60クラブの選手たちが集結。多くのサポーターの歓声が飛んだ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全3枚)

 国立に続く道には数え切れないほどの色とりどりのユニホームが溢れ、笑顔が広がっていた。それはスタジアムに描かれた景色でも変わりはなかった。

 2026年のJリーグ主催試合における最多入場者数となる6万158人の観衆を集めた「JリーグオールスターDAZNカップ」が6月13日に開催された。

 J1の選手を東西に2チーム、J2&J3の選手を東西に4チーム、計6チームに分け、1試合30分を軸に対戦した17年ぶりのオールスターは、ガチンコ勝負が演じられつつ、盛り上げようと選手たちが想いを込めたゴールパフォーマンスやJ3福島に所属するカズら普段はライバル同士となる豪華メンバーの競演に大いに湧いた。

 舞台となったMUFG国立では日中から各イベントやセレモニーが実施され、1回戦、5・6位決定戦、準決勝、3・4位決定戦、決勝と7試合が組まれたタイムスケジュールは、13時に第1試合がキックオフされ、最終戦がスタートするのは19時半と大いに長丁場だった。

 観ている人を飽きさせないような多種多様な取り組みが大いになされ、少しではあったが中だるみを感じる瞬間もあったのは課題とも言えるが、改めてみんなで盛り上げようとする熱が伝わってきた。

 33年の歴史を刻み、今夏からついにシーズン移行するJリーグにおいて、半年の特別大会であった百年構想リーグ終幕後に、ワールドカップ期間ながら、オールスターが開催されたのは、これまで支えてくれた人々、そしてともにJリーグを作り上げてきてくれた人々への感謝の想いを伝えたかったからだという。だからこそ、様々な意見があるなか、J1からJ3全60クラブの選手が参加する形にこだわり、規模は大きくなり、試合も変則的になったが、全サポーターが楽しめる内容となった。

 北中米ワールドカップの初戦をいよいよ控えた森保一監督は、以前から“海外組”と“国内組”という線引きを嫌い、ことあるごとに語ってきた。

「国内とか海外とか、もちろん所属チームは違いますけど、 国内で、Jリーグで育った選手、経験した選手が代表になっていること、世界に羽ばたいていっていること。国内での経験が世界に羽ばたくことにつながっている」
 
 時代は移り変わり、欧州移籍がより活発になった昨今、未来あるタレントは青田買いとして、所属1、2年で海を渡るケースも珍しくなくなっている。

 応援していた選手が、推していた選手がクラブから早いタイミングで羽ばたく。そんな喜びとともに、悲しみを抱いた人は多いに違いない。その流れはこれからも加速していくだろう。

 だが、それだけ日本人選手が海外で評価されるようになったのはJリーグがあったからこそで、選手が日々レベルアップし、安定した育成ができる環境が整った背景が大きい。それこそ多くの涙を、多くの汗を、多くの歓喜を重ね、リーグが、クラブが、選手が、日本のサッカーを底上げし、独自の文化を醸成してきたからこそ、今の日本代表の活躍があるとも言える。

 Jリーグの黎明期、東日本大震災、コロナ禍...様々な壁を誰もが手を取り乗り越え、歩んできたからこそ今がある。思い返せば胸の傷が蘇る出来事も多かった。そんな自分の人生と照らし合わせることができるのもJリーグの良さだろう。

 忘れられない悔し涙、打ちひしがれたゲーム、逆に嬉し涙が溢れた瞬間...その意味で様々なドラマ、想いをまとめた、オールスターのフィナーレに流された映像はまさに感動的で、目頭が熱くなるものがあった。自然と会場に響き渡った手拍子には鳥肌が立った。その瞬間、誰もが再確認したはずである。Jリーグを愛する人がこれだけ多くいることを。

 映像では、総参加クラブ数64、総開催スタジアム数143箇所、総試合数25,957試合、総ゴール数68,899ゴール、エントリー選手数7,498人、総審判人数432人、総入場者数263,218,311人という記録も打ち出された。