プロパイロットとは?

日産 アリア プロパイロット2.0 走行イメージ

プロパイロットは高速道路での使用を目的とする運転支援技術です。プロパイロットの名称は日産独自のもので、2016年に登場しました。

プロパイロットは高速道路での運用を前提として搭載されています。つまり、一般道(下道)では使用しない(できない)のが前提です。

プロパイロットの機能

日産 スカイライン プロパイロット2.0 走行イメージ

プロパイロットは次の3つの運転支援を行うことができます。

■速度維持

プロパイロットがアクセル操作を運転手の代わって行います。ただし、自由な速度域で走行できるわけではなく、時速30~100kmの間に速度を速度を設定し、それに従って速度を維持する仕組みです。

■追従・停止・停止保持

前を走る車両の動きに合わせて走行することができます。例えば、先行車が走行していればそれに追従します。停止した際にはブレーキをかけて減速・停止するのに加え、運転手がブレーキペダルを踏まなくても停止状態が保持されます。そして、先行車が発進した時には専用のスイッチを押すことで発進します(アクセルペダルを踏むことでも発進可能)。

■ステアリング制御

プロパイロットはステアリング制御を行いますが、運転手がステアリングを常に握っていることが前提条件です。

プロパイロットで走行中にステアリングから10秒以上手を離すと警告音が鳴るようになっているので、プロパイロット中も運転手自らがステアリングを握ることが前提です。しかし、先行車がいる場合、及び車速が時速10km以下の場合に限り、手放し運転が可能となるので、例えば高速道路での渋滞でストップアンドゴーを繰り返す際の疲労軽減が期待されます。

■【まとめ】プロパイロットが具体的にできること

高速道路にてプロパイロットで具体的にできることをまとめると、次のようになります。

アクセルペダルを自ら操作しなくても設定した速度を維持して同一車線を走ることができる

システム支援により車線の中央付近を安定して走行する。 前走車との車間距離を一定に保ちながら走行することに加え、渋滞などによる前走車の減速・停止に対応してシステムが減速・停止を行う。

プロパイロットの種類

■プロパイロット1.0

プロパイロットは2016年に伊勢志摩で開催されたG7サミットで公開されました。その後、同年8月に発売された新型セレナに搭載されています。この時に登場したプロパイロットは「プロパイロット1.0」と呼ばれています。

■プロパイロット2.0

2019年に発表されたのがプロパイロット2.0です。同年に発表された新型スカイラインに搭載され話題を集めました。

プロパイロット2.0も同様に高速道路での使用を前提とする運転支援技術ですが、ナビ連動ルート走行とハンズオフ機能を持つ点でプロパイロット1.0と差別化が図られています。また、システムが車線変更(追い越し)を運転手へ提案する機能も搭載されています。

プロパイロットで自動運転はできる?

©06photo/stock.adobe.com

■完全自動運転はできない

運転手の運転操作の一部を代わりに担うことを踏まえると、プロパイロットは自動運転と呼ぶことができます。

しかし、プロパイロットは高速道路上でのみ機能するものですから、運転手を必要としない完全な(無人の)自動運転を行うことはできず、その意味では自動運転をできないことも明らかです。

現状のプロパイロットでは完全自動運転に対応していないことになります。

■「特定の条件下でのみ」の、自動運転レベル2に該当

自動運転は、運転支援技術の内容によってレベル1からレベル5に分類されています。

このうち、あらゆる場面で運転手が一切介入する必要のない(文字通りの)自動運転はレベル5に該当します。レベル4は特定条件下でシステムが運転を全て担う自動運転、レベル3は運転手がシステムからの要請に応じて運転に介入しなければならない自動運転です。

レベル2は自動ブレーキ、ACC(オート・クルーズ・コントロール)、LKAS(レーン・キープ・アシスト)を組み合わせて特定の条件下で自動運転を行うもの、そしてレベル1は車両の前後・左右のどちらかの車両制御(つまり先の3つの機能のうちどれか)を行うものを指し示します。

自動運転はこのように種類わけされていますが、理屈を突き詰めればレベル1を達成しているものを「自動運転」と見なすことは適切です。しかし、「人間を運転操作から完全に解放するかどうか」に焦点を当てると、レベル4とレベル5を自動運転と考えることになります。

これまでに紹介したプロパイロットの特徴・仕組みをまとめると、これは自動運転レベル2に該当する自動運転技術ということがわかります。

プロパイロット2.0もレベル2に該当しますが、一定条件下でのハンズオフ運転が可能な点を踏まえると、プロパイロットよりも私たちが一般的に考える(想像する)「自動運転」により近いと言えるでしょう。

プロパイロットの注意点

日産 プロパイロット2.0 ハンズオフドライブ機能のイメージ画像

■プロパイロット1.0ではハンズオフ運転ができない

プロパイロットは、必ずしもハンズオフ(手放し)の運転に対応しているわけではありません。ハンズオフ運転ができるのはスカイラインとアリアに用意されているプロパイロット2.0のみとなっています。プロパイロット1.0は先で紹介したステアリング支援システムが搭載されていますが、プロパイロット使用時でも必ずステアリングを握っていなければなりません。

■悪天候時に適切に機能しない可能性も

悪天候時や路面コンディションが悪い時にはプロパイロットが機能しない場合があります。プロパイロットを確実に機能させるためにも、天候や走行路面が良い時に使うようにしましょう。

■必ずしも標準装備ではない

プロパイロットが用意されている車種は増えてきましたが、標準装備あるいはメーカーオプションとなっているのが現状です。グレードによってはオプションどころから装備不可な場合もあるので、見積もり・購入時には必ず確認しましょう。

特に、ベースグレード車(装備が最も少なくて価格の安いグレード)は装備すること自体が不可能となっているケースもあるので、気をつけてください。

プロパイロットが搭載されている車種

■プロパイロットの搭載車種

リーフ(100%電気自動車) アリア(100%電気自動車) オーラ(e-POWER) ノート(e-POWER) セレナ(ガソリン / e-POWER) ルークス デイズ エクストレイル キックス

■プロパイロット2.0の搭載車種

アリア スカイライン

■GT-R、フーガ、シーマには非搭載

これらの車種を日産のカーラインナップ全体と照らし合わせると、軽自動車から普通乗用車にいたるまで、ほぼ全ての乗用車にプロパイロットが用意されていることがわかります。

プロパイロットが搭載されていないのは、GT-R、フーガ、シーマの3車種のみです(乗用車の場合)。

世界で初めてプロパイロットが公開されてからおよそ6年が経過しました。プロパイロットが搭載された車種のラインナップも増加や、プロパイロット2.0の登場など、プロパイロットが今後も拡大するのは確実でしょう。

新たな機能を搭載するプロパイロットの発表や、プロパイロット搭載商用車の登場などがいつになるのか、楽しみなところです。