(左から)『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』で主演を務めた純烈・白川裕二郎さん、酒井一圭さん  (C)2022 東映ビデオ

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ムード歌謡グループ・純烈が世を忍ぶ仮の姿を持ち、皆の憩いの場である温泉施設を守るヒーロー・純烈ジャーとして温泉の平和を乱す悪と戦うシリーズ第2弾『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』が現在公開中だ。
前作に引き続きスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズを現在も手掛ける特撮研究所・佛田洋がメガホンをとり、ストーリー、スケールはさらにアップ! 巨大ロボ「銭湯巨神・純烈王」の登場、八代亜紀が ”女トラッカー” 役で登場するなど、すでに大きな話題を振りまいている。

前作以上にバラエティに富んだ内容を支えた純烈メンバーにして本作の主役である白川裕二郎さん、そしてリーダー酒井一圭さんに、本作制作の裏側をうかがった。

>>>『追い焚き☆御免』場面カット、酒井一圭さん&白川裕二郎さんの写真を見る(写真20点)

――昨年の取材の際には「続編ができると良いですね」という感じのお話でしたが……我々はすっかり騙されていたわけですね。

酒井 ハハハハ、あの時には決まっていたわけですよ! でもまだ言えないという状況でした。すみません!

――前作を踏まえて、お二人が本作に期待したことは何かありますか?

酒井 僕は制作者側の感覚での回答になるんですが、やっぱり監督の佛田(洋)さんですね。1作目で佛田さんの作り手としての素晴らしさ――歌謡映画ジャンルや特撮・東映作品への造詣の深みが理解できたので、次はどうなるんだろう、と思っていたんです。ところが、佛田さんとしては1作目にすべての要素をぶち込み過ぎて、「スッカラカンなんだけど、どうしよう?」という状態だったらしくて。

――すでに燃え尽きていた(笑)。

酒井 それでも『追い焚き☆御免』の試写を観た時「前作を越えたな」と思いましたからね。いや佛田組、凄いですよ!

――白川さんは昨年お話を伺った際、「2作目があればアクションを頑張りたい」とおっしゃっていました。

白川 はい。前作は肩を痛めていることもあって、アクション監督の竹田(道弘)さんにすごく気を遣わせてしまったんです。アクションを受けてくれる周りの方にも迷惑をかけてしまったので「今回は何とか!」と思い、肩も直して体も作り込んで臨んだので、そこはリベンジできたんじゃないかと。

――竹田さんとのやり取りの中で印象的なものはありましたか。

白川 『(忍風戦隊)ハリケンジャー』の時とは違って年も年なものですから、「裕二郎、これはできないよな?」「ここまではできるよな?」と確認を取り合ってアクションを作っていったことでしょうか。

――今回は白川さんが主役の物語になっていますが、これは最初から決まっていたんでしょうか。

酒井 いや、そんなことはないんですよ。製作サイドの中では脚本打ち合わせの段階で結構悩んだらしくて。でも、ある時期から「主役は白川でいこうか」みたいな感じになっていたんです。その頃はまだ小田井さんが(純烈を)辞めることがわかってないタイミングだったので……何だったら小田井さん主役のサヨナラ回にしても良かったのにね(笑)。

――公開のタイミング的にはその方が美味しい内容になっていたかもですね。

酒井 本当にそうなのよ、例えば二代目純ブルーの登場で終わる、みたいなね。でも、今回のストーリーもまったく予想がつかなかった。赤の女神と仲たがいがあって、若い赤の女神見習いが出てくるっていう……スタッフ、頭おかしいんちゃうかなって(笑)。めっちゃ面白かったですよね。

――白川さん自身は、今回のストーリーを知った時どう思われたんですか。

白川 僕は主役の玉じゃないんですよ。だからその話を聞いた時、一瞬お断りしようと思いました(笑)。いやー、勘弁してよって。

――いえいえ、ファンにとってはいろんな白川さんの表情を見ることができる嬉しい作品だと思いますよ。

白川 この作品は走るシーンが多いんですけれど、それが朝の7時くらいからの撮影でめちゃくちゃキツいんです! しかも、この年齢になるとお昼くらいにならないと目がパッチリ開かなくて、腫れぼったい細い目を開きながら走るのは大変でした。

酒井 朝の光も眩しいしね。

――走るとシャツがはだけて、白川さんの肉体美を堪能できるのがまた良いんですよ。

白川 はだけ過ぎちゃったので「もう1回」と言われたんですが、僕の表情が死に過ぎちゃってたんでしょうね、「……やっぱ、やめとこうか」とそのままOKになって(笑)。

――ファンの方には嬉しいジャッジじゃないかと思います! ストーリーでは白川さんとふせえりさん、長井短さんの三角関係が描かれますが、お二人との共演はいかがでしたか。

白川 ふせさんはどんな演技を投げても返してくれて、現場でとても引っ張っていただけました。そして短ちゃんは、すごく肝が据わっているんですよね。今回初めて共演させていただきましたが、何かね……「お酒飲んでるのかな?」って思ったんですよ。

――ええっ?

白川 常にハイテンションであんな喋りの演技なものですから心配だったんですけれど、試写を観て「ああ、こういうことか」と。目を惹く存在感がありますよね。

――他のゲストキャストに関してはいかがですか。

白川 本宮泰風さんに中村優一君、西銘駿君、そして八代亜紀さんが盛り上げて下さって。あと長澤奈央ちゃん。前作から出ている山本康平という『ハリケンジャー』メンバーとも20年の時を経てまた同じ作品で共演できたことから、すごくホッとできる現場になりましたね。

――それこそ竹田さんもいらっしゃるわけですしね。

白川 そうそう。それぞれの環境も変わったせいか、昔なら話せなかったようなことで盛り上がったり、楽しい時間を過ごせました。特に奈央ちゃんは、改めて会って「相変わらず綺麗だなぁ」と思ったりしましたしね。

――長澤さんは今回敵側ということで、二人のバトルシーンも印象的です。

白川 奈央ちゃんの顔にキズをつけないようにすごく気を遣いました。剣殺陣でアクションする時、剣先が奈央ちゃんの顔に向くとドキッとしたりしましたし。

(C)2022 東映ビデオ

――「銭湯巨神・純烈王」という巨大ロボットが登場するのも大きな見どころですね。

酒井 1作目の時に僕と佛田さんの間で「健康ランドの建物がパカンと割れて、『(太陽戦隊)サンバルカン』みたいに戦艦が出てくるみたいなの、どうですか?」「いいねー!」みたいなやり取りが合ったんですね。結局戦闘機が出てきて、あれで僕自身は大満足だったんですけれど、今回「ロボ、どう?」って言われて。

――そんなカジュアルな感じで(笑)。

酒井 野中(剛)さんのイケメンロボのデザインも良かったし、さらにスーツの完成品を見た時は感動しましたから、僕らはこれに相応しい音楽を作らないとな、と。そこからの作業は楽しかったですね。東京お台場大江戸温泉物語から登場するということで「和の音でいこうじゃないか」と音楽チームと相談して出来た曲を佛田さんに投げて、佛田さんはその曲を基にして場面を作り上げていってくれて。

――まさに音楽と映像のコラボレーションになったと。

酒井 本編のミュージカルシーンもそうですよね。映画音楽としての歌謡曲を物語と一緒に作っていくっていうのは『純烈ジャー』ならではの格別な面白さで、今後も続けていきたいと思う大きな要素です。

――おっしゃるとおりで、今回のバトルシーンは楽曲とのリンクを強く感じる演出になっていました。

酒井 あれはアクション監督の竹田さんですね。動ける白川をメインにした大立ち回りをやるにあたり、4人それぞれが戦う場面で全部違うリズムにしたいって言われたんですよ。そんな曲、誰に頼めばいいんだと思った時、ひらめいたのが岩崎(貴文)君です。前作の「勇気のペンライト」の時も、電話でシチュエーションの説明や曲のイメージを伝えたら「(曲が)できたかも」って言って、本当に2日後くらいに上がってきたんですよ。
で、今回もそんな無理難題を押し付けたらバッチリの楽曲が仕上がって来たんです。そしたら、曲を聴いた竹田さんが「あと2秒縮めてくれ!」って。

――曲の長さをですか!?

酒井 竹田さんの中にはもうカット割りのイメージができてたんでしょうね。それを岩崎君にいったらちゃんと2秒カットしてくれた。そんな二人の天才の橋渡しが、本当に面白かったです。

――そのこだわりを感じさせる、これまで観たことのないバトルシーンだったと思います。

酒井 竹田さんは最初から狙ってたみたいですよ。「ミュージカルみたいに戦いを楽しくするんだよ、カッ、カッ、カーって感じで!」って。

白川 「カッ、カッ、カッ」ってよく言いますよね、竹田さん(笑)。

酒井 「カッ、カッ、カッでわかるだろ!」「わかるかい!」って(笑)。でも観たら本当に面白かった!

――楽曲に関して、他にこだわった部分はありましたか?

酒井 まず先に言っておきますと、前作で影山ヒロノブさんにわざわざ作っていただいた主題歌『NEW (入浴)YORK』が今回1回もかからないという。いや、でも主題歌なのは間違いないですから!

今回こだわったのはOPですね。前作は制作が急遽決まったことから、本来入れるはずの新曲『君がそばにいるから』が間に合わなくて『愛をください〜Don't you cry〜』から始まったんですね。なので、今年はいつもより前倒しのスケジュールで幸耕平さんに作業を進めていただいて『君を奪い去りたい』を入れられたんです。

で、EDはカップリング『来た道行く道』。作詞は『残酷な天使のテーゼ』の及川眠子さんなんですが、実は6人時代のキャバレー営業していた頃の純烈を観に来てくれていたんですよ。その時に「いつか僕たちにも詞を書いてください!」とお願いしていたんですが、今回遂に夢が叶って。

――またしても、いろんな思いが重なって生まれた作品なんですね。

酒井 そうなの、そうなの。頑張っていればいいことあるよな、ということを本作で改めて感じましたね。

――八代亜紀さんの出演に関しても、酒井さんのこだわりだったんですか。

酒井 これは佛田さんの悲願ですね。八代さんがかつて演じた『トラック野郎(度胸一番星)』の女トラッカーとして出てもらいたい、という佛田さんの熱いオファーを八代さんに快諾して頂いたというわけです。
佛田さんは東映のアーカイブに基づいて、歌だけじゃない別の見せ場をキチンと作るところが凄いと思いますね。この作品でも、いろんな遊びを入れて来ていますから。

――では最後に、撮影時の印象的なエピソードなどありましたらお教えいただけますか。

白川 スーパー銭湯で撮影していた時、ふせえりさんが施設内に設置されたガチャガチャの前にいたのを見かけたので「ふせさん、何してるんですか」と声をかけたらビクッ!として。その時、コロコロっと出て来たカプセルの中にBTSのキーホルダーが入ってたんですね。そしたらふせさん、「違うの、別に好きじゃないんだけれど!」って言い始めて。いや、携帯を見たらBTSのキーホルダーがいっぱいついているし、そもそも好きじゃなかったら回さないだろうって。

酒井 「純烈、ゴメンね……」の気持ちだったのかな(笑)。

――ハハハハ、今回の映画に似たようなシチュエーションがありましたよ!

白川 図らずもリンクしてしまいました(笑)。

酒井 僕は、温泉の女神たち4人が「久しぶり〜♡」って挨拶して現場を楽しんでいる様子が印象的でしたね。それが純烈のコンサートに集まるマダムたちの姿と重なって見えたんですよ。純烈の現場と同じように、純烈ジャーの現場でもキャストやスタッフにとっての楽しい雰囲気が作れているんだなって。オーガナイザーの立場としてはそれが一番嬉しいですし、「今回もやってよかったな」って思えましたから。

(C)2022 東映ビデオ