中国のスマートフォン市場に「前例のない」価格上昇の波が訪れ、新機種だけでなく旧機種も値上げされる可能性があるとみられています。主にメモリの不足が原因とのことです。

Chinese Smartphone Prices Are Set to Rise Soon as Memory Costs Surge, Sources Say

https://www.yicaiglobal.com/news/china-smartphones-face-first-2026-price-wave-as-memory-costs-surge-90

Domestic Mobile Phones Forced to Hike Prices: Tough Times Ahead

https://eu.36kr.com/en/p/3711113898914177

AIの発達で需要が供給を大きく上回っているため、DRAM、NANDフラッシュメモリ、HBMの価格はいずれも過去最高水準に達しています。スマートフォンを取り扱う販売業者によると、中国のスマートフォン市場における低価格モデルは600元(約1万4000円)から1000元(2万3000円)引き上げられており、中〜高価格帯に至っては2000元(約4万6000円)〜3000元(6万9000円)の値上げとなる可能性があるとのこと。

値上げの影響は新機種だけでなく既存の機種にも及ぶ可能性が高く、販売業者によればメモリ価格が高止まりすると複数回の値上げが実施される可能性があるそうです。

調査会社のCounterpoint Researchによると、2026年第1四半期のメモリ価格は、2025年第4四半期と比べてすでに80%〜90%上昇しており、DRAM、NAND、HBMのすべてが過去最高値を記録しています。

主な要因は、汎用サーバー向けDRAM価格の急激な上昇です。第4四半期には比較的安定していたNANDフラッシュメモリの価格も今四半期には80%〜90%上昇していて、AI特化のHBM3eの一部もさらに値上がりしており、メモリ全体で価格上昇が加速していることを示しています。

ある販売業者によると、人気スマートフォンモデル、とりわけ大容量メモリ版の供給はすでに逼迫しており、メーカーは利益率の高い構成を優先するようになっているとのことです。



Xiaomi(小米)の雷軍CEOは「AIの急速な発展によりメモリチップの需要が大幅に増加した」と説明し、メモリ部品の高騰はXiaomiのスマートフォン事業やその他の関連製品ラインに顕著な圧力をかけていることを認めました。雷軍氏は、メーカーにとってコスト状況が厳しい状況にあることを認めつつも、コスト上昇の全額を消費者に直接転嫁するのではなく、購入者の負担を軽減するためのさまざまなアプローチを模索していると述べました。

Meizu(魅族)は、国内スマートフォンの新製品に関する自社ハードウェアプロジェクトを一時停止し、第三者ハードウェアパートナーとの協力関係を積極的に模索していくと伝えました。Meizuは「多くのブランドが戦略的縮小を選択する中、困難であっても私たちは最後まで全力を尽くし、正常な世代更新を維持しようとしてきましたが、近年の特殊な要因による急激な変化により、次世代製品の正常な商業化が不可能となりました。主体的に一時停止を選んだのは、自社Flymeソフトウェアエコシステムの能力に資源を集中させるためです」と述べています。



あるスマートフォンメーカーの幹部は、「高利益製品への重点がいつまで続くかは、AI計算能力への投資がいつ落ち着くかにかかっている」と指摘しました。AI関連の設備投資のペースが鈍化すれば、汎用メモリの需給バランスが安定する可能性があるとしています。