島本理生さん「小説を1本書ききる自信がないくらい、調子を崩していたんです」。島本理生さんが、インタビューの冒頭に打ち明けた。コロナ禍でスランプに陥った。これまでのように書けなくなった。原点に立ち返って、再びつむいだ物語が、新刊「ノスタルジア」(河出書房新社)だ。コロナにかかり、嗅覚(きゅうかく)に異常が出た。以前の半分ほどしか、においが分からなくなった。「においで、20年前のこともつい昨日のこ