「僕たちに野球を教えてください」涙の訴え 活動再開の熊本ゴールデンラークス 日本選手権を目指す
熊本市を拠点に活動する社会人野球チーム「熊本ゴールデンラークス」が、活動再開から2年目の今年、全国大会への出場を目指しています。復活に携わり、チームの底上げを図る副主将に密着しました。
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「鮮ど市場」社員 田中健吾さん(28)「鮮魚コーナーの本日のお買い得商品紹介させていただきますと、北海道産の生さんま、こちら1パック540円」
熊本市東区が本社のスーパーマーケットチェーン「鮮ど市場」の社員として魚をさばくのは、田中健吾さん(28)です。
田中さんは、鮮ど市場が運営する社会人野球の企業チーム「熊本ゴールデンラークス」の副主将兼アシスタントコーチです。
「ラークス」は2007年、全国の社会人野球のチームが日本一を争う日本選手権の九州地区予選で、創部2年目ながら優勝し、全国大会に初出場した歴史あるチームです。
しかし、2021年にプロ野球独立リーグ「火の国サラマンダーズ」が発足する際、双方のチームの合意を踏まえ、16人の選手が移籍して活動を休止しました。
僕たちに野球を教えてください 涙の訴え
田中さんはもともと会社が運営する別のクラブチームのメンバーで、「ラークス」解散後は残った選手たちとプレーしていました。
しかし、クラブチームは企業チームよりも野球に取り組める時間が短いと言われ、負け試合が続き辞める選手も続いたことで、「ラークスを復活させたい」という思いが強くなりました。
その時に頼ったのが「鮮ど市場」の社長。社長は「ラークス」時代の監督でした。
田中健吾副主将兼コーチ(28)「田中社長の家に連絡しないまま直接行き『勝ちたいので、野球を教えてください。もう一回グラウンドに来て、僕たちに野球を教えてください』と泣きながら話した」
田中敏弘社長(55)「最初に『相談がある』と言った時は何事かなと、かなり考えたけれど、彼の本気の顔つきと涙に、できるだけ応えてやりたいと思い、それがユニフォームを着るきっかけにもなった」
野球を通じて人材を確保したいという会社の考えとも合致して新たな選手も加入させ、去年2月に「ラークス」の活動が再開したのです。
湯船に右手の2本指は つけない そのワケは・・・
再開したチームで田中さんは最年長となり、試合に出場することは少なくなりましたが、去年11月からはバッティングピッチャーを担っています。
若い選手たちと向き合い、長打力の向上を図るためです。
田中健吾副主将兼コーチ(28)「打ってくれ、結果出してくれとの思いで一球一球投げている」
1日に平均で約800球、多い日には1200ほど投げています。
多くの球を投げることで指先には「まめ」ができていますが、その「まめ」にもこだわりを持っています。
田中健吾副主将兼コーチ(28)「ふやかさないために、湯船に右腕をつけるのはシーズン中しないようにしている。シャワーでも右手でもって左手で髪を洗う。ボールにかかってくれるというか、マメがあるのとないのとで僕は全然違う」
「すでに私の中ではMVP」
実は田中さん「本職」は内野手ですが…
瀬井裕紀内野手(26)「めちゃくちゃ打ちやすいし、バッターの状態によってコースを投げ分けてくれて、バッティングピッチャーとして最高の仕事をしてくれています」
以前は、選手が交代で務めていましたが、田中さんが「専任」となることで練習の効率も良くなりました。
田中敏弘監督「まだシーズン終わっていないけれど、すでに私の中ではMVP。比較できないけれど日本一のバッティングピッチャー」
こうして大会に向かうチーム。
いま掲げる目標は18年ぶりとなる「日本選手権本選」への出場です。
田中健吾副主将兼コーチ(28)「監督と一緒にその舞台に立ちたい。だから何が何でも勝ちたい」
今年の九州地区予選は熊本で開催され、ラークスはあさって(24日)山鹿市民球場で午前11時から沖縄電力との初戦を迎えます。
