4月から「ごみ収集作業員」として区役所に就職した甥。公務員なら「年収400万円」はもらえますか? 今後“ごみ袋収集有料化”になれば、好待遇・高収入の仕事になるのでしょうか?

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新生活が始まるこの時期、身近な人の就職に関する話は気になるものです。中でも「公務員」と聞くと、安定していて給料が良いイメージを持つ人は多いかもしれません。掲題のような公務員のごみ収集作業員は、どの程度の給料をもらっているのでしょうか。   本記事では、ごみ収集作業員の年収水準を紹介するとともに、東京23区で議論されている「ごみ収集有料化」が彼らの仕事にどう影響するのかについて解説します。

「技能労務職」の場合の平均年収は600万円程度

区役所に採用された公務員のごみ収集作業員は、「技能労務職」に該当します。
総務省の「令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果」によると、全国の地方公共団体における技能労務職の平均給与月額合計(住宅手当、通勤手当などの諸手当含む)は、37万291円です。これに、公務員のボーナスにあたる期末・勤勉手当の153万3543円を足すと、平均年収は約600万円になります。
ただし、技能労務職は年齢構成が比較的高めであり、平均値は勤続年数の長い職員の影響を受けやすい点に注意が必要です。同調査によると、技能労務職の平均年齢は52.2歳で、平均給料月額は30万9178円です。
一方、新卒年代である20~23歳の平均給料月額は18万1822円です。これに諸手当や賞与を加味して算出すると、若年層や新規採用者の初任給ベースでは、年収300万~400万円台からスタートするケースが一般的といえます。
したがって、「年収400万円程度もらえるか」という疑問に対しては、新卒~若年層ではおおむねその水準であり、長期的には600万円前後まで上昇する可能性もあると考えられます。

「ごみ収集作業員」は公務員以外に委託業者として働くケースも

厚生労働省職業情報提供サイト(jobtag)によると、ごみ収集業務は自治体職員(公務員)だけでなく、民間事業者への委託によって担われるケースがあります。
東京23区を含む多くの自治体では、直営と委託が混在しており、同じ業務でも雇用形態が異なることがあります。委託業者の場合、民間企業の給与体系が適用されるため、公務員と比べて年収や福利厚生に差が出るケースもあるでしょう。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、「ごみ収集作業員」=「清掃員(ビル・建物を除く)、廃棄物処理従事者」の平均年収は398万6000円です。自治体に雇われるのか、民間企業に雇われるのかという「雇用主体」によって待遇に差が出る点は、事前に確認しておきたいポイントです。

東京23区では「家庭ごみ収集の有料化」が検討中

環境省の「一般廃棄物処理実態調査 令和6年度調査結果」によると、粗大ごみを除く生活系ごみの手数料を有料としている市区町村は67.3%です。2025年時点において、多くの自治体では家庭ごみ収集を有料化しています。
一方、東京23区は現在も原則無料収集を維持している数少ない地域であり、制度変更(有料化)の是非が議論されています。一部報道にて、特別区長会は「物価や人件費が急激に上昇し、財源の捻出が大きな課題」と述べており、「有料化することで、ごみを回収する人員を補強しなければならない」という見解を示しました。
有料化の主な目的はごみの減量ですが、作業員の労働環境にも変化が訪れる可能性があります。例えば、回収ルートの見直しや、有料化に伴う待遇改善なども想定されます。

まとめ

公務員のごみ収集作業員は、若手のうちは年収400万円程度からのスタートとなるケースが一般的ですが、勤続年数を重ねることで、年収600万円程度まで上昇が期待できる安定した職業といえます。
今後、東京23区でごみ収集有料化という大きな転換期を迎えた場合、人々の生活を支える作業員の仕事内容や環境にも、さらなる変化が現れるかもしれません。
 

出典

総務省 令和6年地方公務員給与の実態
厚生労働省職業情報提供サイト(job tag) ごみ収集作業員
厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況
環境省 一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー