ハイネケンUSAは、FIFAワールドカップ2026を前に、今年はサッカー分野へのマーケティング予算を大幅に増やしている。「サッカー公式ビール(the official beer of soccer)」として商標を取得しているこのビール会社は、ワールドカップの公式スポンサーではない。しかし、夏のサッカーブームに乗じて、パブリックス(Publix)をはじめとした米国各地の小売パートナーで、サッカーをテーマにした限定12本パックと24本パックを発売する。ハイネケンはまた、ロサンゼルス、ヒューストン、フィラデルフィア、ニューヨーク、マイアミ、ダラスなど、米国各都市で観戦パーティーを開催する予定だ。さらに、テレビ広告やイベントなどで構成される「ファンズ・ハブ・モア・フレンズ(Fans Have More Friends)」という新たなブランドプラットフォームを構築している。このブランドプラットフォームは、コーチェラのような音楽フェスティバルだけでなく、主要なスポーツイベントを横断する2026年のハイネケン戦略の中核となるものだ。ハイネケンは、メジャーリーグサッカー(MLS)とインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)の両方とパートナーシップを結ぶことで、長年にわたってサッカーに深く関わってきた。30年間にわたり、UEFAチャンピオンズリーグのスポンサーも務めてきたが、このパートナーシップは2027年に終了する予定だ。30年ぶりに北米でワールドカップが開催される2026年、ハイネケンは北米に急速に拡大するサッカー人気を取り込むため、サッカー関連の支出を前年比189%増やしている。
ワールドカップは6月11日から7月19日まで、米国、カナダ、メキシコの3カ国を開催地として行われる。しかし、この春から夏にかけてのハイネケンの大規模なサッカー攻勢は、ほかのイベントとも重なる。5月初旬に幕を閉じたUEFAチャンピオンズリーグ準決勝や、5月30日に開催されるUEFAチャンピオンズリーグ決勝などだ。ハイネケンはスポンサーとして、UEFAチャンピオンズリーグのロゴと、2019年に出願した「サッカー公式ビール(Official Beer of Soccer)」の商標をあしらった限定アルミボトルを製作した。さらに、小売店舗にはサッカーゴール型のディスプレイや床用デカール(ステッカー)も設置している。
ほかのブランドも、数十億人の視聴者を集めると見込まれるワールドカップ熱に乗ろうと、さまざまな方法を模索している。レイズ(Lay's)はカナダでポテトチップスの袋にサッカースターを起用しており、アディダス(adidas)は10月に最初のユニフォームキットを発売した。ただしハイネケンと同じく、公式スポンサーではないブランドもある。たとえば、スタンレー1913(Stanley 1913)はタンブラーの新作「フットボル・アーティスト・コレクション(Fútbol Artist Collection)」を展開しているが、ワールドカップとパートナーシップは結んでいない。一方、ハイネケンはサッカーシーズンの夏を通して、対面型のクリエイティブな施策を継続して開催していく予定だ。たとえば、1月に始動した「ファンズ・ハブ・モア・フレンズ」キャンペーンの一環として、ニューヨークでクリエイターのザック・アルソップとタッグを組んだ。オーストラリア出身のアルソップは、UEFAの試合を一緒に見る相手を探していた。彼は「ビールを一緒に飲もう(Have A Beer With Me)」と書かれたチラシを配り、セントラルパーク・タヴァーン(Central Park Tavern)に「何百人もの」人々を集めた。「我々は、ファン同士がハイネケンを飲みながら本当に繋がっている様子を見せたいのだ」と、ペイン氏は語った。[原文:Heineken shares its marketing strategy for the summer of soccer as World Cup hype ramps up]Julia Waldow(翻訳、編集:藏西隆介)Image/instagram : The HEINEKEN Company