昨年7月に国軍が「漢光演習」の一環として台東・知本の海岸で実施した敵軍の上陸を想定した演習(中央社資料写真)

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(台北中央社)国防部(国防省)はこのほど、「全民防衛動員準備法」の改正案を公表した。戦時の動員体制下で偽情報を拡散した場合、3年以下の有期刑を科すなどの条文が盛り込まれた。

改正案では同法の適用範囲に、現行で明記されている「動員準備段階」の他、「動員実施段階」を新たに加え、法律の名称も現行から「準備」をなくした「全民防衛動員準備法」に変える。動員実施段階では、戦時や緊急事態において総統が憲法にのっとり緊急命令を発し、全国もしくは一部で動員を実施すると定めた。

同部は改正案について、動員実施段階における組織や権利、責任、任務に加え、動員体制下での物資の買い上げや徴用、罰則などについて明文化したと説明。動員準備段階と動員実施段階で任務の目的を達成するのが狙いだとした。

偽情報の拡散に関しては、動員実施時期において動員や物資の買い上げ、徴用に関する噂や偽情報を拡散し、公衆や他人に損害を与えた者には3年以下の有期刑や拘禁刑、または100万台湾元(約440万円)以下の罰金を科すと規定された。ラジオやテレビ、インターネットなどで偽情報を拡散した者にはさらに重い処罰を科す。

また、情報伝達に関する動員準備についても盛り込まれ、報道や偽情報への対応において、主務機関は出版社や報道機関などに対し調査や統計、人員配置などを実施するとし、地方自治体は政府に協力することが求められると記された。

▽一部メディア、言論統制の懸念を指摘

情報伝達に関する動員準備の条文が加えられたことを受け、一部メディアは言論統制の懸念があると指摘した。

同部は26日、報道資料を出し、戦時や緊急事態下で正確な情報を伝えるためには有効な規範が必要だと説明。改正案では動員の前後に分けて管理の仕方がそれぞれ規定されており、軍事的安全と作戦進行を維持するとともに、敵の認知戦の脅威に対抗し、国家の安全を確保する上で必要な措置だとの立場を示した。

改正案は21日に公表された。14日間、各界から意見を公募し、行政院(内閣)での審査を経て立法院(国会)に送られ審議される見通し。

(游凱翔/編集:楊千慧)