『Michael/マイケル』どうやってマイケル・ジャクソンを完全再現したのか?ジャファー&ジュリアーノが明かす、途方もない努力の裏側【インタビュー】

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“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソンの生涯を描く映画『Michael/マイケル』で、マイケル役を務めたジャファー・ジャクソンと、幼少期のマイケルを演じたジュリアーノ・クルー・ヴァルディが来日。揃ってTHE RIVERの単独インタビューに応じた。

ジャファーは、マイケルの兄ジャーメイン・ジャクソンを父に持つ、マイケルの実の甥。本作が映画初出演にして初主演となる。劇中では、圧倒的なパフォーマンスはもちろん、ステージを降りたマイケルの声や仕草、繊細な佇まいまでも再現してみせた。一方のジュリアーノは、本作以前からSNSなどでマイケルのダンスを披露して注目を集めていた若き才能。幼少期のマイケルを演じるにあたり、ただ“踊れる”だけでは届かない難しさにも向き合ったという。

インタビューでは、撮影初日に行われたバッド・ツアー「バッド」再現シーンの舞台裏、マイケルの話し声を“第二の天性”にするまでの訓練、そして2人が考えるマイケル・ジャクソンの“魔法”について語ってもらった。ジャファーが目指したのは、モノマネではなく、マイケルという人物の真実に触れること。ジュリアーノが見つめたのは、スターになる前のマイケルが持っていた、ひとりの少年としての姿だった。

映画『Michael/マイケル』でジャファー・ジャクソン&ジュリアーノ・クルー・ヴァルディ 単独インタビュー

──ジャファーさん。本作の撮影初日はバッド・ツアーでの「バッド」のパフォーマンスだったそうですね。想像するに、あなたが現場入りして、ステージに上がって、数百人のクルーたちがあなたを「彼が我々のマイケル・ジャクソンだ」という目で見つめていたんでしょう。その瞬間のことを覚えていますか?

ジャファー:あの瞬間は凄まじいエネルギーに満ちていました。あの瞬間を迎えるまで、何年もかけてたくさん準備してきましたから。だから、セットに立った時は大きな安堵がありました。そして、クルー全員からの興奮と不安も感じました。なにせ、初日でしたからね。だから、どうなるか本当に予想がつきませんでした。あの瞬間を捉えるには、動いている要素があまりにも多すぎましたから。

でも、音楽が流れ始め、エキストラやクルーが揃い、照明が整うと、あれは本当に……まるで本物のコンサートのようになりました。あれは撮影期間中、一番特別な瞬間でしたね。全身全霊で、あの瞬間を楽しみました。

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──今、こうしてあなたの話し声を聞いて、劇中の声と全然違うので驚いています。マイケルの普段の話し声は、どう再現したのですか?

ジャファー:YouTubeの動画や、自分で持っている音声テープの中から、彼が普通に会話している話し声をできるだけ聞き込んで、かなり練習しました。とにかく彼の話し声が入っているテープをかき集めて、数年間かけて毎日繰り返し聴き込み、自分なりに外に出て、できる限りを尽くして話したり、ときどき外を歩きながら話したり、彼の声で本を声に出して読んだりしました。

そうして、完全にリラックスした状態で、まるで第二の天性のように自然に話せるようになるまで極めたかったんです。だから、あまり分析的に考えすぎないようにしました。考えなくても、自然に出てくるようにしたかったんです。

──ジュリアーノ、あなたは本作以前から、元々マイケルのパフォーマンスをしていましたよね。どうしてパフォーマンスを始めたんですか?本作にはどのように参加したのですか?

ジュリアーノ:オーディションを受けました。その時は、本当に何度もオーディションを受けました。かなり長いプロセスでした。役が決まってからは、家でリハーサルをしたり、スタジオでリハーサルしたり、いろんな段階で振付師のRich + Toneと練習しました。

すごく長くて、退屈にもなる経験でしたけど、みんなが味方になって助けてくれたおかげで、この役をやれるようになりました。覚えるべき動きも細かく分解して教えてくれたので、動きの仕組みも理解できたし、わかりやすくなったので嬉しかったです。

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──どういう経緯で、マイケルのファンになったの?

ジュリアーノ:マイケルのファンになったのは、おばあちゃんが教えてくれたからです。4歳か5歳の時でした。おばあちゃんが「スムーズ・クリミナル」のMVを見せてくれて、すぐに大好きになりました。あの曲が大好きで、今でも一番のお気に入りです。

あの日から、僕はずっと彼のダンスを練習し続けてきました。だからこの役をもらう前からずっとダンスしていたんですけど、役をもらった時点で、もう何をすべきかはなんとなくわかっていました。年上の時のマイケルのような練習方法は知っていたんですが、でも小さい頃のマイケルを理解するのはすごく難しかったです。青年期のマイケルとは、全然違う踊り方をしていますからね。

──もし、今のあなたと同い年のマイケルと友達になれるとしたら、どんなことを話してみたいですか?

ジュリアーノ:彼のキャリアとかについては、話したくないです。彼を普通の人として接したい。外で遊んだり、バスケをしたり、ゲームをしたり、そういう普通の子どもらしいことがしたい。彼の名声とか、そういう話はしたくないです。

ジャファー:ダンス対決もなし?(笑)

ジュリアーノ:うん、ダンスもなし(笑)

Glen Wilson / Courtesy of Lionsgate

──ジャファー、マイケルを完全再現するプロセスを教えてください。まずは何から始めましたか?その過程で苦労したことや、ほぼ気付かれないだろうけど実はこだわっている細かいところとか。

ジャファー:僕の場合は、まず演技がどういうものなのか、映画のセットでどう組み合わさっていくのかを学ぶことから始めました。撮影現場というものに立つのはこれが初めてでしたから。だから、監督との関係をどう作るかや、一つの映画を作るのにどれだけの物事が動くのかとか、自分がやるべことにどう集中し続けるのかとか、準備の大切さとか、そういうことを学ぶ必要がありました。

だから最初は、特定の感情を呼び起こすためにいろんな方法を学ぶことからスタートしました。自分の個人的な記憶にアクセスして、それを形として表に出せるようにする。そうやってマイケルの世界の中に存在できるように、あるいはマイケルと重なるようにしたんです。そういうことを1年くらいかけてやりました。

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それから、ダンスや振り付けの練習をしました。そこはかなり苦労しましたね。最初の頃は、本当に大変でした。自信を失うこともたくさんありました。でも、時間をかければ必ず上達すると信じていました。

僕はとにかく、彼のステージでの存在感、彼ならではのパフォーマンス能力を表現したかった。そして、彼がステージ上で放っていたのと同じエネルギーやオーラ、威厳を捉えつつ、同時にステージを降りた時の人間性やエッセンス、仕草を捉えたかったんです。何も言葉を発していなくても、観ている人に「これはマイケルだ」と感じさせたかった。だから、彼のそういった部分をすべて研究したかった。これだと思う写真や動画、曲をたくさん集めて、最初はそこから始めました。

──「これはただのモノマネではいけない」と感じたのはどんな瞬間でしたか?

ジャファー:マイケル・ジャクソンの映画を作るのに、彼を真似たり、モノマネをするだけでは絶対に無理だということは、最初からわかっていました。もっと深い真実からアプローチしなくてはいけない。彼に通ずる部分を自分の中から見つけ出し、同時にマイケルにまつわるすべてを徹底的に分析し、彼が人間として、パフォーマーとしてどんな人物だったのか、何を思い、何を考えているのかを理解すること。それは彼に関するすべてを研究するだけでなく、自分自身についてもっと知ることでもありました。

だから、彼を真似たり、モノマネ芸人のようにするのは嫌でした。ただ、マイケルと重なるような共通点を引き出せる、自分の中の真実を見付けたかったのです。

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ジュリアーノ:ジャファーの演じたシーンの中で、彼がブースの中で『今夜はドント・ストップ』を歌う場面があるんです。そこで彼が「Q、照明を少し暗くできる?」と言うところがあるんです。そこを見た時は衝撃を受けました。だって、あれは実際のマイケルの声だと思ったし、あの姿もCGだと思ったからです。

でも、あれはジャファーだった。しかも、彼の実際の声だと知った時は、本当に驚きました。その時、これはマイケル・ジャクソンの映画で、僕たちキャストがキャラクターになりきったんだと確信しました。たとえばニアはキャサリンになりきって、マイケルの心の支えになっていました。みんなそれぞれの役をとても上手くこなしていて、みんなのことをすごく誇りに思っています。

──本作を通じて、観客が初めて発見するマイケル・ジャクソンとは何だと思いますか?

ジャファー:まず、新しい世代はマイケルと共に育つことがなかったと思います。彼らにとってはすべてが新鮮で、とてもワクワクするはずです。それに、彼にはマイケルと共に育った親世代がいますから、「巡り巡って」という瞬間ですよね。

でも、新しい観客はもちろん、マイケルに馴染みがある観客にも、彼の人間性や、ステージ外での人物像、個性、彼がどんな視点で世界を見ていたのかも知ってほしい。彼は本当に独自の生き方をしていました。彼がどのように育てられ、どのように成長し、名声を得て、家族を心の支えとしながら、自分自身の創造的なアイデアと自立心を持って世界に羽ばたこうとしたのか。彼が自分の道を見つけて、世界に飛び出す旅路が見えてくるはずです。

そこにはたくさんの学びがあるはず。この映画を観るみなさんには、そのことを感じて欲しいと心から願っています。同時に、すべてのパフォーマンスや楽曲、あの象徴的なビデオの再現、そして彼がプライベートにしていた創造的なプロセスについても楽しんで欲しいです。僕たちが知らないことも、この映画を観れば、その実態を見ることができますよ。

Glen Wilson / Courtesy of Lionsgate

──マイケル・ジャクソンのパフォーマンスには、テクニックだけでは説明がつかない“魔法”が宿っています。あなたにとってのその“魔法”とはなんですか?

ジュリアーノ:全てです。ダンスも、歌も、歌詞も、曲も。それが魔法です。ステージでの存在感も。

ジャファー:僕もジュリアーノに賛成です。彼には魔法的なオーラがあって、世界中が共感できるようなものを創り上げる能力があった。ダンスの動きもそうだし、歌詞も、曲全体も、ビートも、なんでもそう。彼のメッセージも、たくさんの文化やあらゆる年齢に語りかける、本当に多様な要素がありました。

僕にとっては、彼のステージ上でのパフォーマンスや動きは、まるでイリュージョンでした。本当に魔法みたいだったし、ムーンウォークやサイドグライド、スピンは本当に力強かったし、驚異もありました。ある意味、人間離れしていました。それなのに彼はいとも簡単そうに、滑らかにやってみせました。

──この映画は世界中で公開され、観客から高い評価を受けています。これから本作を鑑賞する日本の観客に、特に自信をもって勧めたいのはどんなところですか?

ジャファー:全編を観ていただくのが待ちきれないです。特に、僕たちが再現したパフォーマンスを、あのスケールで観てもらえることが楽しみです。まるで自分が観客席にいて、彼を目の前で観ているような体験になると思います。

それだけでなく、彼があまり多くを語らない瞬間や、創作の過程にいる姿、あるいは彼の弱さや繊細さが見えるような場面もあります。だから、日本の観客の皆さんには、すでに知っているかもしれない象徴的な瞬間はもちろん、これまで見たことのないような新しい場面も体験してほしいです。大きな伝説的瞬間に至るまでの舞台裏のような部分ですね。

この映画を観ることで、日本のファンの皆さんに体験してもらえるものがたくさんあるので、それが本当に楽しみです。

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映画『Michael/マイケル』は大ヒット公開中。では、本作でマイケル・ジャクソン役を演じたジャファー・ジャクソン、その幼少期役のジュリアーノ・クルー・ヴァルディ、プロデューサーを務めた重鎮グレアム・キングへの単独インタビュー動画を公開中。撮影の裏側や背景など、映画がより楽しめるようになる貴重なトークをたっぷり引き出している。