超一流の料理人が、店舗に頼らない「出張シェフ」を選ぶのはなぜか

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[記事提供:食の専門家による出張料理サービス「シェアダイン」(https://sharedine.me/)]

ゴーストキッチン、ゴーストレストランの次は「出張シェフ」!


 プロの料理人やシェフを目指す人たちにとっては、「いつか自分の店を持つこと」が夢であり、長年にわたる修行の先にある目標のひとつでした。しかし、こうした既存の働き方に地殻変動が起きています。あえて「店舗に依存しない働き方」を選択する料理人やシェフが増えているのです。

飲食業界では外食市場の縮小が加速し、料理人やシェフの活躍する機会が減少する一方、新たなキッチン業態が登場しています。フードデリバリーに特化したゴーストキッチン、レストランの空き時間を貸与するゴーストレストラン、複数で共有するシェアキッチンなど、自分の店を持たなくても腕を振るうことができる環境が少しずつ整い始めたと言えるのではないでしょうか。

そうしたなか、今最も注目されているのが「シェフの出張料理」サービスです。これは一般家庭に出張して、個人宅のキッチンを利用して料理を振る舞うもの。食材の買い出し、調理、後片づけまで請け負ってくれるため、小さな子どもがいて店では落ち着いて食事ができないなどの事情を抱えた人たちにはまさにうってつけのサービスです。

こうした料理のプロと家庭をつなぐプラットフォームサービスも登場し、継続的にサービスを利用する人たちも増えています。

老舗の料亭や一流のレストランで修行し、あるいは海外の本場で腕を磨いてきた料理人やシェフが、出張料理という道を選ぶのはなぜでしょうか。実際に「出張シェフ」として活躍するお二人にお話をお伺いしたところ、店舗という形態では味わえない、料理人としての新たな生き方が浮かび上がってきました。

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孝太郎さんの場合:「料理人もフリーエージェントとして活躍する時代に」

一人目は、2年前から出張シェフとして複数のお客様のご家庭を定期的に訪問し、料理を提供している孝太郎さんです。

(プロフィール)

孝太郎さん

18歳の時に日本料理の世界に飛び込み勤め始める。25歳の時に上京。そのあと、家庭料理の素晴らしさに出会い、日本料理の技法や知識などを軸に、より親しみやすいお料理を日々考案中。

「料理人もフリーエージェントとして活躍する時代が来たのではないでしょうか」と語るのは、18歳で日本料理の世界に飛び込み、料亭や割烹、おばんざい料理など和食店の経験を重ねてきた孝太郎さん。修行を続けていずれは自分の店舗を持つのが目標かと思いきや、選んだのはフリーランスの出張シェフとして身を立てる道でした。

「あなたの作った料理を家でも食べられたらいいのにね」。馴染みのお客様からの一言で、ああ、自分のやりたいと思っていたことはこれなんだと確信したそうです。

複数の店舗で修行を重ねるうちに、不特定多数のお客様に対して、決められたメニューを提供する仕組みの中で「本当に美味しいものが作れるのか」という疑問を抱くようになっていた孝太郎さん。「少数の限られたお客様に、美味しいと思ってもらえる料理を提供したい」。そのために、店舗勤務ではない働き方ができないかと考えていました。

実際にお客様のご自宅に行って料理を作っているなかで、「一般家庭で料理を作ってあげたい料理人」と「自宅でプロに料理を作ってほしい一般家庭」をつなぐプラットフォームがあることを知ります。フリーランスでやっていくならば、その仕組みを利用してみようと思ったそうです。

出張シェフとしての活動を始めて驚いたのは、お客様と自分の目線が一緒だということ。「お客様はこういう料理を作ってほしいと思ってる。僕はそのために最高の料理を作りたいと思っている」。食べる側、作る側が料理を真ん中に置いて同じ目線に立っている。その状況が「すごく楽しんです」と孝太郎さんは話します。

実際に孝太郎さんが作るのは、これまで長く伝わってきた日本料理を軸とした温かみのある料理ばかり。プラットフォーム経由で「孝太郎さん指名」がどんどんと増えていきました。複数のご家庭の出張シェフとして定期的に活動することで、フリーランスでありながらも軸を持った働き方となりました。

そんな孝太郎さんですが、じつは今、自宅の一部を改装して限られたお客様を迎える店舗を構想中です。店舗を持つつもりはなかったはずのになぜなのか尋ねると、孝太郎さんはこう説明してくれました。

「出張料理でお世話になっているお客様に、家庭のキッチンではできない特別な経験をしてもらいたいと思っていて」。日常は出張料理で、そして特別な日には、プロの厨房で、家庭ではふだん使わない食材を使って、ゆったりと時間をかけて料理を楽しむ。そのため、お客様は1日1組に限定する予定とのこと。

さらに自宅店舗が空いた時間は、若手の挑戦の場としても使ってもらいたいと孝太郎さんは話しています。「たとえば、店舗に勤務しながら、こうした場を使って特定のお客様に自分の創作した料理を食べてもらう。そこで定期的に仕事ができるようになれば、軸ができます。そうすれば、週3日は僕の店舗で固定のお客様に、残りを出張シェフとして挑戦していくというように、道が広がってきますから」

エイトさんの場合:「夜はイタリアン経営、昼は出張料理のパラキャリを選んだ」

二人目は、都内でオーナーシェフとしてイタリア料理店を経営しながら、数カ月前からシェアダインの出張シェフとして活動を始めたエイトさんをご紹介しましょう。

(プロフィール)

エイトさん

都内レストラン数店舗勤務、農林水産省内食堂勤務 、イタリア北部にて3店舗勤務。世田谷区にてオーナーシェフ独立開業。

都内のレストランを中心にイタリア料理の腕を磨いた後、「東京で学び感じるイタリア料理は本物なのか。イタリアのシェフがどのような料理を作っているのか現地で感じたい」と、イタリア北部に渡って修行。帰国後、都内でレストランを開業します。オーナーシェフとして厨房に立つ日々です。

そんなエイトさんが出張シェフを兼業先に選んだのには、ある事情がありました。「店が住宅地にあるため、平日ランチの集客がなかなか難しくて」

スタッフとも相談した結果、ランチ営業を週末に限定することを決断。エイトさんは代わりに、昼間できる仕事はないだろうかと考え始めました。その矢先、常連のお客様が「それなら」と薦めてくれたのが、働く時間や曜日を選べるシェアダインの出張シェフという働き方でした。

さっそくシェフ登録を済ませて、出張シェフの仕事を始めたエイトさん。出張料理では、限られたキッチンで、限られた時間で、限られた食材を使って、ご家庭の悩みに答える料理をその場で作ることが要求されます。「自分の作りたい料理を表現していく」オーナーシェフとしての仕事とは異なる環境ですが、「だからこそ楽しい。突然出されたお題に答える『料理の鉄人』みたいで、よしやってやろうって思うんです(笑)」。

出張シェフとしての仕事は14時まで。そこから店舗に戻り、夜の仕込みを始めるのが、現在のエイトさんのワークスタイルです。

両者は異なる仕事に見えますが、エイトさんにとっては「オープンキッチン」という大切な共通要素があります。

「食べてくださるお客様の顔を見て、作りたいんですよね」と話すエイトさんは、自分で店舗を開業にあたってオープンキッチンにこだわりました。それは、遠目でも顔を見て、このお客様に対して作っているという気持ちを大切にしているから。実際にご自身の店舗では、たとえば家族連れで小さなお子さんがいた場合、「このチーズは食べられますか」などと質問をするよう心がけているそうです。

出張シェフとしての仕事も、家庭のキッチンで実際にお客様と対面し、ニーズを聞き出します。好きな食材や嫌いな食材、好みの味付けやその他お困りのこと。「どういう方が食べるのか、目の前にいらして、料理をする。僕にとってはそれがとても大切なことです」

 フリーランスの出張シェフとして活動したり、店舗を経営しながら出張シェフとのパラキャリを実践したり。料理人やシェフが店舗に依存しない、新たな生き方を選択できるようになったことで、お客様の側も超一流のシェフの料理を気軽に楽しめ、さらにはニーズに応じた料理を作ってもらえる──。出張シェフの広がりは、そうした料理を通じた幸せの循環が始まっている証なのかもしれません。

[記事提供:食の専門家による出張料理サービス「シェアダイン」(https://sharedine.me/)]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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