高校時代から別格の存在感を示している鈴木。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 元JリーガーでW杯戦士の鄭大世氏が清水エスパルスに在籍時、「このルーキーは凄い」と舌を巻いたことがあったという。

「練習参加の高校生はだいたい落ち込んで帰っていく。だから、どうせこの選手も同じように落ち込むと思ったけど、なんの遜色もなくやれていたのが鈴木唯人でした。普通にやれているというか、むしろ活躍していてコイツは凄いと」

 物怖じしない性格なのか。代表活動中の囲み取材で話を聞いても、鈴木は常に表情を崩さず、口調も冷静だ。そのスタンスはどう培われたのか。事前キャンプ地のモンテレイで練習を行なった6月6日のミックスゾーンでそう聞くと、鈴木は「特に何も。深く考えてないんですかね」と実にあっさり回答してくれた。

 何事も動じず、失敗を恐れない。そんな鈴木の姿勢は、ある意味で"無の境地"にも見えた。そうでないと、“ハイリスク・ハイリターン”のプロサッカー選手という職業は務まらないのかもしれない。
 
 高校時代から異質さを感じさせていた鈴木は、冒頭で述べた鄭大世氏の話を振ると、ここでもあっさり。

「根拠のない自信ですよね、そういうのは常に持っているので」

 鄭大世氏が鈴木の高校時代に感じた“異質さ”の片鱗は、この言葉に表れていた。

 異様な太々しさ、悪くない。むしろワールドカップという極限の舞台では、"根拠のない自信"こそが選手を支えるのかもしれない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長/現地特派)
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