2025年(1月〜12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。社会部門の第3位は、こちら!(初公開日 2025/06/07)。

【衝撃の写真ページ】出産回数12回…駐車場で出産した33歳女性

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 駅のコインロッカーに赤ちゃんの腐敗した遺体を置いたのは、33歳の女性だった。さらに裁判によって、女性が過去に12回妊娠していたことが明らかに。彼女はなぜ母親として子どもを育てられなかったのか? 2023年に起きた驚きの事件をお届け。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/後編を読む)


写真はイメージ ©getty

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彼女が出産した12人の子どもの行方

「駅のコインロッカーから異臭がします」

 利用者の届け出で駅員が業者を呼び、問題の扉を開けてみたところ、鼻が曲がるほどの悪臭がした。

 中にはトートバッグが1つだけ入っていたが、液状の汁が染み出ていた。

 バッグを倉庫に移動し、中身を確認すると、それは、腐敗した新生児の遺体だった。

「警察を呼べ!」

 すぐに管轄署の警察官が駆けつけ、遺体は司法解剖に回されることになった。

 腐敗が進み過ぎて死因は不明だったが、死後1カ月以上経っていることが分かった。

 駅の防犯カメラから、毎日のようにそのロッカーにコインを入れている女の存在が分かった。

 画像をプリントアウトし、聞き込み捜査を開始したところ、近くのビジネスホテルを定宿とする風俗嬢の木村有希(当時33)が浮上した。

 任意同行を求めたところ、コインロッカーに新生児を詰めたトートバッグを入れたことを認め、「赤ちゃんを出産した日に入れた。救急車は呼ばなかった。お金もないし、誰の子どもか分からないので、育てるつもりはありませんでした」と供述した。

 有希が九州の片田舎から関西の歓楽街に転居してきたのは1年前。それまで付き合っていたホストと別れ、より大きな稼ぎを求めて転居してきたのだった。

 とは言え、アパートを借りることもなく、1日の宿泊代5000円のビジネスホテルを定宿として、風俗で稼ぐ浮き草のような生活をしていた。

 そんな有希が客からの指名がひっきりなしだった理由は2つある。

 1つは追加料金をもらって本番OKだったことだ。

 もう1つは膣内射精もOKだったことである。

 有希はゴムアレルギーだったので、コンドームを着けてのセックスができなかった。

 だからこそ、生でしてもらわないと困るのだ。

 有希に膣内射精した客はまた必ずリピーターになるので、有希は1人で生活するには十分な金を持っていた。

稼いだ金の使いみちは…

 その金の使い道は相変わらずホストクラブだった。有希は以前の土地でもホストに狂っていたが、都会に出て早々、「なぜここまで一途になれるのか自分でも分からない。これまでホストと付き合ったことはあるけれど、ここまで一途になったことはありません」というホストと出会い、交際するようになった。

 もっともホストとしては営業でしかなく、〈次に来たとき、売掛金は全部払うって認識でいいのかな?〉などとLINEしていた。

 そのホストとも当然関係を持っていたが、客とは相変わらず膣内射精ばかりしていて、いつしか生理が来なくなった。

 妊娠検査薬で調べると、陽性だった。

「マズイ、またやっちゃった……」

 有希が大して驚かなかったのは、これが初めてじゃなかったからだ。

 しかし、保険証が切れていて、病院にも行かないのはマズイと思った。

 誰も知らない未知の土地で妊娠してしまい、この始末をどうつけようかという不安はあった。

「どうせ私は1人で生きていくしかないんだから……」

(諸岡 宏樹)