2026年現在、冬は暖かく夏は涼しい「高断熱・高気密」の家はマイホームのスタンダードであり、とても素晴らしい性能を持っています。しかしその一方で、さくら事務所には「床下がカビ臭い」「床下に水溜まりができている」といった、湿気にまつわるご相談が実は多く寄せられています。
今回は、建築士・ホームインスペクターである、さくら事務所取締役の田村啓さんが、最新の住宅だからこそ起こりうる床下の湿気トラブルの原因と、その対策について分かりやすく解説します。

■ 1. 高断熱住宅の盲点?断熱材が空気の通り道を塞ぐ施工ミス
高断熱・高気密の家そのものが悪いわけではありません。問題は、その性能を十分に発揮させるための「施工のクオリティ」にあります。
・分厚い断熱材による「通気口の閉塞」
足元からの冷気を防ぐために、最近の住宅では床下に非常に分厚い断熱材を敷き詰める事例が増えています。しかし、現場の職人さんや監督さんが気づかないうちに、断熱材が床下の空気の通り道(通気口)を塞いでしまうという施工ミスが起きることがあります。
・逃げ場を失った湿気がカビの原因に
通気が遮断されると、床下の空気はまったく入れ替わらなくなり、またたく間に高湿度な環境になってしまいます。これが、新しい家であるにもかかわらず床下がカビだらけになってしまう大きな原因の一つです。

■ 2. 意外な落とし穴、夏の「窓開け換気」と「24時間換気」の停止
住まい手のちょっとした良かれと思った行動が、湿気を呼び込んでしまうこともあります。
・24時間換気は絶対に止めない
高断熱・高気密な家は、機械で計画的に空気を入れ替えるように設計されています。電気代が気になるからと24時間換気を止めてしまうと、家全体の空気が淀み、床下にも湿気が溜まりやすくなります。
梅雨や夏の窓開けは逆効果になることも
天気が良いから空気を入れ替えよう」と、湿度の高い梅雨や夏に窓を全開にしてしまうと、外の大量の湿気が一室内に入り込んできます。いくらエアコンをドライ運転しても追いつかなくなるため、湿度の高い季節の窓開け換気には注意が必要です。

■ 3. 水漏れ?それとも…コンクリートが引き起こす「夏型結露」
最近の住宅に多い「ベタ基礎(床下がコンクリートで覆われている仕様)」でも、油断はできません。水漏れしていないのに、床下に水溜まりができる現象があります。

チャンネル情報

さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を目的として、創業者・現会長の長嶋修が設立した、中立・公正な業界初の個人向け総合不動産コンサルティングサービス企業です。