【ベラトールFC】メガ・メグ、日本MMA界初の快挙なるか
2006年のPRIDE武士道におけるゲガール・ムサシ戦での判定負け以降、この4年で1ドローを挟み、19連勝中の王者ロンバード。ここ3試合は1RKO勝ちを続けている。寡黙でトレーニング第一という姿勢を貫く彼に挑むシュレメンコもまた、過去4年間の戦績は15 勝1敗と抜群の勝率を誇っている。
対するシュレメンコは倒されずに打撃を入れるスペシャリスト。非常に高度なテイクダウン狙いに合わせて放たれるヒザ蹴りに関しても、その精度は高い。ロンバードには打撃戦で距離を詰め、組みついてからのテイクダウン攻撃=シドニー五輪柔道キューバ代表の底力、柔道流の投げに期待したい。
30戦27勝2敗1分の王者と、34戦30勝4敗の挑戦者が対戦する世界戦に負けないキャリアを誇るのが、女子115ポンドトーナメント決勝に登場する藤井惠だ。現地ではメガ・メグの愛称が定着しつつある藤井の「MMA22連勝」は、プロモーションからも大プッシュされている大記録。パウンドなしルールも含まれてはいるが、MMAグローブを着用した試合で未だ負け知らず、ベラトール首脳でなくも、大きなセールスポイントと捉えて然りの金字塔だ。
その藤井と対戦するゾイラ・フラウストは、9勝1敗の戦績を残し、1敗は135ポンドで戦ったミーシャ・テイト戦のみ。ムエタイ系ファイターであるが、 KO勝ちは1試合でサブミッションでの勝利も同様に1つというフラウスト。藤井との相性を考えると――、これが予想が難しい。MMAといっても、男子 MMAのあらゆる局面が融合したファイトと比較し、女子MMAは突出した部分と弱点がはっきりしたファイターが、多いのが現状だ。
よって、勝利のパターンにはめ込んだファイターが、勝利を一気に手繰り寄せることができる。この試合も典型的なグラップラーとストライカーの対戦であり、打撃戦ではフラウスト。
その一方で、彼女はテイクダウン狙いを嫌がり、それほど前に出てこない展開が考えられる。コツコツと手を出し、時おりクリーンヒットし、スコアリングする。それも打撃系=フラウストの勝利のパターンだ。そうなると、前に出るのは藤井。ただし、テイクダウン・ディフェンスを第一に考えているフラウストを倒すことは容易でない。
遠い距離から飛び込めば、テイクダウンを切られる。その攻撃を繰り返すと、印象点が悪くなっていく。外されたときのパウンド攻撃を受けるリスクも残っているが、藤井の勝利はテイクダウンを潰されてからの次の動作にかかってくる。
藤井にとって有利な点は、北米MMAワールドで育ったフラウストには、ガードから果敢に足関節や腕十字を仕掛けるファイターと肌を合わせた経験が、実戦はおろかトレーニングでも、それほどないことが予想できること。ブラジルであれば、柔術を基礎とした男子の練習パートナーが揃っているが、基本、合理的な MMAの勝利を求めてきた北米勢は、下にならないことを第一に考えており、限られた練習時間において、ガードからの攻撃に時間を費やす者は決して多くない。
一方、藤井は組まれるのを嫌がって、打撃を入れてくるパートナーならいくらでも存在する。何よりも、現代MMA勝利の方程式が確立される前から、格闘技界に身を置いてきた藤井は、一見、遠回りに感じる戦場で、フラウストにはない引き出しの多さを身につけてきた。リスクは高い、しかし、藤井はガードワークから関節技で一本勝ちする可能性も高い。
それは男女通じて、ケーブルTV全米ネットワークを持つMMAプロモーションで日本人初のベルト戴冠を意味している。
なお、メインカードにPOP世界ライトヘビー級王者トニー・ロペスが出場、ラファエル・デイビスと対戦する。
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