10日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比16.81ポイント(0.42%)安の3993.23ポイントと反落している。
 外部環境の不透明感が重しとなる流れ。中東情勢が悪化している。米陸軍の攻撃ヘリコプターをイランが撃墜したことの報復措置として、米中央軍は日本時間10日朝方に報復攻撃を開始。トランプ米大統領は9日、「イランとの戦闘終結に向けた覚書の締結は合意の最終段階にある」との認識を示していたが、交渉が長引くとの懸念も強まる状況だ。
 一方、寄り付き直後に公表された5月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス1.2%で着地。上昇率は市場予想(1.3%)を下回ったが、前月実績(1.2%)に一致している。生産者物価指数(PPI)はプラス3.9%という結果。上昇率は市場予想(3.9%)に一致し、前月実績(2.8%)を上回っている。市場の一部からは、内需の弱さが指摘された。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の政策に対する期待感が支えだ。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテクの下げが目立つ。LED部材トップメーカーの三安光電(600703/SH)が10.0%(ストップ)安、電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)が9.9%安、通信機器製造・販売の江蘇永鼎(600105/SH)が8.1%安、光ファイバーケーブルの飛光繊光纜(601869/SH)が6.5%安、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が4.8%安で引けた。
 宇宙・軍需産業株も安い。衛星・ロケット用システムの航天時代電子(600879/SH)が4.9%、航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)が3.8%、衛星開発・運用の中国衛星(600118/SH)が2.8%、航空製品の中国航発航空科技(600391/SH)が2.5%、軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が2.1%ずつ下落した。
 発電・電設株も急落。北京京能電力(600578/SH)が10.0%(ストップ)安、華電能源(600726/SH)が6.9%安、中節能風力発電(601016/SH)が5.9%安、東方電気(600875/SH)が5.3%安、中国西電電気(601179/SH)が4.5%安と値を下げた。エネルギー株、インフラ建設株、自動車株、不動産株、海運株、素材株なども売られている。
 半面、金融株は高い。中国工商銀行(601398/SH)が2.0%、中国農業銀行(601288/SH)が1.7%、中国人寿保険(601628/SH)が4.5%、中国太平洋保険(601601/SH)が3.0%、国泰海通証券(601211/SH)が3.3%、華泰証券(601688/SH)が3.1%ずつ上昇した。
 ネットワーク設備やキャリアの通信セクターも物色される。中貝通信集団(603220/SH)が10.0%(ストップ)高、中国電信(601728/SH)が3.0%高、中国聯通(600050/SH)が1.6%高、中国移動(600941/SH)が1.5%高で取引を終えた。次世代通信網の期待感が先行。中国は今後5年で、5G通信技術を強化した「5G−A(5G−Advanced)」対応の基地局50万カ所を整備する――と伝わった。食品飲料株、医薬株も買われている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が5.48ポイント(2.01%)安の267.25ポイント、深センB株指数が4.93ポイント(0.44%)安の1123.73ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)