「頭の柔らかい人」は知っている3大発想法
SNS総再生数4000万回超! 英米やヨーロッパ、中国など海外でも注目され、台湾で開かれた個展には2万5000人もの観客が殺到と、いま最も注目の「鬼才」発明家、藤原麻里菜さん。その「無駄づくり」と称する異色コンテンツは、「いったい、どうやって思いついたのか!?」と思わされる、すさまじくユニークなものばかりだ。
今回、その思考の方法について初めて公開した新刊『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』を発表。本書には、これまで数百もの作品を発表してきた藤原さんの71に及ぶ「考える術」が詰まっている。
「言葉から考える」「逆を考える」「短時間で考える」「欲から考える」など、その実践的な思考術は、読めば読むほど脳を刺激してくれる。普段の生活や目に映る当たり前のことを起点にしながらも、斬新なものを生み出す藤原さんに、その発想の秘密を聞いた。(取材・構成/樺山美夏、撮影/柳原美咲)
【その1】日常の「小さなモヤモヤ」に気づく
――『考える術』を読んで、「自分の半径1メートル以内に起こっている出来事」を認識するようになりました。たとえばコロナ禍では、オンライン飲み会の抜け方が難しいと思っていたので、藤原さんが発明した「オンライン飲み会緊急脱出ボタン」がすでに商品化されていると知ってびっくりしました(笑)。
藤原麻里菜(以下、藤原) 日々、心の中で思ってもわざわざ言葉にはしないようなことって、考えてみるといろいろあるんです。ストレスとか、モヤモヤとか、申し訳ない気持ちとか。
通勤時のちょっとしたストレスとかもそうで、たとえばICカードの残高が足りなくて改札の扉がバタンと閉まって、人の流れを止めてしまったとき、チッとか言われたりしたことはないですか? 怖いし、申し訳ない気持ちもするんですけど、みんな急いでいるので「ごめんなさい」なんていちいち謝る時間もありません。
そんな思いをアイディアに昇華させて、改札で引っかかったときにボタンを押すと、背中に貼ったディスプレイに謝罪の言葉を映し出せる「Suicaの残高不足を謝るマシーン」というものを考えました。
――後ろに並んでいる人も笑って許してくれそうです(笑)。「ズボンのチャックが開いているとLINEでお知らせしてくれるマシーン」も、藤原さんの失敗経験から思いついたアイディアなんですね。
藤原 そうです(笑)。私も何度かやってしまったことがあるんですけど、たまにいますよね、チャックが開いたまま歩いている人。そういう小さな失敗とか、もっと小さな、自分しか感じていなそうなごくささいな悩みとか、探してみると意外にたくさんあるんです。
その数と比例するように、アイディアの量も増えていくので、日常生活の小さな引っかかりやストレスは見逃さないようにしています。
どんな人にも、「こういうものがあったらいいのに」とか、「こうしたら便利なのに」って思うことがあると思うんです。そんな自分にとっての小さな問題を見つけて、解決するにはどうすればいいか、ということを考えると、自分らしいアイディアになるんです。
