トヨタ「ウーブン・シティ」の新開発拠点はかつてのプレス工場…異業種交流で革新的な発明目指す
トヨタ自動車は22日、実証都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)内にある新開発拠点を報道陣に公開した。
かつてプレス工場だった建物を再利用して今月から稼働を始め、異業種企業の交流促進や、革新的な発明を生み出すことを目指す。(大塚健太郎)
ウーブン・シティは、トヨタ自動車東日本の旧東富士工場の跡地に造られた実証都市で、昨年9月に始動した。新開発拠点は「インベンター(発明家)ガレージ」と名付けられ、延べ床面積は2万4000平方メートル。コワーキングスペースや、3Dプリンターなどを備えた工房のほか、モビリティーの走行実証ができる空間も設けた。泊まり込みで実験や作業ができるように、宿泊できる部屋も用意した。
同ガレージは、工場での歴史を後世に残すため、当時の面影を極力、維持している。鉄骨はむき出しで、壁には油のシミがあり、床には傷やへこみが残る。
この日は、ウーブン・シティ内での現状の取り組みも紹介した。カフェでは、運営会社のウーブン・バイ・トヨタが開発したAI(人工知能)を導入。顧客の許可を取った上で、カメラの視覚情報を基に行動を分析し、コーヒーを飲むタイミングと利用者の集中力の相関性を検証している。
現在、日清食品やダイキン工業など約20の企業や団体が参画し、約100人が居住している。敷地内に信号が設置され、カフェや売店もあり、一つの街のようになっている。未開業のエリアも多く、今後も拡張していく方針だ。
新たな参画企業として、通信カラオケ「DAM」を展開する第一興商や、空飛ぶクルマを手がける米ジョビー・アビエーションなど4社・団体が加わった。第一興商は、選曲傾向や年代などに応じてAIが曲を提案する「選曲レスカラオケ」の開発を進める。
実証都市ならではのトラブルもある。信号が30分以上、青に切り替わらなかったり、夜間に敷地内の電気が一斉に点灯したりしたという。ウーブン・バイ・トヨタの隈部肇・最高経営責任者(CEO)は22日の説明会で、「変革の波の中で、次の100年に向けて、未来のあたり前を形づくっていく」と語った。
