臨床内科専門医に聞く! 乳がん早期発見のためのセルフチェック法とは?
女性の患者数が最も多い「がん」の種類は、何だと思いますか? 答えは、「乳がん」です。国立がん研究センターがん対策情報センターによる「がん情報サービス」の2010年の調査によると、女性の12人に1人が乳がんを患っているといいます。
臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長は、
「発症の世代別で見ると、最も多いのは40代後半〜50代前半にかけてですが、20代後半頃を皮切りに若い世代で乳がんを患う女性は少なくありません。がんの中でも乳がんは、早期発見をすると治ゆ率が高いので、20代からセルフチェックをすることが大切です」と話します。そこで乳がんの症状やセルフチェック法について聞いてみました。
■硬い、表面がデコボコした「しこり」が乳がんのサイン
「乳がんは、自分で気付くことができる数少ないがんの1つです」と言う正木医師は、乳がんの症状について、こう説明します。
「初期の段階では痛みや体調不良などは何もありませんが、最も多い自覚症状は『しこり』です。乳がんが0.5〜1センチほどの大きさになると、自分の手で触ったときに分かるようになります。
乳がんのしこりは、『小石のような硬さがある』、『表面がデコボコしている』、『形が整っていない』、『境目がはっきりしない』などの特徴があります。また、通常はしこりを触っても痛みはありません。
また、乳房の皮ふに変化が現れる、乳頭から分泌物が出る場合も、乳がんのサインです。乳がん発見の手がかりとなる、主な自覚症状は次の通りです」
・しこりがある
・乳房の皮ふに、ひきつれやくぼみがある
・乳頭にへこみがある
・乳頭から血の混じった分泌物が出る
・乳房の皮ふがオレンジの皮のように変色している
・乳頭にかさぶたやただれがある
■月に1回のセルフチェックを習慣付ける
ここで正木医師に、「乳がんのセルフチェック」の方法を教えてもらいましょう。
1.あお向けに寝転んでしこりを探します。腕を上げて乳房の内側、腕を下げて乳房の外側、左右のわきの下を、2〜3本揃えた指の腹でまんべんなく触れていきましょう。
2.乳頭を軽くつまみ、血のような分泌液が出ないか確認します。
3.自然な状態で鏡の前に立ちます。両手を上下し、正面、側面、斜めなどから見て、乳房にひきつれやくぼみなどの違和感や変化がないかを観察します。
どのようなタイミングでセルフチェックをすればいいのでしょうか。
「毎月1回、生理が終わって7〜10日以内に行いましょう。生理前は乳房に痛みや張りがあるので、判断しづらくなります。また、40歳を過ぎたら、2年に1度の乳がん検診を受診しましょう。
乳がんは初期の状態で発見して治療すれば、完治することができます。しこりが2センチ以下で、リンパ節への転移が見られない場合は、89%の人が10年生存している、つまりおおむね完治しているという結果が出ています。
自分でチェックしたときに、気になるしこりや変化がある場合は、医療機関を受診しましょう。問診や視触診、超音波検査、乳房X線検査(マンモグラフィー)、しこりの細胞を吸引して調べる細胞診などのより詳しい検査をして判断します」(正木医師)
毎月セルフチェックをして、小さな変化や違和感に気付いて早期発見することが、完治の可能性を高めるということです。ぜひ習慣にしてください。
(岩田なつき/ユンブル)
取材協力・監修 正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
http://masaki-clinic.net/wp/
