衝撃的な論文「夏の暑さは老化を早める」…食い止めるために大事なのは「筋トレ」ではない
猛暑が細胞を老化させる
早くも初夏の陽気が続いている。気象庁の予報によれば、今年の夏も気温は平年を上回る見通しだ。耐え難い猛暑がまた襲ってくるだけでもうんざりだが、暑さが引き起こす恐ろしい健康被害があることをご存じだろうか。
'25年2月、米・南カリフォルニア大学の研究チームが科学誌『サイエンス・アドバンシーズ』に衝撃的な論文を発表した。
56歳以上の約3700人を対象に居住地域の気温と生物学的年齢の関係を調べたところ、猛暑の日が多い地域に住む人ほど老化が加速していることがわかったのだ。
別の研究では、熱波に2年さらされるだけで老化が加速し、その影響は喫煙や飲酒に匹敵するとも示されている。
なぜ暑さが老化を早めるのか?
なぜ暑さが老化を早めるのか。同大学の研究チームは次のように指摘している。
「高齢者は加齢とともに発汗による皮膚冷却機能が低下するため、高温と多湿が組み合わさった環境に特に脆弱だ。身体が熱を処理しきれない状態が続くことで、細胞レベルでの老化が加速する」
高温環境下では、身体が熱を処理する、つまり体温を適切に調節するために、心臓はより多くの血液を全身に送り出し、身体は発汗機能やホルモン分泌をフル稼働させる。
こうした生命維持に必要なエネルギーを生み出すのが基礎代謝だ。老化を遠ざけるには、この基礎代謝量を高く保つことが欠かせない。栗原クリニック東京・日本橋院長で日本肝臓学会肝臓専門医の栗原毅氏が解説する。
「基礎代謝というと筋肉が担っているイメージが強いですが、その割合は基礎代謝全体の約20%にすぎません。じつは、肝臓と腎臓が30%近くを担っています。老化を食い止めたければ、筋トレよりもまずこの2つの臓器を鍛えることが大切です」
肝臓は糖質・脂質・たんぱく質の代謝から解毒、ホルモン合成、免疫機能の維持まで担う、言うまでもなく最重要の臓器。腎臓も血液のろ過や老廃物の排出を通じて、ともに全身の器官と密接につながっている。
【後編を読む】『老化を防ぐための正しい「運動のタイミング」と絶対に飲んではいけないもの』
「週刊現代」2026年4月27日号より
