『タートル』(手前から時計回りに)生青椒肉絲 1408円 薬膳スパイスを効かせたラム肉のコクに生ピーマンのみずみずしさがマッチ、タートルオリジナル焼酎 748円、唐墨春雨 1518円 春雨に和えたネギ油の青い香りとカラスミのコクが合わさり、すっきりとした味わいのオリジナル焼酎が進む

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焼酎が盛り上がりを見せている!?ならば特集しようと始まった今回の企画。焼酎にこだわる居酒屋やバーなどを担当したライター菜々山、岡本、肥田木、主に鹿児島の蔵取材に走り回った池田、そして編集戎&甲類も担当した武内が感じた焼酎の“現在地”は?その人気と魅力を座談会でアツく語る!

ついに本格的な焼酎ブーム到来!?

肥「焼酎、最近キテるよね。2000年代のいわゆる第3次焼酎ブームでは芋らしいどっしりした味が主流だったけど、数年前からフルーティ系が注目されて、新しい楽しみ方を提案するカジュアルな店がぐっと増えてきた」

戎「そう、『タートル』とか若い人が多くて、みなさん焼酎ソーダ割りを楽しんでましたよ。芋焼酎『フラミンゴオレンジ』など華やかなフレーバー系の台頭が大きいと思う。ハイボールブーム→レモンサワーなど炭酸で飲む流れがついに本格焼酎に!!」

『タートル』生青椒肉絲1408円、タートルオリジナル焼酎748円、唐墨春雨1518円

『タートル』(手前から時計回りに)生青椒肉絲 1408円 薬膳スパイスを効かせたラム肉のコクに生ピーマンのみずみずしさがマッチ、タートルオリジナル焼酎 748円、唐墨春雨 1518円 春雨に和えたネギ油の青い香りとカラスミのコクが合わさり、すっきりとした味わいのオリジナル焼酎が進む

池「香り系勃興のきっかけは確かに『フラミンゴオレンジ』と思うが、さらに遡るとそれらの流れとは別にいろんな種類の芋を使い、そのフレーバーを活かすようになったところからかな。昔は白(黄金千貫)が圧倒的だったけど、今や紅や紫と各種あって、そのブレンドも含めてそれぞれ個性を引き出してる。昔からの老舗蔵、昔からの飲み手、双方においてすっかりソーダ割り等を意識したもの、香り系の焼酎が定着したよね」

菜「おお、さすがお酒全般に詳しい池さん。焼酎って和洋中どんな料理にも合うのがいいよね。濃さを自分で調節できるところもいい。ストレートなら食後酒になるし、ソーダで割ったらビール替わりにゴクゴクいける。同じお酒でも割り方で味わいが変わるから楽しみ方の幅が広がる」

岡「そうなの!私も『くらげ』で炭酸違い(ガス圧)で味が変わるのを知ってなるほどなぁと思った。飲み方のバリエーションをいろいろ見直してみると面白い」

『Barくらげ』自家製コーヒー焼酎800円、焼酎ハイボール800円〜

『Barくらげ』(左)自家製コーヒー焼酎 800円 (右)焼酎ハイボール  800円〜 エチオピア産の深煎りコーヒー豆を漬け込んだ「長雲」ロック。ミルクで割ってもおいしい。焼酎ハイボールのベースは好みで変更できる

武「糖質・プリン体が基本的にゼロというのもヘルシーで、人気の追い風になっているのかもしれませんね」

戎「てことで特集は焼酎のカジュアルな楽しみ方→変わったペアリング→バーでディープ&多様な味わい方と少しずつ難易度を上げていく、沼るような構成にしてます」

肥「あらま、ただ酔っ払ってるだけじゃなくてちゃんと考えて編集してるんだ(笑)。確かに私、今まんまと焼酎に沼りそうになってるわ」

岡「うん、実は私も普段は日本酒寄りなので、焼酎はおいしいけれど3杯目から飽きてしまうタイプだったんだけど……今回は粕取焼酎のハイボールにハマった〜♪」

武「岡本さんのように、みなさんが新たに気づいた焼酎の魅力や再認識した良さは?」

菜「『青ヶ島屋』で青酎を初めて飲んでみたんだけど、これがめちゃくちゃ面白い。造り手(杜氏)によって全く違って、オーセンティックな芋焼酎もあれば洋酒のような味わいもあり、飲み比べが楽しかった。今一番行きたい旅行先は青ヶ島に決定!」

『青ヶ島屋』直子ソーダ860円、八丈島産くさや1680円、明日葉の天ぷら970円

『青ヶ島屋』(左手前)直子ソーダ 860円 匂いは強いが凝縮した旨みがクセになる。直子さんが醸す酒はフレッシュな香りが立つ (中央)八丈島産くさや 1680円 (奥)明日葉の天ぷら 970円 青ヶ島産でえぐみも少なく香りも爽やか

池「今はクラフト的な小ロットの丁寧な造りもいろいろ出てきて楽しいね。味わいでいえば『CHILLGREEN』のようなボタニカル系も今後さらに増えそうな予感」

戎「僕が焼酎に開眼したのはソーダ割りなんですが、今回はそれ以外の楽しみ方に気付かされました。『うつつ』で『八幡ろかせず』をストレートで試した時、芋の味わいをしっかり感じて焼酎自体のおいしさを再認識。あ、この店、食べログにも載ってなかったんですよ」

岡「へえ、よく見つけたね」

戎「でしょ?1時間以上焼酎を求めて歩き続けた路地で発見。それが大当たり。店主さんの博識ぶり、プレゼンテーションが最高!」

肥「博識なら『だけん』と『秘蔵』は外せない。『だけん』はあの『フラミンゴオレンジ』の開発のきっかけになったらしい。蔵元の社長が店に飲みに来た時、店主との会話をヒントに味の方向性を思い付いたんだって」

『焼酎ダイニングだけん』武者返し燗ロック680円、熊本直送馬刺し赤身1000円、だけん特撰南蛮からあげ900円

『焼酎ダイニング だけん』(手前から)武者返し燗ロック 680円、熊本直送馬刺し 赤身 1000円、だけん特撰 南蛮からあげ 900円 武者返しの燗ロックは蔵元も推奨。器類もほぼ九州のもの

戎「それは行ってみたい!」

肥「1300種揃える『秘蔵』も圧巻。種類の豊富さ、バラエティ豊かな味、飲み方、ホント焼酎って奥が深い」

菜「黒糖焼酎の豊富さで驚愕したのは『がらり』。奄美大島が好きでよく旅してるけど、現地のどの居酒屋よりも揃えてる店だと思う」

戎「他にも『/DRAFT』ではカクテルとしてのポテンシャルの高さを知ったり」

岡「そんなモダンな味や飲み方もたくさん出てるけど、昔からの『朝日』とか優秀といわれてきた銘柄のバランスの良さも不変だと思うなあ」

戎「わかる。いわゆる焼酎らしい味をロックやストレートで飲んだときのおいしさも今回再確認。ああもう魅力が多過ぎて語りきれない!」

蔵探訪で感じた情熱と焼酎のこれから

池「盛り上がってるねえ(笑)。でもやっぱり現地の蔵取材は良かったよ〜。実際に訪れることで鹿児島の人の良さ、自然の豊かさを実感した!」

武「日本昔話に出てくるような山々と青い海、きれいな水……こんな雄大な自然の中で育まれた焼酎、そりゃ旨いでしょうと思いました」

肥「うん、東京で飲むよりさらにおいしく感じた。酒造りの背景や思いを知り、地元の食材と大らかな空気の中で味わうからなんだろうね」

池「蔵元の人々は皆明るく情熱的で、話し始めたら止まらない感じ。と同時に薩摩隼人気質&反骨精神でチャレンジしていくブレない芯の強さも感じた。例えば『中村酒造場』は石造りの麹室で手造りの米麹にこだわる蔵だけど、さらにその“手造り”の意味を突き詰めて加湿や温度管理まで電気的熱源を使わず、その制約の中で五感を大切にしてる。さらに驚くのは麹造りの種麹菌に自社の室付き麹を取り出して使うなどなど、ここにしかない“風景の見える酒”にトライしてる」

『中村酒造場』代表銘柄「なかむら」

『中村酒造場』代表銘柄『なかむら』以来25年ぶりの新銘柄となったAmaging Series。室付き麹・酵母無添加で、使用するサツマイモや水、蒸留など毎年テーマを変えながら、これまでにない新たな香りや味わいを引き出している

菜「いい取材だったんだね」

池「いやぁ改めて焼酎は進化してるね。家族経営の『高良酒造』の『八幡』とか昔ながらの方法で丁寧に造ってるから旨いんだという感動もあり、それは絶対に変わってほしくないけど、伝統を大事にしつつ新世代が意欲的に挑戦する姿が刺激的だった」

戎「そんな熱の入った取材は誌面を見てもらうとして!武内さん担当の甲類焼酎についてもひと言どうぞ〜」

武「乙類チームの話が尽きないから出番がないかと思いました(笑)。まあ甲類って極端にいえば無色透明・無味無臭(実際は少し甘いけど)が特徴。だから加えた液体の味わいにすることが容易で、バイス、梅、レモンなどなど、その数は加える液体の数だけあるから無限に近いのが魅力なんですよね。例えばコーラ+焼酎、カルピス+焼酎とかは暑い夏にぴったりだし!」

『もつ焼たいじ』梅割り420円、抹っ茶れ520円(シャリタカ+100円)、バイスサワー520円(シャリタカ+100円)、チューダー530円、葡萄割り420円

『もつ焼たいじ』(手前左から時計回りに)梅割り 420円、抹っ茶れ 520円(シャリタカ+100円)、バイスサワー 520円(シャリタカ+100円)、チューダー 530円、葡萄割り 420円 サイダーと割る「チューダー」は、あの「トキワ荘」発祥。「シャリタカ」は凍らせた宝焼酎。夏にぜひ!

岡「お茶割りにすれば和食とも相性抜群。気分や料理に合わせてピッタリのお酒を楽しめるってやっぱいいよね」

武「あまり焼酎を飲まない人なら、まず香り系の本格焼酎から入って、その味に慣れたらザ・王道など他の焼酎も試してみるといいかも。さらに甲類で自身好みのサワーや焼酎ハイボールを見つけてみて。きっとダメ人間……いえ、酒をこよなく愛する人になれているかと思います(笑)」

戎「とにかく今回は座談会でも語りきれないほど焼酎の魅力満載。興味を持ち始めた若い人にもぜひ特集を見て焼酎ライフを楽しんでほしいです!」

撮影/小島昇(タートル、青ヶ島屋)、貝塚隆(くらげ)、鵜澤昭彦(だけん、中村酒造場)、小澤晶子(たいじ)、取材/菜々山いく子(タートル、青ヶ島屋)、岡本ジュン(くらげ)、肥田木奈々(だけん)、浅沼ノア(中村酒造場)、本郷明美(たいじ)、文/肥田木奈々

『おとなの週末』2025年8月号

※月刊情報誌『おとなの週末』2025年8月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「本格焼酎と旨い料理の店3選! 通いたくなること間違いなし」では、米や黒糖、粕取と様々な種類の焼酎の世界への扉を開くのに最適なお店をレポートしています。

【画像】本格焼酎が楽しめるお店一覧(7枚)