「本当に情けない前半」「応援に来てくれたサポーターに失礼」城福浩監督の厳しい言葉と2度の決定機逸で顔を覆った山見大登。それでも“オリ10対決”で東京Vが示した可能性
試合後には城福浩監督の厳しい言葉が続いた。
18年ぶりに実現した“オリジナル10対決”として千葉のホームに乗り込んだ東京Vは前半に苦戦を強いられ2失点。気合いを入れ直した後半はほぼワンサイドゲームを展開し、早いタイミングで2−2に追いついたが、その後のいくつもの決定機を活かせずに、試合終盤に被弾して2−3で敗れた。
「本当に多くのサポーターが大きな声で戦う雰囲気を作ってくれたにも関わらず、本当に情けない前半を見せてしまったなと。自分たちが準備をした前半を表現できなかったことは、全く準備をしていなかったのと同じだなと」
そして続ける。
「まず精神論で言いたくないですが、エネルギーが全く負けていました。それはもう前線も中盤も最終ラインも、この試合に懸けるエネルギーというものが負けていたこと。あとは攻撃のところ、前半は我々の思うような形が全くできなかった。それは技術的なものというよりは、腰が引けたというか、自分たちが一番やってはいけないような思考のなかでサッカーをやってしまったこと。一番望んでいない前半にしてしまったのは、自分が言った単語は何十回言っても、あれは選手には響かないんだということを今日学びました」
ハーフタイムには檄を飛ばしたという。
「当たり前ですが、応援に来てくれたサポーターに失礼です。こんな前半を見せたら。ちょっと自分たちが、ここ何試合かが何かを表現できたと満足しているのか、僕は今週の練習から含めて手綱を締め切れなかった自分がいて、それが今日の試合に出たなと。そういう意味では、自分のマネジメントがまだまだ足りないという風に痛感しています」
悔しい敗戦となったなか、ピッチでは73分に4枚目の交代カードとして投入され、2度の決定機を迎えるも、モノにできなかった山見大登が試合後、なかなか顔を上げられずにいた。
それでも、チームとともにゴール裏へ挨拶に向かうとサポーターからは背中を押すかのように山見コールが沸き起こった。その声に、ユニホームで顔を覆った山見の姿が印象的だった。
確かに指揮官の言葉通り、どこかに甘さが出てしまったと言えるのだろう。長いシーズン、1試合1試合、目の前のゲームに勝つためにすべてを捧げられるのが、成熟したチームである。その意味では、東京Vはまだまだ発展途上のチームと評さざるを得ない。
もっとも後がなくなり、ハーフタイムの城福監督からの激を受けたチームの後半戦のパフォーマンスは素晴らしかった。それを常時続けるのは難しいのだろうが、チームとして多くの伸びしろを残しているとも言えそうだ。
ビッグチャンスを外した山見に対しても厳しい声で叱咤激励するべきという声もあるかもしれないが、寄り添い、ともに戦う姿勢を見せたサポーターの姿も美しかった。
勝負事だからこそ負けて褒められることはない。それでも東京Vを包む空気感には、クラブ一丸となって前を向くようなポジティブさがあるように映った。
ただ、何より大事なのは次の浦和戦で意地を示せるかだ。アウェーの地での戦いぶりに期待したい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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