日本語検定というものがあるのをご存知でしょうか。漢字検定とは少し違い、日本語の本来の意味や使い方などをテストしてくれます。ちょっとやってみるとわかるのですが、意味を取り違えている言葉の多いこと! でも、誤用の方があまりに有名になって、本当の意味になってしまう言葉だってあります。今回は、間違えやすい日本語のお話です。


姑息や確信犯の意味は? 「間違えやすい日本語」が変化したワケ



世界でも類をみない、難解な言語である日本語。
外国の方が覚えるのはもちろん、日本人自身も、すべてを覚えるのは不可能に近いほどたくさんの難しい言葉があります。
今回は中でも「現代において使い方を間違えやすい言葉」をご紹介します。

まずは「姑息(こそく)」という言葉。どんなふうに使いますか?
「姑息な手を使いやがって」
こんなセリフを、頭の中で理解するとき「卑怯な手を使いやがって」と変換していないでしょうか。
実はこれは間違い。姑息に、卑怯というような意味合いはありません。

「姑息」は、「その場しのぎ」や「間に合わせ」という意味で使われます。
「仕事のミスが発覚したので、今日のところは姑息な手を使った」とこんな感じです。
なぜ意味が変化してしまったのかは諸説ありますが、いつもその場しのぎのことを行っていれば卑怯に感じるので、という説や、「小癪(こしゃく)」という言葉と混ざったのでは、という説があります。

次に「確信犯」。どんなときに使うでしょうか。
「あいつは悪いことも捕まることもわかっていてやった。確信犯だ」
この文章に違和感を感じない方、多いのでは? そう、実はこれはNGです。

「確信犯」の本当の意味は「自分の信念が正しいと信じ、行動を起こすこと」。
「そのためには法を犯すことも厭(いと)わない」ことだそうです。
処罰を受けることを予測していることは関係なし。
ましてや悪いことだとわかっている、というのは逆の意味になります。
「確信」しているのは犯罪に対してではなく、自分の信念を「確信」しているのですね。

ですが、この確信犯、最近の国語辞典にはもうひとつの意味として、「俗に、トラブルなどをひきおこす結果になるとわかっていて、何事かを行うこと」と書かれています。誤用だったものが、新しい意味として付け加えられたのです。

言葉は変化するもの。
誤用だったものが本来の意味になってしまった言葉も、たくさんあります。
大切なのは間違わないことではなく、「知ろう」とする気持ちなのかもしれませんね。

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「間違えやすい日本語たち」として、11月9日に放送しました。

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