平均43.6歳、若きセ・リーグ監督たちは名将になれるのか?
来シーズン、セ・リーグ6球団の監督の顔ぶれが新鮮だ。
真中満(ヤクルト/2年目/44歳)
高橋由伸(巨人/1年目/40歳)
金本知憲(阪神/1年目/47歳)
緒方孝市(広島/2年目/46歳)
谷繁元信(中日/3年目/44歳)
A・ラミレス(DeNA/1年目/41歳)
※年齢は2015年12月18日現在
全員が40代で、平均年齢は43.6歳。監督としてのキャリアも谷繁監督の3年目が最長で、新たに指揮を執る監督は3人。このことについて野球解説者の山崎武司氏に聞くと、こんな答えが返ってきた。
「若い監督が増えるのはいいことだと思います。昔はどちらかといえば、実績と人気が揃ってないと監督になれなかったけど、最近は真中監督のような叩き上げの人も出てきたし、面白くなったことは確かです。少し前は、再び監督に復帰した人やいろんなチームでやっていた人が多かったからね」
山崎氏の言葉に頷(うなず)くファンもいるに違いない。たとえば、2001年はその象徴といえるシーズンかもしれない。この年のセ・リーグ監督の顔ぶれはこんな感じだった。
長嶋茂雄(巨人/監督通算15年目/64歳)
野村克也(阪神/監督通算20年目/65歳)
星野仙一(中日/監督通算11年目/53歳)
森祇晶(横浜/監督通算10年目/63歳)
山本浩二(広島/監督通算6年目/54歳)
若松勉(ヤクルト/監督通算3年目/54歳)
※年齢は2001年当時
このときすでにどの監督もある程度の年齢を重ねているが、長嶋氏が最初に監督に就任したのは39歳で、野村氏は35歳、星野氏は40歳、森氏は49歳、山本氏は43歳、若松氏は51歳だった。
特に長嶋氏や野村氏、星野氏は若いうちから経験を積み、そして実績を残し、長く監督としてチームの指揮を執っていた。来季のセ・リーグの監督の中にも、結果を残して長期政権を築く指揮官が出現するかもしれない。
では、彼らはどんな野球を我々に見せてくれるのだろうか。山崎氏は「若い監督の方が今の時代の野球に適している」と言い、こう続けた。
「コーチ経験もないのに監督は早すぎるという声もあるみたいだけど、若くてもチームをまとめられる器があれば大丈夫ですよ。今の選手たちは野球に対する知識をものすごく持っているから、僕らの現役の頃と違い、上から言われたことに『はい』と黙って従う時代じゃない。そういう意味で、40代の監督たちは"厳しかった時代"と"今の時代"の両方を知っている。世代間のギャップがないというのは大きいと思います」
また、現在は吉本興業の契約社員として野球解説の仕事もこなす石井一久氏も、山崎氏の意見に賛同する。
「一概に『若い監督は経験がない』と決めつけるのはどうかと思いますね。人を使うという部分ではベテラン監督の方が慣れていると思いますが、若い監督は今の野球界の流れやトレンドを知っている。なにより今と昔では、野球そのものが違っていますからね。ピッチングスタイルやバッティング、それこそボールやバットも違う。今は速い変化球全盛の時代ですので、その対応も必要になってきます。若い監督の方が現場を離れている時間が短い分、そこへの対応はしっかりできると思います」
そして最後に山崎氏は、「本当に来シーズンが楽しみですよね」と言った。
「真中は選手としての実績は普通だけど、指導者として頑張って結果を出した。そこに(高橋)由伸や金本、人気者のラミちゃんが監督として加わった。バラエティーに富んでいるよね(笑)。どの監督がどんな采配を見せてくれるのか楽しみだけど、昔のように大雑把ではなく今の野球は緻密になっている。その中で若い指導者がどれだけやれるのか。ひょっとしたら突拍子のない作戦をするかもしれないけど、それもひとつの個性として受け止めたいですね。なにより、これだけ年齢が近いとライバル心も出てくるだろうし、そういうのが野球に反映されると、さらに盛り上がりますよ」
はたしてこの中から、"名将"と呼ばれる監督は現れるのだろうか? いずれにしてもセ・リーグが新たな時代に突入したのは間違いない。
球春よ、早く来い――そんなことを強く待ち望む師走なのである。
島村誠也●文 text y Shimamura Seiya
