【漫画】本編を読む

 赤い「ミルク」の暖簾をかかげた屋台に、産まれて間もない赤ちゃんたちが集う様子を描いた『屋台ヤケミルク』(はみだしみゆき)。彼らから語られる話題の多くは、やはり大好きなママのことだ。ママの頑張りを赤ちゃんはちゃんと見ている。そんな愛情あふれるエピソードは、読者の頬を緩ませてくれるに違いない。

「屋台ヤケミルク」の常連・のんちゃんの悩みごとは、もっぱらママのこと。毎日のミルクや離乳食作り、オムツ替えに抱っこ…。自分を大切にしてくれるママのことが、のんちゃんは本当に大好きなのだ。

 ある日、のんちゃんはひとりで屋台を訪れ、大将に「好きな人」がいるとこっそり打ち明ける。それはもちろん、ママのこと。だからこそ子育てに一生懸命で、自分のことは後回しにしがちなママが気がかりだ。手はあかぎれ、美容院にもなかなか行けないという話を聞いたらしく、「オレのために、ホントありがてぇなあ」としみじみ呟く。

 そんなママのために何かできることはないか――。常連のモモコと話し合った結果、ママが少しでも長く寝られるように朝1時間じっとしてみるという作戦を実行することに。「こんなカンジか!?」とさっそく練習に励む姿は、なんとも微笑ましい。

 実際、赤ちゃんがママにしてあげられることはほとんどない。それでも、のんちゃんがはじめて喃語でママとおしゃべりができたという場面では、ママもまた笑顔を浮かべていた。そうして重ねていく小さな成長こそが、ママにとっていちばんの贈り物なのかもしれない。

文=ハララ書房