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走り出しからボルボへ期待する通り

XC60の電動版といえる、EX60。座り心地が素晴らしいシートへ身を委ね、ブレーキペダルを踏みながらセレクターでDを選べば、発進準備は整う。少し動作が不安定だったが、手持ちのスマートフォンをクルマのキーにできる機能も備わる。

【画像】期待通りのスムーズな走り ボルボEX60 サイズの近い電動SUVはコレ 全196枚

走り出しから、印象はボルボへ期待する通り。平穏に先を急げ、いざとなれば機敏に加速・回頭してくれる。回生ブレーキの変更はタッチモニターを介する必要があるが、どの設定でも直感的に速度を調整でき、気になる癖も感取されなかった。


ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)

374psのシングルモーター、P6でも速さには不満なし。ツインモーターのP10では、背中がシートへ押し付けられる勢いを召喚できるが、過剰な程ではない。総合680psのP12は試していないが、相当鋭く加速するに違いない。

正確なステアリングとスムーズな乗り心地

ステアリングホイールは適度な重み付けで、路面からのフィードバックは希薄ながら、反応は正確。グリップ力に優れ、カーブへ飛び込んでもボディロールは抑制され、コーナリングはアンダーでもオーバーでもなく、ニュートラルといえる。

ワインディングでも、ある程度の充足感を得られるはず。トラクション・コントロールは保守的な制御で、積極的に操って楽しめるタイプではないが。


ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)

サスペンションは、P6ではスチール製コイルと周波数感応式ダンパーの組み合わせ。P10以上では、アダプティブダンパーがペアを組む。2027年に追加予定のEX60 クロスカントリーには、悪路性能を高めるべく、エアサスペンションが用意されるという。

乗り心地は、アダプティブダンパー版ではスムーズでフラット。路面の凹凸を、滑らかに処理していた。周波数感応式ダンパーは、荒れた路面でやや揺れを残すものの、安定性はプレミアムSUVへ相応しい。英国でチューニングしたという成果が、表れている。

円滑に動作する運転支援システム

高度な運転支援システムを実装するが、動作は優秀といえる。制限速度警告はボタン1つでオフにでき、ドライバー監視や車線維持支援は、本当に必要な場面以外は反応しない様子。アダプティブ・クルーズコントロールも、円滑に機能していた。

シートベルトには、最新機構を実装。プリテンショナー・モーターが備わり、重大な事故時には火薬式のテンショナーが動作するのは従来通りながら、カメラやレーダーの情報を元に、引き締め量の制御も可能としている。乗員の体型でも、調整されるという。


ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)

今回の試乗での電費は、P6で6.4km/kWh。P10では、5.7km/kWhを記録した。急速充電は、最高370kWへ対応する。

英国価格は、シングルモーターで5万6860ポンド(約1194万円)からが予定されている。ツインモーターのトップグレードは、7万360ポンド(約1478万円)へ上昇する。

確かな感動を与える電動のボルボ

スウェーデンのブランドにとって、大きな節目を刻むであろう、EX60。確かな感動を与える電動のボルボが、完成したといって良い。技術者は、扱いやすく快適に運転できるクルマを目指したとしているが、見事に体現されたのではないだろうか。

今回は限定的な試乗で、乗り心地や操縦性を深く確認できてはいない。これまで強みとしてきた信頼性も、未知数ではある。それでも、BMW iX3やメルセデス・ベンツGLC EQテクノロジーと、直接的に対峙することは間違いない。


ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)

ちなみにボルボは、カニの図柄が入ったバケツを、アクセサリーで提供している。カニ釣りは、スウェーデンで人気のレジャーらしいが、EX60はしっかり活躍するだろう。

ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万5360ポンド(約1373万円)
全長:4803mm
全幅:1908mm
全高:1635mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:4.4秒
航続距離:648km
電費:6.1km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2275kg
パワートレイン:非同期モーター(前)+永久磁石同期モーター(後)
駆動用バッテリー:91.0kWh
急速充電能力:370kW(DC)
最高出力:510ps(システム総合)
最大トルク:72.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動


ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)