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1976年に開催された日本初のF1レース

日本モータースポーツ史上初のF1レースが開催されたのは、今を遡ること半世紀前の1976年です。

【画像】『F1世界選手権イン・ジャパン1976』決勝フルグリッドを再現!全25台のミニカーたち 全27枚

常識的に考えればそのイベントタイトルは『1976 Japanese Grand Prix』となって然るべきですが、日本でのF1初開催が決定した時点で、既にその年11月に開催される全日本F2000選手権の最終戦が『日本グランプリ』の名称に決まっていました。


再現された『F1世界選手権イン・ジャパン1976』決勝フルグリッド。これが何かは文末にて。    近藤浩之

そのため正式名称が『F1世界選手権イン・ジャパン1976』という変則的なものとされたことは、モータースポーツファンの間ではよく知られたエピソードでしょう。

ちょうど当時の我が国においては、週刊少年ジャンプに連載された漫画『サーキットの狼』が起爆剤となったスーパーカーブームの真っ只中。『サーキットの狼』以外にも実在のスポーツカーやレースを題材とした類似の漫画が数多く登場し、再びモータースポーツに対する注目が高まっていた時期でもありました。

昨今ではモータースポーツに限らず、野球やサッカーといった他のスポーツでも世界と日本の実力は伯仲していますが、かつては現在とは比較にならないほど彼我の差は大きかったと思います。

それまではF1レースといえば、自動車雑誌などからひと月遅れで情報を得るというのが当たり前の時代。『世界最高峰の自動車レース』は、遥か遠くの異国で開催されるおとぎ話のような世界でした。

ニキ・ラウダとジェームス・ハントがチャンピオン争い

そんなF1レースがついに日本で開催されることとなったのです。しかも1976年シーズンの最終戦として。

レース直前の時点でドライバーズポイントは拮抗し、フェラーリのニキ・ラウダとマクラーレンのジェームス・ハント、チャンピオン争いはこのふたりに絞られていました。


2位に入った『6輪タイレル』。こちらはオートモビルカウンシル2025のタミヤ・ブースに展示された実車。    平井大介

最終戦までもつれたチャンピオン争いの行方はもちろん、長谷見昌弘、星野一義、高原敬武ら日本人レーサーの参戦、史上初の6輪のF1マシンとして大きな注目を集めたタイレルP34など、多くの話題と共に開催された『F1世界選手権イン・ジャパン1976』。

決勝レースは生憎の大雨でしたが、その結果はそれまでの長い低迷期を脱したロータスが、マリオ・アンドレッティの駆る77によって久しぶりの優勝。鬼神の走りを見せたパトリック・デパイエの『6輪タイレル』が2位、そしてマクラーレンM23のジェームス・ハントが3位に入賞し、ポイント数でフェラーリのラウダを上回り年間王者となり、シーズンの幕を閉じました。

こうした幾多のエピソードと共に日本で初めて開催されたF1レースは、今なお多くのモータースポーツファンによって語り継がれる、忘れられない1戦となったのです。

全員が熱烈なカーガイ

東京は港区、JR新橋駅からほど近くの『スパークギャラリー東京』。ここは世界中に多くのファンを持つモデルカーメーカー、『スパーク』のミニカーが常時1500台以上も展示される、国内唯一のショールーム/ショップです。

スパークを率いるフランス人のウーゴ・リペール社長以下、同社のスタッフは全員が熱烈なカーガイであり、モータースポーツフリークであることはよく知られていますが、そんな同社ならではの企画が今回ご紹介するアイテム。


クラシック・チーム・ロータスのクライブ・チャップマン氏の厚意で、『ロータス77』の実車を展示。    近藤浩之

何と10月24日(日)に開催された『F1世界選手権イン・ジャパン1976』決勝レースのスターティンググリッドに並んだF1マシン全25台が、1/43スケールのレジン製ミニカーとしてリリースされるのです。

コクピットに収まるドライバーのヘルメットやボディの細かいグラフィック、雨のレースに合わせて履いたレインタイヤといったディテールに至るまで、綿密な考証によって再現されています。

さらに、モデルが展示されているショールームには、クラシック・チーム・ロータスのクライブ・チャップマン氏の厚意で、なんとロータス77の実車が展示されているのです。こんなことが可能なのも、実車モータースポーツ界との太いパイプを誇るスパークならではでしょう。

日本初のF1レース開催から半世紀という節目

あの日のレースをリアルタイムで体験したベテランも、歴史のエピソードとして知った若いモータースポーツファンも、日本初のF1レース開催から半世紀という節目にリリースされたこの25台のマシン群は要注目。お気に入りのマシンを選ぶもよし、思い切って全車をコンプリートするもよし、であります。

実は全25台を予約購入するとすると、予選通過を果たせなかった『マキF102A』のモデル(非売品)がプレゼントされるそう。さらに別売りで全車をディスプレイできる全長2400mmのスターティンググリッド風アクリルケースまで用意されています。


1/5スケールのヘルメットも発売されました。左からハント、ラウダ、シェクター、デパイエ各選手。    近藤浩之

今回撮影でそのグリットに並んだ様子を見て、とても懐かしい気持ちになりました。有名どころは単体で数多く見てきましたが、メジャーではない下位グループのマシンまで一望できるこうしたミニカーの企画は、初めてかもしれません。しばらくは、自宅のスペースやお財布を眺めつつ、悶々と過ごす日々が続くそうであります。