母から聞かされた訃報


30年以上家族から虐待を受け続けた男性の夜逃げ。その現場を見た『夜逃げ屋』スタッフが語る「生きるための夜逃げ」

小学生だった自分は、習ったばかりの引き算で父が死ぬまでを計算することしかできなかった。

「お父さん死んじゃったんだって」そう母に聞かされたのは25歳の時だったという、漫画家のおうめ りゅうさん。突然の父の訃報に悲しみや動揺はなかったそうですが、幼い頃に苦しめられた「怪物」を忘れることはなかったといいます。

幼少期に受けた精神的虐待、母への暴力、親戚や友人にまで及んだ危害…。

怪物のようだった父との凄絶な日々と、そこから母と共に抜け出すまでを、当事者であるおうめさんが描いた実話コミックエッセイをお送りします。

母は内緒話のように


お父さん、死んじゃったんだって


思ったより早かったな


あの怪物を忘れることは無かった


18年前のこと


またお酒飲んでる…


買ったらまた暴れる…


暴れ出す父


僕たちは暴力の被害に…


ひどく惨めな気持ちになった


恐怖にじっと耐えることしか出来なかった


こんなことがいつまで続くのかな


著=おうめ りゅう/『死を願った父が亡くなった話』