世界中でチケット即完売! 73歳「高中正義」が“欧米の若者”を熱狂させるワケ
現地ニュースもベタ褒め
4月1日、ロンドンのコンサート会場「アカデミー・ブリクストン」はアロハシャツの海と化していた。5000人のファンの前に登場したのは高中正義。ご存じ日本の音楽シーンを引っ張ってきたギタリストである。現地在住のライター、近藤麻美氏によれば、
「高中さんのロンドン公演は昨年チケットが発売されましたが、一瞬でソールドアウトになったため、主催者が3000人多いアカデミー・ブリクストンに会場を変更。追加チケットを発行したものの、こちらもすぐに売り切れてしまったそうです」
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日本で高中のコンサートに訪れるのは50代以上が中心だが、ロンドンでは20代、30代と圧倒的に若い。現地のニュースもベタ褒めだ。

〈彼のプレイはサンタナを思わせる情熱とジミー・ペイジの鋭さ、そしてアール・クルーの繊細さが溶け合った独自のサウンドだ〉
ハイライトはアンコール。「ワン・モア・ソング!」の大合唱に応えて高中は赤いサーフボードギターを手に再登場、会場は歓喜と興奮に包まれたという。海外ツアーはニューヨークやロスなどと続き、その後はオーストラリとニュージーランドでの公演である。
“憧れ”を体現
本人と13年の交流がある音楽ライターの近藤正義氏も驚く。
「海外で人気が出たのは、ここ2年ぐらいのことです。それ以前は懐メロみたいな扱いで、彼も“そろそろフェードアウトかな”なんて言っていたこともありました。そんな時にスタッフが音楽アプリの『Spotify』を教えてくれた。同アプリは世界の都市ごとの再生数が分かるようになっており、欧米では高中さんの曲が軒並み1位とか2位。本格的にリサーチを始めてプロモーターに打診したら、“コンサートをやれる”となった。そこで上海から始めて、世界ツアーを組むと、これらも売り切れました」
それにしても高中は御年73歳、演奏するのは1970年代、80年代にはやった曲である。なぜ現地の若者を熱狂させるのだろう。
「SNSなどでインフルエンサーが“推し”たこともありますが、若者が高中さんを好きになる素地はありました。彼の曲はアーバンな雰囲気だったりリゾートをイメージさせるものが多い。日本でヒットしたのは高度成長期で、皆が将来に希望を持っている時代でした。将来、こんな街で暮らしたい。あんなリゾートに行ってみたいという“憧れ”を体現したのが高中ミュージック。それが世代を一回りして、欧米の若者にハマったのでしょう。実際、欧米では同世代の竹内まりやとかカシオペアも人気なんです」(同)
5月には日本での凱旋(がいせん)公演が待っている。残念ながらチケットは完売だけど。
「週刊新潮」2026年4月30日号 掲載
