就職エージェントによるオワハラが社会問題化 研修費の請求、他社の選考辞退を強要するケースも
新卒の学生を支援する就職エージェントによる“オワハラ”が社会問題となっている。内定承諾の強要や金銭請求といったトラブルも発生しており、3月以降、複数の大学が実例を公開して注意喚起している。
厚生労働省によれば、オワハラとは「企業などが新規学校卒業者等の採用において、内定や内々定を行うことと引き換えに、学生の意思に反して他の企業などへの就職活動の終了を強要するようなハラスメント行為」と定義している。企業によるオワハラは以前から問題視されており、厚労省が注意喚起していた。
近年、社会問題となっているのは、企業ではなく就職エージェントによるオワハラだ。学生に対して就職相談やエントリーシートの添削などを無料で行っている就職エージェントだが、企業からの利益を確保するため、学生に圧力をかけてしまっているようだ。
実際に学生から被害が報告されており、複数の大学が注意を呼びかけている。今年3月には、中央大学が公式サイトで実際に起きたオワハラの事例を公開した。「内定を辞退するなら、これまでに費やした採用コストや研修費を請求する」「今この場で他社の選考辞退の電話をかけろ」などと脅迫や強要されたケースがあったという。
立教大学はX(旧Twitter)で「本人の了承なく面接が設定される」「1日に10回以上電話がかかってくる」といったケースが発生していることを明らかにした。オワハラを受けた場合には、具体的な発言内容をメモや録音で残すようアドバイスした。
4月には、長崎大学が公式サイトで「自分自身の意に沿わない選択を迫るような新卒紹介エージェントサービスや、就職関連団体の利用には注意をしてください」と警鐘を鳴らした。同大学のキャリアセンターにも相談が寄せられているとのことだ。
新卒の学生の売り手市場が続くなか、新たな問題が深刻化している。大学のサポートに加え、今後は国による対策強化が求められている。
