年単位待ちはなくなったものの受注停止の車種もチラホラ! 新車の納期最新情報

この記事をまとめると
■クルマの納期は長期化が常態化したが最近は改善傾向も見えはじめている
■トヨタを中心に受注停止と再開を繰り返して納期を調整する販売手法が定着している
■趣味性の高い車種は需給の波が激しく転売や投機には向かない
納期の裏にある需給構造
クルマの納期(販売店で注文してから納車されるまでの期間)は、一般的には1カ月半から3カ月だ。在庫車など納期が短い車両は、3週間程度で納車できることもある。その一方で納期が6カ月を超えると長い部類に入る。以前は6カ月以上の車種は少なかったが、いまは珍しくない。
納期が遅延した結果、受注を停止させる車種も増えた。受注に生産が追い付かない状態を放置すると、納期が無制限に延びるから、受注を停止させるのだ。受注を停止させている車種はSUVに多い。スズキジムニーノマドは、発表から4日間で約5万台を受注して(発表前の予約受注はほとんど行っていない)、慌てて受注を止めた。約1年間にわたり受注が止まり、2026年1月30日に再開する予定だ。

トヨタでは、ランドクルーザー70/250/300の受注が長期間に渡り止まっている。定額制カーリースのKINTOでは受け付けているが、契約期間を終えたら車両を必ず返却するため、自分で所有する購入はできない。ちなみにトヨタの販売店に尋ねると「シエンタ、ノア&ヴォクシー、アルファード&ヴェルファイア、ヤリスクロスなどは、受注が時々停止して、そのあとに再開することが多い」という。
最近のトヨタの売り方を見ると、納期が半年前後まで遅延すると受注を一度止めて、登録と納車だけを行う。この後、数カ月を経ると受注を再開する。再開した段階では、納期が2カ月程度に縮まっている。その後、受注を続けると納期も次第に延びていき、半年前後に達するとふたたび受注を停止する。この繰り返しだ。

以上のように、トヨタを筆頭に受注を停止させたり納期を遅らせている車種は多いが、以前に比べると減ってきた。たとえばトヨタの場合、以前のアルファード&ヴェルファイアは、長期間に渡り受注を止めていたが、最近は契約が可能になった。販売店では「アルファードやヴェルファイアも、時々受注が止まるが、以前と違って長期化はしない。従ってチャンスを逃さなければ契約できる」という。先に挙げたノア&ヴォクシーなども、時々受注を止めるが、数カ月後には購入が可能になる。
趣味性の高いクルマは事情が異なる
日産ではフェアレディZが、以前は長期間にわたり受注を停止していたが、いまは普通に購入できる。販売店によると「納期は長くても5カ月程度」という。
ホンダ・シビックタイプRは、以前は受注停止が続いたが、特別仕様車として100万円以上高い617万9800円のレーシングブラックパッケージを追加して、受注を再開した。ホンダの販売店では「シビックタイプRの納期は不安定で、今後の動向もわからない」というが、レーシングブラックパッケージは、価格が高いこともあって受注の完全停止には至っていない。一方、価格が割安な499万7300円の標準グレードは、いまでも受注を止めたままだ。

なおフェアレディZ、シビックタイプR、ランドクルーザーシリーズのような趣味性の強い車種は、発売されると一気に受注台数を増やす。実用性で選ばれる軽自動車などと違って、購買意欲が急激に高まり、愛車の車検期間にかかわらず購入しようとするからだ。「いま使っているクルマの車検期間が満了したら乗り替える」という判断にならず、受注台数も急増する。
しかも趣味性の強い車種は、発売して1年も経過すれば、ほしい人には行きわたって売れ行きを下げる。発売前に設定する生産計画台数も控え目だから、発売直後でも日本国内で納車される台数は多くない。そのために納期が長引いて受注停止に至ってしまう。

この需給バランスの不均衡に注目して、購入直後の転売と中古車価格の高騰が生じることがある。ただしクルマを投機の対象にするのは危険だ。前述のとおり発売直後の受注が旺盛で、納期の遅延や受注停止が発生しても、行き渡ると納期が急に短縮されてプレミア価格の中古車を買う必要はなくなる。たとえばフェアレディZは、一時は中古車価格が高騰したが、その後に受注が正常化すると急落した。クルマを投機の対象にするのは避けたほうが無難だ。
