橋本大輝、岡慎之助と表彰台に上がった川上翔平(右)【写真:中戸川知世】

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全日本個人総合選手権男子決勝

 体操の全日本個人総合選手権(群馬・高崎アリーナ)は19日、男子決勝が行われ、予選9位の川上翔平(徳洲会体操クラブ)が166.947点で3位。10月の世界選手権(オランダ)代表争いで好位置につけた。2021年東京五輪金メダリスト・橋本大輝と、24年パリ五輪金メダリスト・岡慎之助の優勝争いが注目を集めた今大会。2人と並んで表彰台に立った22歳の思いとは。現在地を受け止め、飛躍を誓った。

 五輪王者2人による熾烈な優勝争いを横目に、怒涛の追い上げを見せた。予選9位と出遅れた川上は、得意の跳馬と平行棒で14点台後半の高得点を記録。鉄棒でも着地を止めて、会場を沸かせた。最終種目の床運動も大きなミスなくまとめてガッツポーズ。橋本、岡に続き、逆転で表彰台に上がった。

 大会2週間前には、平行棒で左手中手骨を骨折。その影響で左足首も痛め、満身創痍での出場だった。「『2班から追い上げてきているぞ』と思わせるような演技ができた。まずは手と足の炎症を落ち着かせて、(5月の)NHK杯に向けて調整していきたい」と次を見据えた。

 清風高(大阪)出身の22歳。昨年は全日本選手権8位から、NHK杯で追い上げて3位に入るなど存在感を放ち、2028年ロサンゼルス五輪で活躍が期待される一人。この日は2班で演技。「テレビカメラもずっと1班についている。難しさはあった」と振り返る。

 昨年に続き、橋本と岡の一騎打ちとなった今大会。最終種目の鉄棒で橋本が逆転し、6連覇を達成した。観客も、テレビ中継も、2人の激闘に注目。勝負の鉄棒は、一つ一つの離れ技に会場はどよめき、迫力満点の演技に拍手喝采だった。2人にはおよそ3点の差をつけられた。

 2歳上の橋本と、同い年の岡。その存在は刺激になっている。

追いかける2人の背中「『3強』と呼ばれる位置まで」

「『3強』と呼ばれる位置まで、食らい付いていきたい。予選の結果を見ると、まだまだオリンピックチャンピオンに及ばないと感じた。予選、決勝をミスなく、(6種目で)85点近くを狙えるような練習、演技をしていかないと、大輝くんと慎之助にはまだまだ勝てないと思う」

 今大会は3位争いも熾烈に。橋本は「こうやって大会自体のレベルが高くなることを望んでいる」と貫録を見せた。

 追いつき、そして追い越せ。「やっぱり超えていきたい気持ちはある」。22歳は静かに闘志を燃やした。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)