[6.14 W杯F組第1節 日本 2-2 オランダ ダラス]

 W杯初戦の日本代表は2度の先行を許す難しい展開のなか、焦れない戦いで同点への望みをつなぎ、F組最有力の難敵オランダ相手に勝ち点1をもぎ取った。

 試合後、3バックの中央を担ったDF谷口彰悟(シントトロイデン)は「追いついて勝ち点1を拾えたのはかなりポジティブ。オランダに勝ち点3を取らせなかった意味でもこの1は大きい」と手応えを口にし、「ただ、これを活かさないといけない。そのためには次の試合が大事になる。次は勝たないといけない」と20日のチュニジア戦を見据えた。

 立ち上がりは不安定だった。前半3分、前線でFWドニエル・マレンに起点を作られると、振り向きざまのシュートがGK鈴木彩艶を強襲。守護神のスーパーセーブに救われたものの、谷口とMF鎌田大地のギャップを突かれており、谷口は「ボールを見失ってしまった瞬間にああやって打たれたのは改善しないといけない」と受け止めた。

 ところがその後は、時間を経るごとに安定感を増していった。この日の日本代表は空中戦やサイドの攻防でのリスクを避けるため、ハイプレスではなくコンパクトな守備ブロックで対応。局面を個で崩されるピンチもあったが、谷口のラインコントロールやカバーリングが冴えていた。

 谷口によると、試合中の修正によってバランスを探っていた様子。「相手がどう出てくるかは見極めながらという感じだったので、あえて引いたわけではないけど、見ながらやりながらこのくらいの高さで、このくらいのブロックがいいのかなという感じで見つけていった」と振り返った。

 後半6分にはセットプレーの流れからDFフィルヒル・ファン・ダイクに先制点を決められ、「セットプレー絡みでやられるのはゲームが崩れてしまうので、そこは厳しく改善したい」とも語った谷口。ただ、そこから2度の先行を許す難しい展開のなか、チームは大きくは崩れなかった。

「まずは崩してはダメというところは合わせていかないといけないし、後ろとしては大きな反省点。でも失点してしまっても、まずはメンバー11人でやり方どうするかというところで、まだ変えなくてもいいんじゃないかというところは話したし、ベンチが必ず何か動いてくれるということで比較的冷静に戦えた。自分たちから崩れないこと、失点して相手が先行する形でも焦れずに『(次の失点は)もうないよ』という共通認識を持ちながら戦えたのが勝ち点1につながったと思う」

 そうした割り切り方の背景にはドイツ、スペイン相手に先制されながらも逆転した2022年のカタールW杯での成功体験があった。「何があっても1点差に抑えておくこと。そこを保っておけば何が起きるかわからないというのは前回大会でもそれで勝ち上がったし、今大会もアジア勢がそういう戦いをしていた試合があった」。森保ジャパン8年間で積み上げてきた教訓が、2度目のW杯初戦の勝ち点1につながった。

(取材・文 竹内達也)