Twitterフォロワー48万人。公式チャンネルは19万人。オンラインサロンも開設。ネット配信番組やバラエティ番組に出演。著書も数冊出版し、性に関する疑問・問題点に対する答えや考えを発信している。ここまで表立った活動をし、支持されるAV男優がいまだかつていただろうか。人気女性ブロガー・はあちゅうとの間に昨年、第一子となる長男が誕生。男女の仲研究家を目指すしみけんに、現在の活躍に対する心境を聞いた。

 日本のみならず、韓国でも事業を展開するなど、才能を生かしマルチに活躍をしているしみけん。しかししみけんは「男優としての経験から学んだ性についての知識を発信できるのは嬉しいことですが、僕はあくまでも地べたを這いつくばる人間。いまだにクレジットカードの審査は落ちるし、不動産の賃貸審査も通りません。職業差別のようなものはいたるところで感じますが、現段階ではそれも仕方がない。それがなくなってきたら、自分の啓蒙活動も浸透したのかなと思えます」とまだまだ途上だと受け止めている。

 男優業が実父に知られたのは、30代前半の頃。「お正月に親父から電話があって、出たらいきなり『貴様!』と怒鳴られました。怒る気持ちもわかるけれど、僕は中途半端な気持ちではやっていなかったし、悪いことをしているわけでもない。必要とされているし、使命感もあった。親父は、納得はしていないけれど僕の本気度は理解してくれたようで。以来仕事について親父から聞いてくることはありませんが、先日も一緒に食事をしました」と今では良好な関係にある。

 業界歴23年のベテラン。一番の変化は出演する女優たちの背景だ。あのスティーブ・ジョブズが大きく関係しているという。「一昔前は人生を背負って入ってくるような女性が多かったけれど、今は性に対する興味と探求心を持って入ってくる女性が多い。理由はSNS。僕は『スティーブ・ジョブズが性の意識を変えた』と言っています。iPhoneの発売以前、性の世界は暖簾の奥に隠されていました。しかし今では性に関するあらゆるものがスマホで見ることができる。だから興味が湧いて、自分も…となる」。IT化の波が敷居を低くした要因だと分析する。

 ハードルは下げられた。しかしそれが性知識の正しさに繋がっているわけではない。「SNSの発達によって様々な性の疑問について尋ねやすい状況にはなりましたが、正しい答えと同様に間違った答えも与えられがち。SNSを通じて寄せられる性の悩みは、セックスレス、性病、相手の気持ちがわからないなど、今も昔もまったく変わらない」と性に対する長きタブー視の弊害を嘆く。

 しみけんが性教育で実践しているのは、隠さないこと。「将来的に自分の子供が性について興味を持ち僕に質問をしてきたら、言葉に窮することなく正しい知識をそのまま素直に伝えたい。なぜならば子供は隠すと見たがり、探そうとする。経験値も知識もない子供が探そうとすると、ろくな探し方をしない。まずは親が正しく教えることが大切」と実感を込める。

 しみけんは、9月18日より配信されたABEMAオリジナル連続ドラマ『17.3 about a sex』と連動した特別番組「誰も教えてくれないけど、本当は知りたいセックスのこと!バービーとウチらの『17.3 about a sex』~特別版~」の第3話ゲストとして出演。ドラマを視聴し、「かみさんと妊活して思ったのは、すべてのリスクは女性が負っているということ。男は単に種付けするだけ。男性は女性の100倍くらい性について勉強するべきだし、正しい知識を持っている男は頼りがいがあってカッコいいと思う。ドラマは高校生が主人公だけれど、性別に関係なく全年代必見。性についてみんなで話し合うきっかけになれば」と感銘を受けている。

テキスト:石井隼人
写真:mayuko yamaguchi