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国士舘大学大学院客員教授・八幡和郎先生は、「近代日本において、全国のどこで生まれても地元の各都道府県に名門高校があり、良質な高校教育を受けることができることは国力の源泉となってきた」と語っています。当連載では、そんな八幡先生の著書『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで -』から一部を抜粋し、全国の名門高校をご紹介していきます。今回取り上げるのは「慶應義塾高校」です。

【書影】歴史・伝統・校風、有名な卒業生まで徹底網羅。八幡和郎『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで -』

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慶應義塾高校 私立/男子校/神奈川県横浜市港北区

有名人のジュニアが多く、卒業生のほとんどが慶應義塾大学に進学

“小学校お受験”の最高峰といえば慶應義塾幼稚舎(共学・東京都渋谷区)である。定員140名強。そこから慶應義塾中等部(共学・東京都港区)、慶應義塾普通部(男子のみ・神奈川県横浜市)、慶應義塾湘南藤沢中等部(共学・神奈川県藤沢市)の3校から選択できる。

2023年度の卒業生の進学実績は、慶應義塾中等部に74名、慶應義塾普通部に68名、慶應義塾湘南藤沢中等部に1名だった。

そして、ここで紹介する慶應義塾高校(男子校・神奈川県横浜市)は、上の普通部からと中等部からに加え、外部の中学校からで構成され、1学年18クラスで700名を超す。したがって、全校生徒は約2200人というマンモス校だ。

「独立自尊」というのが建学の精神だ。野球、アメリカンフットボール、弓道、全国高等学校クイズ選手権などで全国優勝の経験がある。卒業生のほとんどが慶應義塾大学に進学でき、また、外部の大学に出ることもほとんどない。

学費は高いし、お付き合いも物入りだが……

卒業生の有名人は数多いが、比較的最近の人をあげると、石破茂(元首相)、石原伸晃(元国土交通相)、小坂憲次(元文科相)、中曽根弘文(元文科相)、藤崎一郎(外交官)、松沢成文(元神奈川県知事)、持田昌典(元ゴールドマン・サックス日本法人社長)、北城恪太郎(日本IBM社長)、阿川尚之(法学者)、島田晴雄(経済学者)、石坂浩二(俳優)、市川猿翁(歌舞伎役者)、加山雄三(俳優)、千住博(日本画家)、竹田恆和(元JOC会長)などがいる。

ほかにも、河野太郎(元外相。河野洋平の長男)、池田博正(創価学会インタナショナル副理事長。池田大作の長男)、壬生基博(山階鳥類研究所理事長)、竹田恒泰(評論家。竹田恆和の長男)、豊田章男(トヨタ自動車会長。豊田章一郎の長男)など、各界のジュニアの多さも群を抜いている。旧宮家でも東久邇家と竹田家は、慶応普通部が多い。

学費は高いし、お付き合いも物入りだ。しかし、卒業生の結束は固く、温かく助けてくれるから、温厚で明るく、品が良い現状肯定的な紳士ができあがる。

なお、慶應義塾のグループには、ほかに、慶應義塾横浜初等部(共学・神奈川県横浜市)があり、ここからは、慶應義塾湘南藤沢中等部を経て、慶應義湘南藤沢高等部(共学、神奈川県藤沢市)に進む。また、芦田愛菜(女優)も学んだ慶應義塾女子高校(東京都港区)は、中等部からと外部からの入学者が半々。さらに、慶應義塾志木高校(男子校、埼玉県志木市)、慶應義塾ニューヨーク学院(共学、ニューヨーク州)がある。

※本稿は、『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで -』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。