「カルビー・白黒ショック」に「ニンテンドースイッチ2」は1万円値上げ! 「ナフサ不足懸念」に焦りを募らせる官邸
カルビー・ショック
カルビーはホルムズ海峡封鎖などによる中東情勢悪化でナフサ・印刷インクの調達が不安定化していることを受け、「ポテトチップス」や「かっぱえびせん」など主力14商品のパッケージを白黒に変更する方針を発表。その後、伊藤ハム米久ホールディングスも包材仕様の見直しなどの検討に入ったことが報じられた。官邸はそういった動きに焦りを募らせているという。
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カルビーの判断に対する官邸の反応については、《「カルビーの白黒パッケージ」に官邸はピリピリ 民間企業を「呼び出し」までする背景には「疑念」も》の記事で紹介した通り、緊張感をはらんだものとなっているようだ。

「カルビー・ショック」のような類のものではなくても、原材料費やエネルギーコストの上昇を背景に一部の商品を値上げする動きは枚挙にいとまがない。
値上げラッシュ
発表の時期はそれぞれ相前後するが、たとえば、はま寿司は「まぐろ」を110円から132円に値上げすると発表。少し前には7%を上乗せする深夜料金の導入を行っている。はごろもフーズは「シーチキン」などの値上げを発表。最大で33.3%の値上げとなる。
その他、タカノフーズは「おかめ納豆」などを15%値上げ。ミツカンは「納豆」製品を最大で約20%値上げ、日清製粉ウェルナは「パスタ」などを最大で約24%値上げ、敷島製パンは「超熟」などの食パンや菓子パンを最大で約9%値上げ。任天堂は「ニンテンドースイッチ2」を1万円引き上げて5万9,980円に改定……となっている。ニンテンドースイッチ2は生活必需品ではないとはいえ、一気に1万円アップのインパクトは強烈だ。
中東情勢の緊迫化によるナフサ高騰と供給停滞が日用品の値上げにとどまらず、地方産業の資材不足に深刻な影響を及ぼしている実態については、ここ最近メディアが盛んに報じるようになっている。
企業努力だけでは
「価格転嫁を発表し、それが報じられる企業は割と大手メディアのクライアントでもあります。メディア側が企業に取材をかけると、“あんまり価格転嫁などをアピールしないでねって国の方から言われているんだよね〜”ってこぼす担当者もいるそうです。口止めというわけではありませんが、なるべく穏便な形の情報発信に努めてほしい、要は”あおらないでほしい”という所管省庁からのメッセージなのでしょう」
と、政治部デスク。
「企業努力だけでは各種コスト上昇の吸収は極めて困難だということに尽きるわけですが、四半世紀にわたったデフレで世の中にはまだデフレ・マインドが根強くあり値上げへの抵抗感は極めて強い。国はそのあたりを懸念している印象は間違いなくありますね」(同)
資源エネルギー庁の有識者委員を務める人物が4月に「報道特集」(TBS系)で「(ナフサの供給が)間違いなく今の状況が続いたら6月には詰むんですよ、日本」などと発言。これに対して、高市早苗首相がすぐにSNSで反論したことがあった。
ナフサ・ショック
番組名こそ伏せていたものの、タイミングや内容から「報道特集」を対象にしているのは明らか。番組や有識者は、高市氏の支持者から厳しい批判にさらされた。「デマを流して、資源不足に拍車をかけている。あおるな」というものだ。
「この時、6月には供給が確保できなくなる、”詰む”というのは事実誤認だと否定しました。ナフサの供給・在庫をしっかりと確保していること、代替調達先の確保などを主張し、国民の不安を打ち消すべく発信を行ったわけです。発信のタイミングは良かったとの評価がありましたが、これだけナフサ不足やそれを想起させる報道が続くと“詰む”と言うかどうかは別として、“ナフサ・ショック”を想像する消費者がどんどん増えていくことを官邸は懸念していますね」(同)
ホルムズ海峡の封鎖が長引けばそれだけインフレ圧力になることは火を見るよりも明らかだ。生活が”詰んできた”と国民が感じるのも無理はなかろう。
政権の新たな火種
「高市氏は早速、補正予算案の編成を指示したことを明らかにしましたが、それですべてがうまく行くはずもない。そもそもつい最近まで補正予算は不要だと言っていたわけですから、これは政権の新たな火種とすら言われています」(同)
昨年10月の所信表明演説で高市首相は次のように述べていた。
「この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応です。暮らしの安心を確実かつ迅速に届けてまいります」
今でも政府の最優先課題は変わっていないのだろうか。
デイリー新潮編集部
