グローバルスタイル(グローバルS) <7126> はオーダースーツの「GINZA Global Style」を展開している。東京・銀座本店を中心に、手に取りやすい価格帯で高級感やおしゃれ感のあるスーツを提供している。ウエルスアドバイザーではこのほど、同社の田城弘志社長を迎え、人気エコノミストのエミン・ユルマズ氏との対談を行った。

 エミン氏:まず事業内容について、初めての投資家にも分かるよう簡単にご説明いただけますか。

 田城社長:当社はオーダースーツ専門店として、銀座本店を中心に全国41店舗をすべて直営で展開しております。加えてオンラインストアも運営しており、高級感やおしゃれ感のあるオーダースーツやジャケットを、比較的手に取りやすい価格帯で提供している点が特徴です。顧客層としては、成人式のお客様も含めて20代から30代の若い方が半数以上を占めております。

 エミン氏:なるほど、かなり若い層が多いですね。一般的にオーダースーツは年齢層が高いイメージがありますが、その点は特徴的ですね。

 田城社長:おっしゃる通りで、当社創業当初は40代、50代の経営者層が中心でした。ただ現在は新社会人の方など、最初の1着からオーダースーツを選ばれるケースが非常に増えています。背景としては、体型の変化もありますし、全体的にファッション意識が高まっていることが大きいと感じています。

<オーダースーツは自己投資!?「体験消費」取り込む>

 エミン氏:アパレル業界全体としては、価格競争が激しい印象がありますが、実際にはどのような状況でしょうか。

 田城社長:確かに、標準的な既製品については価格競争が非常に激しくなっています。これはカジュアルウエアも含めて同様です。ただ一方で、自己投資や付加価値のある商品に対する需要は確実に伸びており、市場は明確に二極化しています。価格だけで選ばれる商品と、価値で選ばれる商品に分かれてきているという認識です。

 エミン氏:その中で、オーダースーツはどの領域に位置付けられますか。

 田城社長:当社のオーダースーツは、どちらかというと自己投資の領域に入ると考えています。例えば、重要な商談やプレゼンテーション、あるいはプライベートでもプロポーズや記念日など、ここぞという場面で着用される「ガチスーツ」として選ばれることが多いです。

 エミン氏:価格帯についても教えていただけますか。

 田城社長:当社ではまず体験していただくことを重視しているため、2万円台のエントリーモデルからご用意しています。そこから中価格帯、さらにゼニアやドーメルといった高級生地を使用した10万円以上の商品まで、幅広く展開しています。平均単価としては8万円前後となっています。

 エミン氏:既製品の大手と比べると、単価としては高めになりますね。

 田城社長:はい。ただし当社の場合、数量ベースではエントリー商品もありますが、売上構成としては高付加価値の商品が中心となっており、約8割のお客様がイタリアやイギリスの生地を選ばれたり、ハンドメード仕様を選択されています。

 エミン氏:なるほど、価格だけでなく品質や体験を重視されているということですね。店舗づくりについても特徴的だと感じましたが、その点はいかがでしょうか。

 田城社長:はい。当社では「入りづらさ」を解消することを重視しています。オーダースーツというと敷居が高いイメージがありますが、若い方でも気軽に来店できるよう工夫しています。具体的には、プライベートフィッティングルームを設けており、職場の同僚同士やご家族でご来店いただくケースが多いです。複数人で来店していただき、2着購入で割引が適用される「シェア購入」も可能にしています。また、小さなお子様連れのお客様にも対応できるよう、専用スペースや設備も整えており、滞在そのものが快適な体験になるよう設計しています。

 エミン氏:体験型の店舗設計ということですね。今注目されている「体験消費」とも一致します。

 田城社長:まさにその通りで、単にスーツを販売するのではなく、来店から仕立てまでのプロセス自体を楽しんでいただくことを重視しています。

<トータルコーディネートの提案強化>

 エミン氏:今後の出店戦略についてはいかがでしょうか。

 田城社長:現在は年間3−5店舗のペースで出店を続けています。これまでは都市部中心でしたが、今後は郊外の大型商業施設への展開も強化していきます。実際にテスト出店では、都市部と遜色ない集客ができており、まだ十分な成長余地があると考えています。

 エミン氏:規模拡大と収益性のバランスについてはどのように考えていますか。

 田城社長:当社は直営モデルの専門店であるため、1店舗ごとに売上を積み上げていくビジネスです。都市部では高い売上が見込める一方、郊外では出店余地が多く、店舗数を増やすことで全体の売上を伸ばすことができます。そのため、規模拡大と収益性は両立できると考えています。

 エミン氏:中・長期的な方向性についても教えてください。

 田城社長:当社の強みはメンズのオーダースーツですが、今後はジャケットやシューズ、ニットなどを含めたトータルコーディネートの提案を強化していきます。ドレスカジュアル領域も含め、より幅広い商品展開を進めることで、総合アパレルに近い形へと進化させていきたいと考えています。

 エミン氏:最後に、株主還元についてもお願いします。

 田城社長:当社では株主優待として、自社店舗で利用できるクーポンを提供しており、最大で3万5000円相当となっています。また配当についても、これまでは配当性向20%程度でしたが、今後は増配も含めて検討を進めています。株主の皆様と成長を共有しながら、還元の充実を図っていきたいと考えています。

 エミン氏:ありがとうございました。非常に分かりやすいお話でした。