東京や横浜の港湾地区に、「ポートストア」と呼ばれるコンビニがあります。店の名こそ「ポートストア」ですが、売り物や看板のデザインはどう見ても、「ローソン」または「ファミリーマート」という、ちょっと不思議な店舗です。

ローソンいわく「『ローソン』の店舗です」

「お台場」の一角をなす東京都江東区の青海地区に、「ポートストア」と呼ばれるコンビニエンスストアがあります。


「ローソン」のような「ポートストア」(2019年4月、中島洋平撮影)。

 このコンビニ、外観にちょっと妙な点が。店名こそ「ポートストア」であるものの、看板や「PORT STORE」というロゴの書体まで、「ローソン」そっくりなのです。店内の品揃えなども、ほぼローソンといった感じで、商品を購入したレシートには、やはりローソンのロゴが印刷されています。

 ローソンのウェブサイトで「ポートストア」というキーワードを入れて店舗検索してみると、「ローソン ポートストア〇〇店」あるいは「Sポートストア〇〇店」という名称の店舗が東京都内に6軒ヒット。現地の店名は違うものの、これらはやはり「ローソン」なのでしょうか。

 ローソン広報室によると、「『ローソン ポートストア○○店』は、弊社の店舗です。この名が付く店は2002(平成14)年にオープンし、店舗数を順次拡大してまいりました」とのこと。

 ただ、「ポートストア〇〇店」といった名のコンビニは、ローソンだけではありません。同じ江東区の臨海部に位置する若洲地区などには、ほぼ「ファミリーマート」に近いものの、店名だけが「PORT STORE」となっている「ファミリーマート ポートストア〇〇」もあるのです。

ナゾの「ポートストア」 立地の共通点は「港」

 これらコンビニが立地している場所は東京の臨海部、都が定める「東京港」の区域内にあります。東京港において売店や食堂などを管理運営している一般財団法人 東京港湾福利厚生協会のウェブサイトでは、「売店(コンビニエンスストア)」として「青海サービスセンター売店」や「若洲サービスセンター売店」などが写真付きで掲載されていますが、それらはまさしく、前出の「ローソン」や「ファミリーマート」に近い外観の「ポートストア」です。同協会に話を聞きました。

――「ポートストア」とは、そもそもどのような店なのでしょうか?

 港湾地区にある売店で、都から依頼を受け、売店の営業許可を得て出店しているものです。昔は軍手などの用品を売る小さな売店でしたが、拡大するにあたり、自前ではノウハウがなかったことから、大手コンビニチェーンと提携しました。

――「ローソン」「ファミリーマート」以外の「ポートストア」もあるのでしょうか?

 いまは「ローソン」と、経営統合により「サークルKサンクス」から移行した「ファミリーマート」のみですが、最初はサンクスさんと提携したほか、「デイリーヤマザキ」の店舗もありました、

――なぜ「ローソン」「ファミリーマート」の店名ではないのでしょうか?

 当協会は非営利の団体であり、特定の民間店舗の看板を付けないようにしています。昔は店員さんの名札などについていたロゴマークも取り除いてもらっていましたが、制度の変化とともに(規制が)緩やかになってきています。店ごとに品揃えの地域性はあるものの、基本的には一般的な「ローソン」「ファミリーマート」と変わりません。


「ファミリーマート」のような「ポートストア」(2019年2月、中島洋平撮影)。

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 東京港湾福利厚生協会によると、このような大手コンビニと提携した「ポートストア」を始めたのは四半世紀ほど前から。現在、横浜市の港湾地域にも東京港と同様、横浜港湾福利厚生協会が管理する「ファミリーマート」の「ポートストア」が存在します。

【写真】「ポートストア」のレシート やっぱ「ローソン」?


「ローソン」のような「ポートストア」のレシートには、「ローソン」のロゴが印刷されている(2019年4月、中島洋平撮影)。