、3週間経っても、4週間経っても、あふれ出る涙がおさまりそうにありません。
そんなある日、ついに夫の前で「なんだかわからないけれど、涙が全然止まらないの。もう死にたいかも…」と感情が大爆発。すると夫はびっくりして「なにそれ? 産後うつじゃない? すぐ調べるから待ってて」と言って、1時間ほどすごい真剣にパソコンを見たり、あちこちに電話していたりしました。
わけがわからず待っていると、「“宿泊型産後ケア”の施設を予約するから、ここに行っておいで。予約できるまでの間はひとまずお互いの両親に交代で来てもらうことにしたから。今はしっかり体を休めなさい」とテキパキ動いてくれたのです。
●私がピンチのときは、すぐに行動に移してくれた夫
私は精神科で診断をされたわけではありませんが、たぶんあのとき、深刻な産後うつの状態に陥っていたのだと思います。夫が電話で両家の親に根回ししてくれたおかげで、翌日から私は育児も家事もすべてストップ。横になって体を休めることができました。
そして、夫が区の産後ケア事業の担当者に事情を説明して、ほどなくすると助産師さんが24時間常駐している宿泊型産後ケア施設の利用が可能になり、すぐに予約を取りました。区から補助がでる一週間まるまる、いちばん下の赤ちゃんを連れて、宿泊型産後ケア施設(私の場合は助産院でした)に入院することになったのです。その間の上の子たちのお世話や家事は、引き続き双方の親と夫が対応してくれました。
私が利用した宿泊型産後ケア施設での生活は、朝昼晩の栄養たっぷりな食事に加えて、おやつや夜食も出てきたり、母乳マッサージも毎日してもらえて、赤ちゃんが寝たら一緒に眠り、赤ちゃんが起きたら一緒に過ごすというだけのゆっくりとしたもの。3人目なのに、こういう施設があること自体を知らなかったです。
自分がお風呂に入るときは赤ちゃんを助産師さんに預けられるのでゆっくり入浴をすることができたり、逆に赤ちゃんの沐浴は助産師さんにお願いしたりすることもできたのもよかったです。赤ちゃんが泣き止まないときには、助産師さんが抱っこを変わってくれてご機嫌をとるコツを教えてくれたり、メンタル面も体力面も、徹底的なプロのサポートが入ったおかげで、死にたいというネガティブな気持ちがスッと抜けていきました。代わりに湧き上がってきたのは赤ちゃんのかわいさ。
そして、私たちの夫婦生活にセックスはなくても、確かに支えられているんだなと実感しました。夫なりに私の状況を察知して、すぐにできる限りの行動を全部してくれたことは今でもすごく感謝しています。
●私なりに考えたセックスレスの原因
あれからあっという間の6年。いちばん下の子も、小学校へ上がりました。もう妊活という目的がなくなってしまったので、ここ数年は夫と触れ合う機会自体が完全になくなっています。それでも今の生活に不満はないし、夫への愛情も幼い頃からずっと変わらないまま。

夫がセックスをしないことついて、私なりにいろいろ考えてみたのですが、もともと淡泊だったということに加えて、産後に私の体形が大きく変わってしまったことも原因ではないかと思ってるんですよね。ガリガリなくらい痩せている人がタイプと言っていた夫。しかし、私は3回の出産で15kg太ったまま、体重が戻っていません。
たまにふざけて「もう少し痩せなよ〜」と夫に言われるのですが、もしかしたらアレはけっこう本気で言っているのかも…と、感じていて。ただ、こっちは命をかけて子どもを産んでいるわけですから、さすがに「太っているからセックスできない」というのが本音だったとしても向こうは地雷すぎて言えませんよね。
これからは、私も自由な時間が増えるのでジムかヨガスタジオか、どこか通ってみようかなと計画しています。体形を少しでも若い頃に戻すというのが今の目標です。そうしたら、また夫に求めてもらえるのかなぁと期待も込めて。
●セックスレスでもストレスを溜めない解消法
夫婦生活がまったくないことは、いまだに私のなかでストレスにはなっています。この間、友人にレスのこと話したら「それならアイドルや俳優の推しをつくるといいよ」とアドバイスされました。推し活っていうんですよね。そっちに夢中になれれば、ストレスも減らせるって言われていいなと思いました。
けれど、なかなかハマれる推しに出会えていないのが今の悩みです。中国や韓国のドラマも、日本よりシーズンが長すぎて、なかなか真剣に見る時間もつくれなかったし。推しって、恋愛と同じで、探して見つかるものではなく、きっと気がついたら好きになっているものってわかってはいるんですけれど。早く初恋の相手の夫以上に、私のハートをギュっとつかんでくれるすてきな推しに出会いたいです。
