STARGLOW、誰も見たことのない“始まり” 運命の5人――なぜデビュー曲は「Star Wish」でなければならなかったのか?
BMSGによるオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE』から誕生した5人組ボーイズグループ・STARGLOW。2025年9月に「Moonchaser」でプレデビューを果たし、同曲はBillboard JAPAN「Hot 100」をはじめとする各チャートにランクインした。それから約4カ月、ついにSTARGLOWが1stシングル『Star Wish』でデビューを果たした。
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デビューまでのあいだ、彼らはどんな時間を過ごしてきたのか、『Star Wish』にはどんな思いを込めているのか、そして今何を見て、何を目指しているのか――。5人に語ってもらった。(高橋梓)
■プレデビュー以降のSTARGLOW、5人の関係性「無言でも繋がっている感覚」
――プレデビュー以降、グループの状態はいかがでしたか?
TAIKI:より家族感が増してきていて、無言でも気まずくないというか。“仕事仲間”というよりも、素でいられる“家族”という言葉が合うようになりました。
KANON:僕は、家族ってよりは仕事仲間っていう感じがしていて――。
TAIKI:嘘でしょ!?
RUI:KANONはそうかもね。
TAIKI:このインタビューで亀裂が生まれるって!
RUI:(笑)。
KANON:というのは冗談で(笑)、常にずっと一緒にいるから徐々に話すことがなくなってくるんですよね。だから、無言の時間が増える。それでも居心地が好いんです。
TAIKI:そう。無言でも繋がっている感覚です。
――よりナチュラルな状態でいられるようになった、と。プレデビュー曲「Moonchaser」はBillboard JAPAN「Hot 100」で初登場7位、Spotify「Daily Viral Songs(Japan)」で最高順位4位など、話題を集めました。その状態を皆さんはどう見ていましたか?
GOICHI:もっとイケるなと思いました。
TAIKI:正直、「1位に行きたかったな」と思っちゃいました。
RUI:話題になっている実感もあまりなかったというか。僕らを知らない人もまだまだいると思うので、もっと有名になりたいですね。
ADAM:なので、より燃えたという感覚が大きいです。
GOICHI:7位や4位という結果もありがたい数字ですが、「俺らならもっといけるでしょ」という向上心と、「まだ満足していない」という気持ちがありました。でも、それっていい状態だとも思っていて。そこで「よっしゃ!」と思ってしまうよりも、「もっといけるよね?」と思えるほうが今後に繋がると思うんですよね。僕らは長い期間、デビューを夢見てきた。だからこそ、もっと活躍しているかっこいい自分を想像していて。アーティストとして輝いている姿を想像して頑張ってきましたし、小さい頃からなりたいと思っていたアーティスト像はもっともっと先にいる。なので、ありがたい数字をもらっても満足することはなかったです。
KANON:それに、同じ事務所の先輩グループが今みんな話題を集めてチャートに乗っている状態なので、僕たちもまずその土俵に立たないといけないなと思っていて。STARGLOWも最初からチャートに乗って話題を呼びたいというひとつの目標があるので、まだまだ頑張っていかないとな、って。
――たしかに、「BMSGのグループだったらかましてくれるだろう」という期待値は世間的に高いですよね。そういう意味でのプレッシャーがあったりも?
TAIKI:そうなんですよね。でも、僕らって世間一般の方々と同じ目線を持っているとも思っていて。プレッシャーは一切感じていなくて、むしろ応援してくださっている方々と同じくらいSTARGLOWに期待しているんです。だから、「いや、無理でしょ」と思うことはないんです。いい意味で「STARGLOWならいけるんじゃない?」という思いを持ってます。
ADAM:そのためにも「自分たちの音楽性を出していこう」という話をしています。先輩であるBE:FIRSTさん、MAZZELさん、HANAさんはそれぞれやっていることはまったく違っていて、僕らも先輩方とは違う音楽性にチャレンジしていると思ってます。さっきKANONとも話していたんですけど、「BMSGの新しいグループは“STARGLOW”っていうんだ」ではなく「STARGLOWの曲、めっちゃいいじゃん! BMSGのグループなんだ」というふうに、STARGLOWから入ってもらえたらいちばんいいのかなって。BMSGのブランドに頼るのではなく、僕らならではの音楽を発信することをまずやっていこうと思っています。
――「Moonchaser」をリリースして約4カ月、この曲は『BMSG FES'25』や音楽番組などで披露してきました。楽曲の見え方、とらえ方に変化はありましたか。
KANON:「Moonchaser」はオーディションの最終審査での課題曲だったので、僕のなかでは“課題曲”というイメージがすごく強かったんです。でも、歌い続けるなかで“自分たちの曲”という認識になりました。でも、世のなかの人たちはもちろんSTARGLOWの曲として「Moonchaser」を初めて聴くと思うので、「Moonchaser」がデビュー曲のような感覚ではありましたね。
GOICHI:「Moonchaser」って、僕たちと重なる部分がめっちゃ多いので、(パフォーマンスするたびに)説得力は増したと思います。デビューに向かって走り抜けている、今のSTARGLOWがいちばん伝わる曲なのかな、って。『BMSG FES'25』などでもその気持ちで歌ったので、いいパフォーマンスができたんだなと思います。
RUI:『BMSG FES'25』はシンガーズハイというか、ゾーンに入っていたからね。いいパフォーマンスになりました。
■「僕たちから見ても、STARGLOWっぽい曲」――デビュー曲「Star Wish」の核
――そして1月21日、待望のデビュー日がやってきます(取材は1月上旬)。デビュー日が近づいてきた今、どんな心境なのでしょうか。
RUI:ついに、ではあるよね。
GOICHI:うん。プレデビューからデビューまでの期間が思っていたよりも空いていたのですが、それがすごくよかったんだと思います。自分たちが「STARGLOWだ」という自覚を持てる期間でもあったし、落ち着いてデビューの準備ができました。あっという間ではありましたが、濃いプレデビュー期間でしたね。あとはやるだけです。
KANON:もうすぐだもんね。
GOICHI:「Star Wish」でデビューをしたら、また多くの人に知っていただけると思うんです。プレデビューとデビューという二段階があるおかげで、たくさんチャンスをいただいているな、って。また新たに気合いを入れ直したいです。
――やはりプレデビューとデビューでは、気持ちとして違う部分もありますか?
GOICHI:僕はちょっと違っている気がする。デビューとなると、完全にアーティストになるという覚悟が固まるというか。まだデビューはこれからだからわからないけど、気持ちの変化もありそうです。
ADAM:オーディションの最終審査からプレデビューまでの期間よりもずっと長かったので、プレデビューの時よりも確実にマインドセットができていると思います。
KANON:たしかに、プレデビューの時はSTARGLOWになってすぐだったから、ふわふわした部分があったかも。「やっと“STARGLOWになった”って公表できるぞ」という嬉しい気持ちが大きかったかもしれません。
RUI:僕はあまり変わらないかも。4年間BMSG TRAINEEとして頑張ってきて、プレデビューでSTARGLOWとして世に出て。プレデビューではあるけれど、まわりからは「デビューおめでとう」と言ってもらっていたので「俺、デビューしたんだな」とその時に強く思ったんですよね。BMSG TRAINEEとして頑張ってきたことが報われたという感情が、プレデビューした瞬間にいちばん出ていたというか。もちろん、本格的にデビューできることが嬉しいことに変わりはないのですが、気持ち的にはあまり変わらないんじゃないかなと思っています。
――となると特にTAIKIさん、KANONさんも近しい感情だったりするのでしょうか。
TAIKI:僕は、BMSG TRAINEEになる以前から練習をしてきていて、進む道の途中にプレデビューやデビューがあるという感覚なんです。なので、「デビューをしたから鼻が高くなる」という気持ちはないです。
KANON:BMSG TRAINEE期間も本当にありがたい環境ではありましたが、僕としては“下積み”というもどかしい期間でもあって。それを経て「やっとデビューできる!」という思いが強いですね。
――それぞれの思いはあれど、皆さん前を向き続けているということですよね。そして、デビューシングルのリード曲は「Star Wish」。TAIKIさんとGOICHIさんがラップ以外にも歌っているという新しい試みがあったり、相変わらず5人の歌声の個性が色濃く出ていたり、個人的にとてもSTARGLOWらしい楽曲だと感じました。
TAIKI:僕たちも「Moonchaser」で「STARGLOWってこういう感じなのかな?」というのがわかって、「Star Wish」で確実に方向性が理解できました。僕たちから見ても、STARGLOWっぽい曲だと思います。
ADAM:洋楽系のサウンドだけど歌詞は日本語というように、一曲のなかにもいろんな要素が入っていて。それが「Star Wish」の面白いところなんだと思います。あと、MVも気に入っていて。もう、監督さんが天才! 「Moonchaser」と同じ監督さんなんですが、僕たちのことを深く理解してくれている方です。
KANON:STARGLOWの魅力をどうしたら引き出せるのかをわかってくれている、というか。
TAIKI:ずっと撮り続けてほしいと思うくらいです。
――MVも必見ですね。前回のインタビューで、ADAMさんが「5人それぞれ違う声を持っていることがSTARGLOWの魅力」と教えてくださって。今回もその魅力は出ていますが、レコーディングをするにあたってはいかがでしたか。
GOICHI:まずSKY-HIさんのデモをいただいてからレコーディングに望むんですけど、その時点ではあまり「こう歌おう」「こうしよう」と固めすぎないで、現場でSKY-HIさんにディレクションしていただいて、それぞれの声を見つけていくという流れです。たとえば、「Star Wish」のサビはRUI、KANON、ADAMが歌っていますが、「ADAMはこういう歌い方だからRUIとKANONは自分の歌い方を出していいよ」「似せようとしなくていいよ」というようなディレクションをしてくださって。なので、自ずとそれぞれの個性が際立つんだと思います。
TAIKI:そうだね。
ADAM:僕の場合は、ラストのサビのフェイク。SKY-HIさんから「なんかいいアドリブある?」と聞かれて、そこでやってみたものが採用されました。ライブもそうなんですけど、決めすぎずに挑むのがいいのかもしれません。決められたことをやるのではなく、みんなで意見を出し合って作っています。
――クリエイティビティがある皆さんゆえ、ですね。それと、気になっている部分があって。TAIKIさんとGOICHIさんの〈Hold on to my wish to wish〉からのパート、おふたりとも淡々とラップをしている印象を受けました。あれは狙ってですか?
TAIKI:そこもSKY-HIさんと歌いながら作ったんです。そのなかで、「なんかこの歌い方、カニエ(カニエ・ウェスト/Ye)っぽくない?」みたいな会話があって。やりすぎないラップのほうが「Star Wish」には合うだろうということで、淡々と歌いました。そこのパートは歌声も含めて、すべてがトラックだと思っていて。なので、淡々とラップをしたほうがバランスとしてもいいと僕も感じたので、納得して歌いましたね。
――あぁ、なるほど。一般的には途中で一音だけ上げてラップをしたくなると思うんですけど、そういう意図があったんですね。
TAIKI:そうなんです。あえて単純な歌い方をしたのは、マジでイケてるなと思いました。
GOICHI:〈Hold on to my wish to wish〉は、1番はTAIKIだけが歌っていて、2番から僕が入るんですね。その感じもめっちゃ好き。ワントーン下げていく感じがお気に入りですし、「やっと俺が歌える!」という気持ちで入れるのも好きです。でも、歌い方は統一していて、楽曲にまとまりを出しています。
――あの感じ、私もすごく好きでした! RUIさんは相変わらず美しい歌声で。
RUI:ありがとうございます。でも、難しいですね。「Star Wish」って、STARGLOWの曲でないところで出会っていても、きっと「この曲いいな」と聴いていると思うんです。それに、リリックが結構抽象的なのも好きで。だからこそ、理想を求めてしまって、難しさを感じるんですよね。高い理想形があるから、それを越えられなかった悔しさ、みたいな。でも、歌っていてめっちゃ楽しいので、もっと練習していきたいですね。
KANON:僕も歌っていてすごく気持ちがいいです。「Moonchaser」はテンポも曲の展開も速いけど、「Star Wish」はリラックスして歌える。焦る部分もないので、ちゃんと“アーティスト・KANON”としてしっかり歌えていると思います。
■BE:FIRST、MAZZEL、HANAの存在証明とSTARGLOWが託された未知の可能性
――BMSGのグループは、プレデビュー曲とデビュー曲が必ずあって。それを思うと、STARGLOWのプレデビュー曲「Moonchaser」とデビュー曲「Star Wish」は、何を表現している曲だと解釈されているのかをお聞きしたいです。
RUI:プレデビュー曲はそれぞれのオーディションの課題曲なので、僕らを含めて夢を追いかける様子を描いていますが、デビュー曲は違っていると思っていて。先輩たちは自分たちの存在を証明しているような楽曲だったと思うんですけど、僕たちは普通のラブソングなんですよね。
TAIKI:たしかに。RUIが言っていることは的確かも。それに僕らは“Moon”と“Star”、月と星って手が届きそうにない存在ですよね。日高さんが僕たちに期待してくれているんだろうなとも思っています。まだまだ未知数のSTARGLOWの可能性が曲名に繋がっているというか。それに応えられるように成長していきたいです。
――ああ、なるほど。“Moon”と“Star”は普通は絶対に手に取れないですもんね。
RUI:そうなんです。
TAIKI:今ふと思ったのは、BE:FIRSTさんの「Gifted.」は“ザ・デビュー曲”みたいな雰囲気じゃないですか。始まりを表しているというか。
KANON:今となってはそうだね。当時は「こうきたか!」って驚いたよ。
TAIKI:たしかに。じゃあ「Star Wish」もそうなっていくのかな? 自分たちの感覚的には「Star Wish」も「これがデビュー曲なんだ!」という意外な感じがあって。
KANON:どちらかと言うと、「Moonchaser」のほうがデビュー曲っぽいよね。
TAIKI:そうそう。
――個人的には「Moonchaser」でかましていたからこそ、「Star Wish」が映えている感覚があります。
ADAM:それはめっちゃあると思います。
TAIKI:うん。「Moonchaser」はJ-POPだけど、「Star Wish」は洋楽テイスト。最初に「Star Wish」をリリースしていたら、それこそ「こうきたか!」となりそうですよね。
――それと、やっぱり「Star Wish」はSTARGLOWらしいなと思っていて。ほかのグループがかわりに「Star Wish」を歌うとなると、そこにはちょっと違和感があるというか。STARGLOWだからこそハマっている気がしています。
全員:(拍手)
――(笑)。
KANON:僕たちの言葉として書いておいてください(笑)。
RUI:言うことなし!
ADAM:素晴らしい。
――ありがとうございます(笑)。では、ほかの「My Job」、「Love Myself'26」、「PIECES -STARGLOW Ver.-」の魅力も教えてください。
GOICHI:(曲順として)「Star Wish」の次に「My Job」がくるのが結構大事だと思っています。めっちゃラップ曲で、「Star Wish」とはまったく違うテイスト。一人ひとりのパートがあってみんなでラップをしているのですが、それぞれのラップが面白くて。「Moonchaser」や「Star Wish」とは違った角度で、僕たち5人の魅力が味わえると思います。
ADAM:「Love Myself'26」は、オーディションのクリエイティブ審査でKANONがいたEチームが作った曲のSTARGLOWバージョン。なので、KANONがディレクションに入ってくれました。Eチームの歌詞をサンプリングしている人もいれば、まったく違う歌詞に書き換えた人もいて、オリジナルと比較して聴いてもめっちゃ面白いと思います。「自分を愛そう」というメッセージが込められているのもポイントです。
KANON:「PIECES -STARGLOW Ver.-」はオーディションのファイナリスト10人で書いた曲で、思い入れの強い一曲です。それをSTARGLOWで歌うことで、今も一緒に切磋琢磨している他の5人のメンバーを思い出します。もしかしたら、10人でまた披露する日が来るかもしれないので、その時まで歌い繋いでいきたいと思います。
――では最後に、今、皆さんがグループとして超えなくてはいけないと思っている存在を教えてください。
GOICHI:自分自身!
全員:(頷く)
RUI:自分自身です。
TAIKI:俺も!
KANON:たしかに、的を得ているかもしれない。
ADAM:一生そうです、たぶん。僕はあまりほかのグループやアーティストと自分たちを比較して見ていなくて。もちろん、尊敬している方々はたくさんいるけれど、STARGLOWという唯一無二のグループをただただアップデートし続けたいな、と。みんなはどう?
TAIKI:俺もそう思う。どこまでも行きたいです。
GOICHI:昔想像していた自分像ってあるじゃないですか。たとえば、ドームでライブをしている姿とか。それを追い抜かなくちゃいけないと思っていて。想像している10年後の姿を、10年後に超えたいんです。想像している10年後の姿になっても、なっただけ。
KANON:素晴らしい!
TAIKI:間違いない!
(取材・文=高橋梓)
