決勝で村尾三四郎(左)を破り優勝した田嶋剛希(26日)=稲垣政則撮影

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 柔道・全日本選手権(26日・日本武道館)――体重無差別で男子日本一を争い、10月の世界選手権90キロ級代表同士の決勝で田嶋剛希(パーク24)が村尾三四郎(JESエレベーター)に優勢勝ちし、初優勝を果たした。

 90キロ級を主戦場とする選手の優勝は2012年大会の加藤博剛以来。3位は太田彪雅(旭化成)と新井道大(東海大)。昨年優勝の香川大吾(ALSOK)は3回戦で敗退した。

村尾はまさか…ロサンゼルス五輪に向け、90キロ級の争いが白熱

 劇的な幕切れでの初制覇に、田嶋は涙を流して膝から崩れた。理由は3度目の挑戦で頂点に立ったことだけではない。「村尾選手に勝ったっていうのが自分的には大きくて」。同じ90キロ級で負け続けていた宿敵を破ったところに、大きな価値と喜びを感じていた。

 8分間の決勝は押され気味で進み、最終盤で勝負に出た。足技でけん制しながら相手の左の膝下に潜り込み、鉄壁の村尾から残り12秒で技ありを奪った。「久々に無我夢中の技が出た」という会心の隅返し。土壇場でひっくり返した。

 村尾にはパリ五輪代表の座を奪われ、直近の試合も3連敗中だった。連覇を狙った昨年の世界選手権、昨冬のグランドスラム東京はいずれも決勝で敗戦。「打倒・村尾」を果たすべく、戦法を変えた。この日決めた隅返しも、同じ所属の武岡毅から教わった技だ。

 今大会には出場しない予定だったが、村尾が8年ぶりに出ることを知って予選にエントリーした。「柔道三冠(世界選手権、全日本選手権、五輪)に王手をかけられてうれしい。その壁が村尾選手というのもドラマチックでいい」。2人はともに10月の世界選手権代表。ロサンゼルス五輪に向け、90キロ級の争いが熱い。(福井浩介)

 たじま・ごうき 28歳。千葉県出身。東京・国士舘高、筑波大を経て、パーク24に所属。男子90キロ級で2024年世界選手権を優勝し、25年は2位。右組み、四段。1メートル72、90キロ。

 全日本男子・鈴木桂治監督「田嶋選手は隅返しをあの場面で出せる技術と準備が素晴らしかった。(決勝が90キロ級の対決となったのは)日本柔道は今、90キロ級が一番強いということ」

世界選手権66キロ級代表の武岡、初出場で1勝…120キロの選手に判定勝ち

 世界選手権66キロ級代表の武岡が、初出場で1勝を挙げた。初戦で120キロの羽田野竜輝(旭化成)を相手にスピードを生かして多彩な技を仕掛け、3―0の判定勝ち。3回戦は同100キロ級代表の新井に有効を奪われて敗れたものの、最後までひるむことなく奮闘した。武岡は「試合中も大歓声が聞こえるぐらいで、1勝の重さが違った。出たことでまた一回り成長できた」と充実した表情だった。

▽準々決勝

田嶋 判定 佐藤和哉(日本製鉄)

太田 崩れけさ固め 小畑大樹(医療法人ひらまつ病院)

村尾 内股 原沢久喜(長府工産)

新井 合わせ技 中野寛太(旭化成)

▽準決勝

田嶋 判 定 太田

村尾 足 車 新井

▽決勝

田嶋 技あり 村尾