湾岸戦争を生き延びたゲームボーイがニューヨークの任天堂ショップでの展示を終了

by Sean Hollister
ニューヨークの任天堂直営店「Nintendo New York」に展示されていた湾岸戦争でボロボロになったゲームボーイ、通称「Gulf War Game Boy(湾岸戦争ゲームボーイ)」が、2023年2月ごろに撤去されていたことが判明しました。
The Game Boy that survived the Gulf War has been removed from Nintendo New York - The Verge
https://www.theverge.com/2023/6/30/23780549/gulf-war-game-boy-nintendo-nyc
The Gulf War Game Boy has officially been retired from @NintendoNYC
After not seeing it on display for a while, I asked one of the workers about it. He told me it was returned to Nintendo’s headquarters in Redmond Washington. pic.twitter.com/wCPJDa3vlp— VideoGameArt&Tidbits (@VGArtAndTidbits) June 29, 2023
展示が終了した正確な時期は不明ですが、YouTuberのエリオット・コル氏が2023年1月にNintendo New Yorkを訪れた時にはまだありました。その後、2月に店を再訪問し湾岸戦争ゲームボーイがなくなったことに気づいたコル氏に、従業員は「当分の間、保管のため本社に送り返さなくてはなりませんでした」と説明しています。
湾岸戦争ゲームボーイの展示が再開されない場合に備えて、IT系ニュースサイト・The Vergeの編集主任であるショーン・ホリスター氏が、2019年に私的にNintendo New Yorkを訪問して撮影した4K写真を公開しています。クリックすると大きい元の画像を見ることができます。

by Sean Hollister
展示されていたゲームボーイのディスプレイでは、テトリスのデモ画面が動いていました。

by Sean Hollister
横から見ると、本体の前面がほとんど焼けていることがわかります。

by Sean Hollister
一方、背面はほぼ無傷でした。

by Sean Hollister
このゲームボーイは、看護師として砂漠の嵐作戦に参加していたステファン・スコギンズ氏が所有していたものです。「爆撃を受けた」というエピソードが紹介されることがありますが、The Vergeがスコギンズ氏に連絡を取ったところ、正確には爆撃ではなく駐屯地で発生した火災でテントが焼けた時に損傷したものだとのこと。
スコギンズ氏は、火災で焼けた湾岸戦争ゲームボーイを新品と交換してもらうため、任天堂の情報誌・Nintendo Powerに送りました。
これを受け取ったNintendo Powerは特集の中で、「中東のステファンからゲームボーイを受け取ったとき、私たちはもうダメだろうと思った。本体の背面はまずまずの状態だったが、前面は火災の熱で焦げて溶けていたからだ。しかし、試しにテトリスのゲームカセットを入れて、バッテリーパックを接続し、電源スイッチを入れてみた。そして、独特の「ピコーン!」という音を聞いたとき、私たちにはとても信じられなかった!十字キーとAボタン、Bボタンは融解していたが、スタートボタンとセレクトボタンは完璧に動作した。ゲームボーイは想像以上にタフだ!」とつづっています。

スコギンズ氏によると、駐屯地付近で爆発があったのは事実だったものの、それはスコギンズ氏らとは関係がないとのこと。この爆発とテント火災が混同されて、「湾岸戦争ゲームボーイが爆撃を耐えた」というストーリーができたのではないかと、スコギンズ氏は考えています。
スコギンズ氏は近日中に湾岸戦争ゲームボーイのエピソードをさらに詳しく語る予定としています。また、任天堂の広報部は記事作成時点のところ湾岸戦争ゲームボーイについてのコメントを出していません。
