日々の買い物を漫然と行ってはいないだろうか。少し意識するだけで、その支出はポイントという“財産”となって返ってくる。手間をかけず、スマートにポイントを貯める方法を専門家に聞いた。

※本稿は、「プレジデント」(9月27日発売号)の記事を再編集したものです。還元率などは掲載後に変更となっている恐れがあります。

写真=iStock.com/Kritchanut
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■収入が多い人ほど「ポイ活」に熱心

「年収の高い人ほど、ポイントを意識して貯めている印象があります。使う額が多いほど得られるリターンも大きくなるからでしょう」

と話すのは、ポイント還元情報に詳しいポイ探代表の菊地崇仁氏だ。

ポイント還元といえば、クレジットカード(クレカ)の利用額や買い物の一定割合をポイントとして受けとるのが一般的だが、ポイントが貯まるシーンはどんどん拡大している。来店するだけ、サイトを経由するだけ、電車に乗るだけなど、生活シーンのいたるところで貯めるチャンスは増えているのだ。

ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏は、「継続的な固定支出や大きな買い物、よく行くお店で貯められれば、年間10万円分ぐらいは得できる」と話す。

とはいえ、何をどうすれば一番得かを比較したり考えるのは面倒なものだ。風呂内氏は、「お得を追求しすぎると手間や時間をとられるので、『おおむね得できればOK』と割り切るのがオススメです」とアドバイスする。一方、菊地氏は、「ポイント付与がなく、請求時に1%の割引を受けられるP−oneカード〈standard〉もシンプルで使いやすい」と勧める。ポイントを貯めるのが苦手な人には特にオススメだ。

■ポイントを1つか2つに絞るのがコツ

「ポイント初心者」がまず意識したいのは、いわゆる「4大共通ポイント」の中から貯めやすいものを1〜2種に絞ることだ。4大共通ポイントとは、楽天スーパーポイント、Tポイント、Pontaポイント、dポイントで、どれも1ポイント1円相当の価値がある。

それぞれ、ECサイトや加盟店でポイントを貯めたり使えるので、自分がよく利用する店舗が採用しているポイントを選ぼう。その際は「貯めやすさより、貯めたポイントの使いやすさを意識することが大切」(菊地氏)だという。せっかくポイントを貯めても、有効期限内に使えず失効させてしまっては意味がないし、事業者の都合で利用条件が変わる可能性もあるので、こまめに使ったほうがいいということだ。

余裕があれば、それぞれのポイントが貯まりやすいクレカを使えばさらに効率的だ。最近急速に普及しているスマホ決済でも共通ポイントを貯めやすいものがあるので、こうしたサービスを利用するという手もある。

■スマホ決済なら70%還元も!

お得な還元を受けられる新しい決済手段として注目したいのが、スマホ決済だ。クレカと電子マネーに続く新しいキャッシュレス決済で、LINE、PayPay、楽天などがサービスを展開している。各社はシェア獲得を目指して採算度外視の還元合戦を繰り広げているので、お得度は高い。通常の還元率は0.5〜3%程度だが、店舗や期間限定で20%還元や半額、70%還元といった破格のキャンペーンも実施される。

▼見落とし注意! 意外な「還元スポット」

■税金・公共料金

クレカよりコンビニがお得なことも

電気代や水道代などの光熱費や国民年金を口座振替にしているなら、クレカ払いに変更したい。ただし、口座振替限定の割引があるものが多いので、どちらがお得かは確認を。「東京都の水道代は口座振替で50円の割引があるので、水道代が月5000円を超えていれば還元率が1%のクレカ払いが得になります」(風呂内氏)

国民年金は2年前納にすると口座振替なら1万5760円、クレカなら1万4520円の割引を受けられる。1240円の差があるが、1%還元なら約3800円の還元を受けられるのでクレカ払いのほうがお得だ。

自動車税などの納税はクレカ払いが可能な地域もあるが、多くは決済手数料がかかる。東京都の場合、1万円の支払いで82円の手数料がかかるので、1%還元ならクレカがお得だが、金額によっては逆転することも。Yahoo!公金支払いに対応する場合もクレカ払いが可能になるが、こちらも決済手数料がかかることがあるので事前に確認したい。

一方、コンビニ払いなら手数料不要。セブン−イレブンでnanaco払いすれば、nanacoポイントはつかないが、nanacoチャージでポイントがつくクレカを利用すれば還元を受けられる。リクルートカードは1.2%のPontaポイント還元でnanacoチャージが可能(月3万円が上限)。

■交通・運輸

乗るだけで勝手に貯まる!

「JRに乗車することが多いなら、SuicaとビューカードのW使いがお得」と菊地氏は言う。オートチャージで1.5%の還元を受けられるうえ、貯まったポイントはSuicaにチャージできる。2019年10月1日からは乗るだけで貯まるサービスもスタート。モバイルSuicaの還元率はカードの4倍なのでSuicaはアプリに乗りかえたい。

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地下鉄派なら乗車で貯まるメトロポイントを。還元率を重視するなら東京メトロ公式クレカがお得だが、PASMOだけでもメトロポイントクラブに入会すれば、1日3ポイント(休日はプラス4ポイント)貯まり、PASMOにチャージが可能だ。

荷物を送るなら、コンビニに持ち込んでクレカ払いにするのがシンプル。Tポイントなど共通カードの提示も忘れずに。

ガソリンはエネオスで使えるキーホルダー型の決済ツール「エネキー」に注目。手持ちのクレカとTカードの紐づけが可能で、スピーディーに決済しながらポイントの2重どりが可能。

■投資

株と連動してポイントが増える!

4大共通ポイントは、ポイントを運用して増やす、ポイントで金融商品を購入する、金融商品の購入でポイントが付与されるといったサービスを提供している(例えば「楽天証券」「楽天ポイント運用」「Pontaポイント運用」「dポイント投資」「THEO+docomo」など)。また、TポイントはSBIネオモバイル証券やSBI証券で金融商品が購入できたり、購入手数料などに応じてTポイントが貯まるサービスをしている。

■住宅

ポイントが貯まる住宅ローンも

指定クレカのみの場合もあるが、家賃や初期費用をクレカ払いできる賃貸物件も増えてきた。ポータルサイトで物件検索の絞り込み条件にクレカ払い可を選ぼう。新生銀行ではTポイントが貯まる住宅ローンも。

■外食

カフェで休憩ついでにポイントも

スターバックス コーヒー、ドトールコーヒー、上島珈琲店、タリーズコーヒーといった主要なカフェチェーンを使う頻度が高いなら、プリペイドカードがお得だ。ドトールの場合、チャージ時に入金額の5%、利用時に1%のポイントが貯まるうえ、アプリもあるのでカードを持ち歩く必要がない。飲食店の予約はホットペッパーを使えばPontaポイントを貯められる。またガストなどすかいらーく系ファミレスやマクドナルド、はなまるうどんなど公式アプリのある飲食店は、アプリにお得なクーポンが配信されるのでチェックしておきたい。

■ふるさと納税

ポイントを使ってふるさと納税が可能

特産品をもらって節税できるだけでなく、クレカ払いポイントと、共通ポイントを2重どり可能。「楽天ふるさと納税」なら楽天スーパーポイントを使って支払いができ、ポイントも貯まる。「ふるまる」はTポイントが貯まる。

■銀行

給与の受け取りでポイントが貯まる

新生銀行は給与受け取りなど取引に応じてT、d、nanacoポイントのいずれかを付与。りそな銀行も貯めたポイントはT、楽天などの共通ポイントのほか、マイルにも交換可能。

■リサイクル

ペットボトルを出すとポイントがもらえる

イトーヨーカドーのペットボトル回収機に入れるとnanacoポイントが貯められる。イオンではペットボトルに加え、古紙や紙パック回収もWAONポイント付与の対象。

■医療費

高額療養費は後から払い戻す

クレカ払い可の医療機関や調剤薬局をフル活用。支払いを高額療養費の限度額内に抑えられる限度額適用認定証は便利だが、クレカ払いで後から払い戻しを受ければポイント分お得に。

■経由するだけで貯まる!

通販サイトを利用する際、特定のサイトを経由するだけでポイントが貯まるポイントサイトも活用しよう。サイトで貯めたポイントは共通ポイントやマイルに交換できる。通販だけでなく、クレカ申し込みや金融機関の口座開設、ふるさと納税サイトへの経由でも貯まる。主なポイントサイトにモッピー、ハピタス、げん玉、楽天Rebates(リーベイツ)など。

▼買い物で還元ポイントをガッツリもらおう

■コンビニ

チェックインアプリで5重どり!

コンビニは決済手段にかかわらず、提示するだけで貯まるポイントサービスに対応するところが多い。ローソンならPontaかdポイント、ファミリーマートはTポイント(19年11月からdと楽天を追加)カードを忘れずに提示したい(セブン‐イレブンは提示だけで貯まるポイントはない)。カードを持ち歩きたくない人にはアプリが便利だ。

決済もクレカや電子マネー、スマホ決済に対応しているのでポイントの多重どりも可能だ。

ローソンなら、店に行くだけでポイントが貯まる「楽天チェック」も併用したい。来店したらアプリを起動してチェックインすれば、楽天スーパーポイントが付与される。

来店したら「楽天チェック」アプリを起動しチェックイン。レジではPontaかdポイントカードを提示し、支払いはポイント還元があるクレカとKyashを紐づけたスマホ決済を利用しよう。

■ドラッグストア

ポイントアップデーを狙え

医薬品だけでなく日用品や食品までそろうドラッグストアは、最もポイントを貯めやすい業種のひとつ。店舗の独自ポイントと共通ポイントの2枚のカードを提示して、双方のポイントが貯められるチェーンも多いうえ、クレカや電子マネー、スマホ決済にも数多く対応するので3重どりも容易だ。通常時よりポイントが数倍になるポイントアップデーを実施する店舗も多く、前月の買い物金額に応じて還元率が上がったり、ボーナスポイントがつく商品も多い。

【マツモトキヨシ】
独自ポイントであるマツキヨポイントが1%、dポイントも1%、dカード払いなら3%の還元を受けられる。
【ツルハドラッグ】
独自のツルハグループポイントが医薬品と制度化粧品で1%還元、そのほかは0.5%。楽天ポイントカード提示でさらに0.5%還元。
【ココカラファイン】
独自のココカラポイントが1%還元。出産予定日か子ども情報の登録で子育て用品が、ペット情報登録でペット関連品のポイントUP。
【ウエルシア】
Tカード提示で1%還元。毎週月曜はポイント2倍、毎月20日は200ポイント以上のポイントを利用すると、1.5倍分の買い物ができる。
【トモズ】
独自のトモズポイントが1%還元、さらにPontaカード提示で0.5%還元が受けられ、両方の提示で1.5%の還元率となる。

■本

ヨドバシなら20%還元も

利用するネット書店はドラッグストア絞り込んだほうがポイントは貯めやすい。Amazonユーザーなら公式のゴールドカードで買うと2.5%還元を受けられる。楽天派なら楽天ブックスを利用すると楽天市場での買い物でも還元率が上がる。ヨドバシカメラは家電のイメージが強いが、本や雑誌も充実しており、ヨドバシポイントが3〜20%も還元される。日用品などの品ぞろえも充実しており、ポイントの使い道にも困らない。

【Amazon】
常時2.5%還元のAmazonゴールドカードがお得。年会費は1万円だがプライム会費が無料になり、リボ払い(月の支払額をカード限度額と同額に設定すれば一括払いと同じになる)とウェブ明細を設定すると、実質タダに。
【楽天ブックス】
楽天ポイントを集めているなら本はここで買いたい。楽天のサービス利用が増えるほど還元率が上がるSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象で、月1回1000円以上の買い物をすると、楽天市場の買い物の還元率が0.5%アップ。
【ヨドバシ.com】
家電量販店のイメージが強いが、通販サイトは書籍や雑誌のほか家電以外の品ぞろえも豊富で、ヨドバシポイントの還元率も高い。紙の書籍で3%、電子書籍では20%の還元がある。全国に配送料無料で、最短で購入当日に届く。

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菊地崇仁(きくち・たかひと)
ポイ探代表取締役
2006年からポイント交換案内サービス「ポイ探」を開発、11年より現職。ポイントの専門家としてお得情報を発信している。
 

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
ファイナンシャルプランナー
2013年に独立。メディアでなどでお金に関する情報を精力的に発信。近著に『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』。
 

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(ライター・ファイナンシャルプランナー 森田 悦子 写真=Getty Images)