渋野日向子(右)と勝みなみ(C)共同通信社

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【羽川豊の視点 Weekly Watch】

全米女子オープン優勝 ネリー・コルダの「今季メジャー複数回優勝」を予想していた根拠

 全米女子オープン(OP)は2日目まで首位にくらいつき、久しぶりに注目された渋野日向子。17位に終わりましたがスイングが良くなっていました。

 次戦は勝みなみと組んでのダブルス戦に出場し、最終日はティーショットでフェアウエーを外さず、バック9ではベタピンショットも見せてくれました。昨年の全米女子OPも優勝争いに加わりながら、その後は予選落ちの連続。トップの位置が日替わりのスイングでショットが安定せずシード権を失いました。

 そもそもポテンシャルの高い選手です。「全米女子」で何かを掴んだのか、その前に修正できたのかわかりませんが、不安なく振り切っている今のスイングなら昨年と同じ轍を踏むことはないでしょう。

 海外メジャーで変わったといえば、桑木志帆もそうです。「全米女子」は日本勢2番手の14位と健闘。帰国直後の国内大会最終日は2位に3打差の首位から発進。一時は首位を奪われても動じることなく、「狙って取れた優勝は初めて」と胸を張りました。

 海外メジャーは条件をクリアしなければ出場できず、難しいセッティングのコースで世界のトップ選手と競う特別な大会です。桑木は、初出場だった昨年の「全米女子」は4日間プレーしたものの56位でした。

 今年は練習日に世界ランキングトップのN・コルダとラウンド。技術と精度の高さを知ったそうです。ここに「変わりたい」という気持ちが表れています。

 厳しい戦いの大舞台で、自分のゴルフがある程度通用すれば、それは大きな自信になる。ゴルフに限ったことではないですが、経験から学び、新しい扉を開いていくことの繰り返しで人は成長します。

「全米女子」から帰国すれば、慣れている芝質の「ホームコース」です。対戦相手は知っている選手が多く、競り合いの中でも冷静に試合展開を読んでプレーできる。「狙って勝った」桑木の優勝に、ひと皮剥けた「心技」が見てとれました。

 桑木は1年かけて10キロ以上も減量し、体の切れがよくなり飛距離も伸びました。今年は来季の米女子ツアー出場権を争う最終予選会を受けるという。高い目標を持った伸び盛りの選手です。今後の活躍に期待します。

 桑木が優勝した大会に招待選手として出場していた韓国のアマチュア、キム・ソアには驚きました。171センチの身長から放たれるドライバーショットの平均飛距離は270ヤード超。小技もうまく、初日は9アンダーの単独首位で飛び出すと、最終日は最終組で回り、通算16アンダーの3位。14歳とは思えぬプレーぶりでした。

 国内にも才能ある若い選手がたくさんいます。ゴルフ界のためにも、なるべく多くのチャンスを与えて欲しいです。

(羽川豊/プロゴルファー)